訪都外国人旅行者への満足度調査、期待していて満足度も高かったのは「銀座」ー産業労働局

2018年6月11日 11時17分更新


 東京都では、観光産業振興に向けた施策を推進するための基礎資料として、訪都外国人旅行者の行動特性に関する調査結果をまとめ、その結果を発表した。

【調査結果】
◆訪都外国人旅行者の行動特性
 これまでの訪都回数は「2回目」以上(リピーター)が51.5%と過半数を超えている。

外国人(1)外国人(3)外国人(5)外国人(7)

 国籍・地域別に見ると、「1回目」の割合が高い国籍・地域はスペイン(79.4%)、カナダ(66.4%)、イタリア(65.7%)、ロシア(64.0%)。「2回目」以上の割合が高いのは、香港(73.7%)、シンガポール(65.2%)、台湾(64.7%)であった。

 国籍・地域別に見ると、欧米地域を中心に多くの国籍・地域で「渋谷」を訪れた割合が高くなっており、20の国・地域のうち、スペイン86.7%、イタリア78.2%など9か国で1位に挙がっている。

 訪問先は、「新宿・大久保」が56.0%、「銀座」が49.7%、「浅草」が45.7%となっている。

 訪都外国人1人当たりの都内での旅行中支出額(推計値)は133,731円。平成28年の130,433円に比べ2.5%増加した。

◆全体において、最も支出額が多い費目は「土産買物費」であり、64,183円。平成28年に比べ、0.9%減少している。
 最も旅行中支出額が高い国・地域は中国であり、206,600円。平成28年の202,987円に比べ1.8%増加し、「土産買物費」は135,587円(対前年度比3.0%減)となっている。

◆一番期待していた場所、一番満足した場所

期待していた場所1期待していた場所2

一番期待していた場所:最も多いのが「銀座」(14.1%)、次いで「秋葉原」(12.0%)、「浅草」(11.7%)。
一番満足した場所:最も多いのが「銀座」(13.3%)、次いで「浅草」(12.6%)、「新宿・大久保」(12.6%)。

◆訪問して一番満足した場所で行った行動
 『築地』での「日本食を楽しむ」(92.1%)の割合が高い。それ以外で特徴的なのは『秋葉原』での「電気製品のショッピング」(27.7%)、『浅草』での「伝統建築の見学」(64.7%)、『奥多摩』での「自然を感じる」(83.4%)、『吉祥寺・三鷹』での「美術館・博物館の探索」(30.9%)などが挙げられる。

◆訪都の満足度

訪都満足度
 訪都の満足度について、「大変満足」(43.9%)、「満足」(44.7%)、「やや満足」(6.6%)を合わせると95.2%となっている。

◆項目別満足度(単一回答)(「満足」と回答した人の割合)

各種別満足度
 項目別満足度については、全体では「おもてなし」88.4%、「食事施設」85.3%、「観光施設」83.2%がそれぞれ80%以上の高い満足度となっている。
一方で、「外国語対応能力」43.2%、「両替の利便性」63.9%、「案内標識のわかりやすさ」67.4%は比較的低い満足度となっている。

◆再訪問意向

再訪度
 「必ず来たい」「来たい」「やや来たい」を合わせると94.3%となっている。

◆訪都外国人旅行者が考える東京の魅力

東京都の魅力
 「衛生的」(64.4%)が最も多く、次いで「人が親切」(61.9%)、「治安がよい」(55.0%)。
 
 日本政府は、2020年の訪日観光客数の目標は2000万人、訪日外国人旅行消費額は4兆円を掲げていた。しかし、2016年の時点で目標を達成。2020年に向けて急拡大しているインバウンド市場は、訪日外国人の減少と共に、オリンピック終了後は縮小してしまうのでだろうか。

 外国人観光客向けのインフラ整備をし顧客満足を高めている国、フランスは、30年連続で外国人観光客の数が世界で1位となっているインバウンド大国である。多くの観光スポットが集約していて首都パリには、世界でも有名な世界遺産や有名美術館などが多くある。代表的なモン・サン・ミッシェルやヴェルサイユ宮殿を始め、世界遺産に登録されているのは42箇所で世界4位となっている。多くの観光スポットが集約していることが、人気を集めている理由の一つだ。そして、パリは直径約10kmの小さな街で、その中で多くの観光地を回れるのは観光客にとって非常に便利で魅力的だということだ。

 今後、国と国内企業が協力して外国人にとって利便性の高いインフラを整え、多言語アナウンスに対応し、町中に多くのWi-Fiを設置する、そういった外国人観光客向けのインフラ整備が、訪日客の顧客満足をより高めるだろう。

 
【調査概要】
 訪都外国人旅行者の行動特性を国籍別に四半期毎に調査。
(総標本数:14,722サンプル。うち、「東京を訪問した」と回答した13,045サンプルについて集計。)
 ①羽田空港・成田空港における国際線ターミナル搭乗待合ロビーにおいてアンケートを実施
 ②平成29年(平成29年4月~平成30年3月)の訪都外国人旅行者の行動特性(訪都外国人旅行者の属性と訪都の状況、訪都外国人旅行者の行動等)について、国籍別の集計を実施。
 
 

 

 
 

 

 
 

 

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