グーグルらが世界460サイトで評価!スマホ向けサイトの使い良さランキング、旅行部門1位は「ブッキング・ドットコム」ートラベルボイス
2018年3月1日 16時58分更新
グーグルはこのほど、英国を拠点とするユーザーエクスペリエンス(UX)専門のコンサルティング会社cxpartnersと共同で、欧州・中近東・アフリカ(EMEA)市場のモバイル向けサイトを対象としたユーザビリティ調査を実施した。調査対象としたのは、小売り(リテール)、金融および旅行系の計460サイト。主にスピードと使い勝手を重視し、モバイル利用者を意識したUXを数値化してランク付けしている。
その結果、旅行部門でランキング1位は「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」で、2016年に実施した調査に続いて最優秀に選出。リテール部門の最優秀サイト「クールブルー(Coolblue)」、金融部門は「バンク・ノルウェージャン(Bank Norwegian)」だった。業種別のスコア平均は、旅行が71%、リテールが64%、金融が73%で、総じてまだ改善の余地は大きいとしている。
また、グーグルでは、英国市場のみに絞ったランキング結果も発表。こちらも旅行部門の1位はブッキング・ドットコム。2位はカヤック、3位はラストミニット・ドットコムとなった。
グーグルでは、消費行動においても、スマートフォン利用が常態化する一方、「実際に提供されているサービスは、時間がかかる、分かりにくい、購入決定までに何度も入力が必要など、使い勝手のよくない部分が多く、途中で利用者の購買意欲が減退するなど、機会喪失につながっている」(シェーン・カーセルズEMEA地区mWebプロダクト責任者)と指摘した。
■旅行サイトでは「支払い」関連情報の分かりやすさが特に重要、小さな画面での見やすさも高評価に
モバイル向け旅行サイトについてカーセルズ氏は、「予約額が比較的高額になるため、チェックアウトの画面で、明確な情報を表示することが不可欠で、これがユーザーの安心感につながる」と説明。ランキング1位だった「ブッキング・ドットコム」は、購買手続きを進める間、合計金額が目立つように表示されている、チェックアウトの流れがステータスバーで分かりやすく表示され、ユーザーが前のページに戻ったり、進んだりを繰り返しても、一度、入力した内容が消えたり、入力し直す手間が生じない、などの点が評価された。
2位のカヤック英国版サイトは、携帯の小さい画面上でも、検索結果のデータが分かりやすいよう、オートフィルやフィルタリング機能が便利で充実。またデザイン面もユーザーフレンドリーで、画面内の配置、ヘッダーやアイコンの読みやすさ、分かりやすさなどはトップレベルとしている。
モバイル対応に注力し、今回も1位を獲得したブッキング・ドットコムによれば、今や旅行者の2人に1人は、まず携帯画面で、旅行プランに着手。また、モバイルで予約する層は、間際予約の傾向が強く、例えば、利用当日に予約を入れる人の4分の3は、モバイルを利用しているという。
なお、英国市場のリテール部門ベスト3は、1位がetsy。次いでAsdaとeBay。同金融部門は1位がConfused.com、次いでuSwitch。3位は同点でTesco Bank,、comparethemarket.com、Cooperative Bankの3社。
リテール部門では、前回調査と比較して、検索機能が充実した。携帯の小さい画面では、入力文字のミスが起きやすいが、Asos.com(10位)では、スペルミスを予測し、自動修正する機能を搭載。そのほか、チェックアウト手続きページを1ページに簡潔にまとめる、決済システムはPayPal、Google Pay、Apple Payなど第三者のサービスを採用する、などの傾向が特徴的としている。
今回の調査では、対象サイトブランドの選出にあたって、2017年9月末までの一年間、SimilarWebデータにおいて最もビジター数が多いものを特定。ただし同一サイト内で、オンラインで購買が完結するなど、一定の条件を付けたため、大手サイトながら対象外のものもある。