インバウンド旅行者の日本での冬の楽しみ方は?この冬の人気の旅行先最新ランキング
2019年1月10日 15時01分更新
宿泊予約サイトBooking.comの日本法人 ブッキング・ドットコム・ジャパンは、2018年から2019年にかけた「平成最後の冬休み」を日本で過ごした外国人旅行者に人気の都市ランキングと、訪日外国人の日本での過ごし方を分析し発表した。
「平成最後の冬休み」に多くの日本人が過ごした人気旅行先である韓国・香港・台湾・タイ・シンガポール・アメリカ・イギリス・フランス。その8ヶ国からその時期に日本に観光しに来ている旅行客は、一体どこに滞在しているのだろうか。国ごとに異なる日本での過ごし方が明らかになった。
韓国・香港・台湾など、日本から近い国々からは、距離も近い九州や沖縄への旅行者が多くいることがわかった。その中でも韓国からの旅行者は特に、由布や別府、熊本などの九州の温泉地を好んでいる傾向にある。
実際に、観光庁の調査によると(表1)、韓国・台湾・香港からの旅行者は、訪日の目的として「日本酒を飲むこと」の次に「温泉入浴」を選んでいることからも、ただ観光地にいくだけではなく、“温泉“というアクティビティを楽しむ人が増えていることがわかる。
そして台湾からの旅行者のランキングでは、20位までに沖縄が3都市もランクインしており、沖縄人気を伺い知ることができる。台湾から沖縄までは直行便で1時間程度と、その手軽さも人気の要因の一つと考えられる。
タイやシンガポールなど一年を通して気温が高い東南アジアの人々は、とことん日本の冬を楽しむことができるような寒い地域への渡航が多いということがわかった。北海道などの著名な観光地はもちろん、高山などの豪雪地帯にも足を運んでいる傾向がある。雪は東南アジアでは絶対に味わうことができないからこそ、人気を集めていると推測ができる。また、富士山が美しい富士河口湖など、日本らしい景色が楽しめる旅行先も人気なことがわかった。
欧米圏からの旅行者の間では、10位までは東京・京都・大阪・北海道などの日本の観光地として著名な地域が人気のなか、成田がそれぞれ4位にランクインしていることは興味深い。理由としては、成田空港は欧米からの飛行機の離発着が多いため、空港からのアクセスがよい成田市での宿泊者数が多いことが予想される。
また、11位以降はアメリカ・イギリスと、フランスで特徴が大きく分かれる結果となった。アメリカやイギリスからの旅行者には、ニセコや白馬などのスキーやスノーボードにぴったりの旅行先が人気で、ブッキング・ドットコムのクチコミでも「雪質が最高だった!」などのコメントが多くあり、ヨーロッパのアルプスでは味わうことができないような「JAPOW」と呼ばれるパウダースノーを目当てにしている旅行者もいる。
一方のフランスからの旅行者は、11位以降もウィンタースポーツを楽しむような渡航先は少なく、アートの街として知られる直島や奈良・日光・宮島など世界遺産がある街がランクインしており、人気であることがわかった。観光庁の発表によると、フランス人は「7~90日間」の長期滞在者が 95%と大半を占めている(表2)ことからも、長期滞在し、地方の世界遺産などを巡っていることが推測できる。