シニア世代の旅行意欲とスマホ利用実態

2022年12月23日 15時09分更新


 温泉宿泊予約サービスやシニアマーケティング支援事業を提供する株式会社ゆこゆこ(は、「シニアの旅行意欲とスマホ利用実態」に関する調査を実施した。

 その結果、シニアの旅行意欲の高まりと、シニアのスマートフォン(スマホ)の所持率が9割を越える一方で、旅行におけるオンライン上での宿の予約や決済に不安があることもわかった。詳細を以下にて紹介する。

※1旅行:今回の調査では宿泊を伴う外出を旅行と呼んでいる。
※2シニア:今回は60歳以上を対象にした調査を行っており、当リリース内において60歳以上の方をシニアと呼んでいる。

  • 「シニアの旅行意欲とスマホ利用実態調査」 実施背景

  全国旅行支援が2022年10月にスタートし、年明け2023年も延長することが決定した。2023年の全国旅行支援では、クーポン券が原則、電子のみとなるなど、スマホを使いこなせないシニアが全国旅行支援の恩恵を受けられない可能性もある。そこで、50代以上の会員を多く持つ「ゆこゆこ」は、60歳以上の会員を対象に、旅行意欲とスマホの利用実態を調査し、来年の旅行市場を予測した。

  • シニアの旅行意向 2023年は98.5%が「旅行に行きたい」と旅行への意欲は高い傾向に

 「2021~2022年の期間で旅行に行ったか」という質問に対し、「旅行へ行った」と回答したのが、2021年81.7%、2022年91.1%となった。さらに2023年の意向について「旅行へ行きたいと思っている」と98.5%が回答し、この3年の間に、右肩上がりで旅行意欲が高まっていることがわかった。また、「あなたは現在、外出することに対して抵抗がありますか」という質問に対し、35.8%のシニアが「ある」と回答し、「高齢の為、新型コロナウイルス感染が心配で控えている」「コロナ終息までは人混みに出るのに抵抗を感じる」などの声が上がった。コロナ禍でもシニアの旅行意欲は高いものの、外出に対して抵抗があり慎重になっているシニアも一定数いることがわかる。

3年間のシニア旅行意欲

3年間のシニア旅行意欲

外出に対する抵抗の有無

外出に対する抵抗の有無

 

 

 

  • これまで控えていた旅行を楽しみたいリベンジ派からは「日常生活から離れて気分転換をしたい」の声

 「2023年に旅行に行きたい」と回答する人の中には、「現在旅行を控えているけれど2023年は旅行へ行きたい」という「リベンジ派」が、16.2%いることがわかった。「感染対策が取られている宿泊施設には普段同様に旅行できるから」、「貸切風呂のある宿、個室で食事のできる宿を希望できるから」、「割引及びクーポンが有るから」などの声があがっている。他にも、「身体が元気なうちに色々な観光地に出掛けて楽しみたい」、「日常生活から離れて気分転換したい」、「コロナの心配はあるが、気晴らしをしたい」と、我慢していた旅行意欲を発散したい想いが伝わってくる。新型コロナウイルスの感染対策を講じながら、非日常を感じてリフレッシュしたいというポジティブなシニアの姿が浮き彫りとなった。

【旅行リベンジ派の意見】
・ コロナ禍でも貸切風呂のある宿、個室での食事ができる宿を希望できる
・全国旅行支援による割引及びクーポンが有るから
・身体が元気なうちに色々な観光地に出掛けて楽しみたい
・日常生活から離れて気分転換したい
・コロナの心配はあるが、気晴らしをしたい
  • シニアのスマホ利用率は9割を越えるが、約4割が宿のオンライン決済ができないということが判明

 さらに、スマホの利用実態について調査したところ、93.3%のシニアがスマホを所持していることが明らかになった。一方で、スマホは所持しているものの、スマホでできることについて「宿のオンライン予約ができる」と回答したシニアは全体の78.9%であり、年代別に比較すると、60代は85.2%、70代以上は71.1%と14.1%の差があった。また「宿のオンライン決済ができる」と回答したシニアは全体の61.1%でした。年代別に比較すると60代は68.0%に対して、70代以上は52.7%と15.3%の差があり、年齢が上がるごとにより複雑な操作を要する決済ができる方が減ることも明らかになった。他にも、スマホの宿予約に対する不安の声として、「予約確定や返信が遅いと、ちゃんとできているか不安になる」、「分からなくなるので電話の方が安心」などがあがりました。スマホは所持していても予約や決済が、年齢が上がるにつれて旅行に行きたいシニアの障壁になっている可能性が考えられる。

(60代以上)スマホで宿の予約ができますか

(60代以上)スマホで宿の予約ができますか

 

 

(60代以上)スマホで宿の決済ができますか

(60代以上)スマホで宿の決済ができますか

【オンラインでの宿予約に対する不安の声】
・予約確定や返信が遅いと、ちゃんと出来ているか不安になる
・(途中で操作が)分からなくなるので電話の方が安心
・(予約内容に)間違いがないか心配
・宿から連絡があれば、安心できるが(オンラインだけだと)一方通行かなと思う
・普段メール自体を使わないのでメールの見方や送信方法など出来ず不安に思う

 

  • シニアの旅行意欲に寄り添うためには

 年々シニアの旅行意欲は高まっており、実際に旅行へ行っているシニアが多くいることが今回の調査の結果からわかった。一方で、旅行業界のDX化が進むことにより、オンラインだけで済ませることに対して不安を感じているシニアが一定数いることも明らかになった。旅行業界のDX化はシニアの旅行に対して様々な障壁があるといえる。旅行意欲の高いシニアが旅行を楽しむためにも、現段階でシニアが感じる不安に寄り添うサービスが必要であることが示唆された。

  • 考察 山崎まゆみ先生コメント

「全国旅行支援のスタートなど、旅行へ行くことを奨励するムードがでてきました。平日は、お得な宿のプランがでていることが多いため、シニア層の旅行意欲にはずみがついたように感じています。今回の調査結果からも、その高まりが反映された結果になりました。
しかし、旅行業界では人手不足などもあり、旅行業界のデジタルシフトが加速してきています。それによってきめこまやかな個別のサービスが難しくなっている現状があります。特にシニアが旅行先で楽しむには、宿とシニアのニーズのマッチングが重要です。シニアに寄り添うためには、部屋のバリアフリーや施設のエレベーターの有無、お食事の配慮など、個別に対応すべきことが少なくありません。そのためには施設の情報をあらかじめ詳しく知ることが必須なので、オンライン予約だけでは実現できないサービスもあると感じています。調査にもあったとおり、スマホに頼ったサービス展開ではシニアの不安を払拭できない可能性もあります。シニアが安心・安全に旅行ができるよう、予約時に気になる点を確認できるような個別のサービスの提供が求められると考えます。」

 

 

山崎 まゆみ(やまざき まゆみ)先生

跡見学園女子大学・温泉エッセイスト・兼任講師(観光温泉学・観光取材学)
 国内だけでなく、現在まで、世界32か国、1000カ所以上の温泉を訪ねる。観光庁からVISIT JAPAN大使を任命され日本の温泉文化を国内外に広く発信。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどで温泉の魅力を紹介している。現在、NHK「ラジオ深夜便」、NHKラジオ「らじるラボ」にレギュラー出演中。「バリアフリー温泉で家族旅行」のシリーズ第3弾、『行ってみようよ!親孝行温泉』発売中。

【調査概要】
調査内容:シニアの旅行意欲とスマホ利用実態調査
調査方法:①アンケートフォームを使用したオンライン調査②電話による聞き取り調査
調査期間:①2022年12月6日(火)~12月12日(月)②2022年12月7日(水)~12月9日(金)
調査対象:①ゆこゆこネット会員 60歳以上の男女 2150名②ゆこゆこ会員 60歳以上の男女 119名
調査主体:株式会社ゆこゆこ

■プレスリリースURL
https://prtimes.jp/a/?f=d78733-20221223-b0cfd22c250d88f3e40226c44350bc19.pdf

■株式会社ゆこゆこ 概要
会社名  :​株式会社ゆこゆこ
代表者  :​代表取締役社長 徳田 和嘉子
所在地  ​:東京都中央区銀座2-3-6 銀座並木通りビル
設 立   :​2006年6 月(前身は2000年1月に設立)
事 業   :旅行事業 日本国内の宿泊を対象とする手配旅行(観光庁長官登録旅行業 第1736号)、
コンタクトセンター事業、広告販売事業
URL      : https://www.yukoyuko.co.jp/(コーポレートサイト)

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