入浴好きの都道府県ランキング

2022年10月4日 16時25分更新


  NTT タウンページ株式会社は、タウンページデータベース(職業別電話帳データ)を活用してさまざまなマーケティング情報を提供しており、自社が運営するタウンページデータベース商品紹介サイト( https://www.ntttp-db.com/ )では、独自の都道府県ランキングを発表している。
1. 主旨
 全国の事業所・店舗の電話番号や業種が登録されているタウンページデータベースを活用し、様々な都道府県別業界のランキングを発信することで、マーケティングやビジネスのヒントとなるような世の中の動きを届けている。【日本一入浴好きの都道府県はどこ?入浴施設都道府県別登録件数ランキング】
 日本人は世界有数の風呂好き民族。事実、日本には、温泉、銭湯、スーパー銭湯など多彩な公共入浴施設が存在している。
 今回は、日本人の入浴文化に注目した「日本一入浴好き」な都道府県はどこなのかについて、全国の入浴施設の登録件数を元に調査した。
https://www.ntttp-db.com/post/ranking162.タウンページデータベースの概要
 タウンページデータベース(TPDB)は、約600万件(2022年3月時点)の事業所・店舗情報が、約1,900の業種ごとに分類された著作物で、主に国産カーナビや 110 番の通信指令台で導入されている他、各事業者さまでは顧客データベースの構築などに広く活用されている。新設された会社の情報や住所移転、廃業店舗情報は、毎月更新により鮮度を維持している。過去 30 年間のデータベースをアーカイブとして保管しており、最新のデータベースと組み合わせて比較検討できる統計情報を保有している。
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※タウンページデータベースは NTT 東日本・NTT 西日本から委託を受けた NTT タウンページ株式会社が提供している。【参考資料】
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 日本一入浴好きの都道府県はどこ?入浴施設都道府県別登録件数ランキング
溢れんばかりにお湯を満たした広い浴槽に、思い切り手足を伸ばして身体を休める贅沢…「お風呂」は1日の疲れを癒す大切な時間。
 日本人は世界有数の風呂好き民族。事実、日本には、温泉、銭湯、スーパー銭湯など多彩な公共入浴施設が存在している。
 今回は、日本人の入浴に注目した「日本一入浴好き」な都道府県はどこなのかについて調査した。日本人の入浴文化の起源は、6世紀に渡来した仏教の教えにあると言われている。
 沐浴で身を清めることが病を退け福を呼ぶとされ、平安時代には宗教的意味を込めた寺院による施浴が盛んに行われた。現代のような、湯船に首まで浸かるスタイルができたのは江戸時代。最古の銭湯が出来たのは、それに先立つ1591年のこと。現代では、公衆浴場と一口に言っても、レジャーとして人気の「温泉」、減少の一途を辿る「銭湯」、娯楽施設としての要素が高い「スーパー銭湯」など、多彩な施設が存在している。

温泉・銭湯に日本一お金をかけるのは?
 それでは、家計に占める「温泉・銭湯入浴料」はどのくらいが平均なのだろう?
1世帯あたりの「温泉・銭湯入浴料」支出年間金額(2020年)は、全国平均1,243円に対し、トップの青森市では4倍以上となる5,392円。青森県の大人入浴料金は450円であるため、月約1回は公衆浴場を利用している計算。2位は金沢市(4,434円)、次いで盛岡市(2,835円)が3位にランクインした。

<図1>

 さて、ここまでは「温泉」と「銭湯」をひとまとめで紹介してきたが、実はそれぞれ定義がありる。
「銭湯」とは、地域住民の日常生活において保険衛生上必要な施設(公衆浴場法)とされており、入浴料金は、物価統制令によって統制されていまる。「スーパー銭湯」や「健康ランド」等も、料金を支払って入浴する施設で銭湯の一種だが、飲食施設や無料休憩スペース等が強化された業態を指し、物価統制令の制限を受けない。

 一方の「温泉」は、その掘削や提供に関しては、水温や含有成分の条件を定めた温泉法で規制される。温泉を利用した浴場業、いわゆる「温泉浴場」を営む場合には、銭湯と同じく公衆浴場法の規制を受けることとなる。

入浴施設の登録件数推移
 では、これらの施設の登録件数が、この10年間でどのように推移しているか、タウンページデータベースに登録されている入浴施設関連の業種を見てみる。

戦後の人口増加に伴って全国で多くの銭湯が開業したが、高度成長期に入ると住環境が大きく改善され、浴室付き住宅が増加、利用者は徐々に減少していく。

 また、バブル期などの一時的なブームを経て、今や国民的レジャーとして定着した温泉も、この10年間で登録件数は減少しており、入浴施設全体が減少傾向となっている。

<図2>
※「温泉浴場」には「温泉旅館」を含まない。

出典:「タウンページデータベース」(NTT東日本、NTT西日本) NTTタウンページ株式会社

減少が続く銭湯

 全体的な減少傾向の続く入浴施設の中で、特に登録件数が大きく減少しているのが「銭湯」。
2013年から2022年の10年間で、55%にまで減少している。
「銭湯」がタウンページデータベースの業種に登場した1989年まで溯って比較すると、1989年(11,374件)から2022年(1,700件)の33年間で、なんと15%にまで減少していた。

<図3>

出典:「タウンページデータベース」(NTT東日本・NTT西日本)NTTタウンページ株式会社調べ

 銭湯減少の主な理由は①一般家庭への浴室の普及、②後継者不足、③燃料費の高騰、④認知度の低下などと言われている。
日本が世界に誇る銭湯文化。このまま姿を消してしまうのは寂しい限りだ。
最近では第三次サウナブームに乗って「銭湯サウナ」と呼ばれるサウナ付きの銭湯も増えてきているため、このブームに乗って銭湯文化も勢いを増してほしいところだ。
10月10日は銭湯の日。たまには近くの銭湯を訪れてみるのもいいかもしれない。

入浴施設が多い都道府県は?
 減少傾向にある入浴施設だが、都道府県別に見ると、人口10万人あたりの入浴施設の登録件数が最も多い都道府県はどこだろうか。

出典:「タウンページデータベース」(NTT東日本・NTT西日本)NTTタウンページ株式会社調べ

 人口10万人当たりの入浴施設の登録件数が最も多いのは、青森県の16.95件。
2位が14.00件の大分県、3位が13.01件の鹿児島県となっている。
2位と3位の差は1件未満と僅差だが、青森県は2位に2.95件の差をつけてダントツの1位で。

 以上の結果から、温泉・銭湯に日本一お金をかけるのは青森市、人口当たりの入浴施設の登録件数が多いのは青森県という結果となった。

 「入浴好き」1位は、青森県ということになりそうだ。
実は青森県は知る人ぞ知る温泉の楽園とも言われているようで、身近に入浴施設が多くあることも相まって湯船に浸かって温まるのが好きな人が多いのかもしれない。

まとめ

 いつの時代も日本人を癒やしてくれるお風呂。
コロナ禍で温泉に行くのを控えていたという人も多いのではないだろうか。
コロナ禍による行動制限がなくなった今、以前のようにレジャーとしての温泉を楽しむ人も増えそうだ。

 全体的な減少傾向にある入浴施設の中でも、特に減少が続く「銭湯」だが、サウナブームに乗ったサウナ付きの銭湯など、市場の動向に合わせた付加価値をつけるなどの工夫で、まだまだ存在価値を高めていく可能性もあるのではないだろうか。

 データをうまく活用することで、どの地域でどの業種が需要があるのか、そうでないかがわかる。また、それを糸口にして調べてみると、その街の文化や、雰囲気、町おこしなどの政策面にいたるまで、様々な事柄を知ることが可能だ。
データの背景には、無数の情報が隠れていて、それをビジネスの戦略立案や販売促進に活かすことができる。

 タウンページデータベースでは、さまざまな統計データを用意している。商品開発やマーケティングに利用することで、詳細な分析や施策の効果測定を可能にする。データの有効活用ならタウンページデータベースに相談を。

2022年10月執筆

【調査概要】
都道府県別 人口約10万人に対する「入浴施設」の登録件数分布及び年別の推移を掲載している。
■対象期間と抽出方法:2020年・2021年・2022年の各6月時点で、タウンページデータベースの業種分類「銭湯(スーパー銭湯)」「銭湯」「温泉浴場」「健康ランド」に登録されている件数を集計し算出。
※1人当たりの登録件数は、小数点以下数桁になるため10万人換算をしている。

タウンページデータベースについての詳細はこちら
https://www.ntttp-db.com/

【本件に関するお問い合せ先】
企画部 マーケティング戦略推進室 企画担当
TEL:(03)5776-4446 / mail:msen-kikaku@ntt-tp.co.jp

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