Hotels.com、中国人旅行者の最新トレンドを発表、中国人の訪日客には引き続き高い満足度
2017年7月24日 12時55分更新
ホテル予約サイト「Hotels.com」は、今年で6回目となる、中国人旅行者の動向を調べる「Chinese International Travel Monitor(以下CITM)」の調査結果を発表した。今回の調査では、今まで以上に幅広い世代の中国人が旅行を楽しんでいることが明らかになった。
■中国人旅行者のキーワード: “もっと多く、もっと長く!” ― 1年の旅行回数は平均4回、1回の旅行日数は平均7日間
最新のCITMでは、幅広い世代の中国人がこれまで以上により頻繁に、より長期間の旅行にでることがわかった。昨年と比べて、1年間の旅行回数は平均3回から4回へ、1回の旅行に費やす日数は平均5日から7日へとそれぞれ増加した。また、80%の中国人旅行者が一回の旅行で複数都市を訪問すると回答し、1都市にとどまらず、複数都市を訪れる傾向が明らかになった。
今後も幅広い世代の中国人旅行者が増加することによって、世界経済に大きな利益がもたらされることが予測されている。2016年の中国人の海外旅行者数は、1億2200万人にも達し、前年より4%増加した。
主要な経済指標では、中国経済の低迷が予測されているが、最新のCITMによると、すべての世代において旅行支出の増加が見られるとのこと。過去12ヶ月の旅行支出額は3,600米ドルとなり、平均収入の4分の1以上を占め、昨年比では4%の増加となった。
さらに、中国人旅行者は、今後12ヶ月で旅行支出を約10%増加する意向を示している。ミレニアル世代は他の世代に比べ、さらに旅行支出を増やす傾向が予測され、80年代生まれ、90年代生まれの3分の2は、もっと旅行支出を増やすと回答している。
中国人旅行者の1日あたりの旅行支出は、2016年と比べ8%増加した。ダイニング、観光、リラクゼーションが最も人気があるアクティビティーだった。ショッピングは昨年比で35%低下し、旅行先でのアクティビティーの多様化によるものと考えられる。
■日本における中国人旅行者の最新トレンド:今後12ヶ月の中国人旅行者は減少傾向も、引き続き高い満足度を維持
日本政府観光局(JNTO)によると2016年に日本を訪れた中国人旅行者数は、6,372,948人で、前年の4,993,689に比べ、27%の増加が見られた。2015年ならびに2016年は、日本を訪れる訪日外国人の内、中国人旅行者が最も多く、2014年の第3位より顕著な増加が見られる。しかしながら、最新のCITMによると、中国人旅行者が今後12ヶ月間で訪れたい国のランキングでは7位となり、昨年の2位から大幅に順位を下げたという。また、もっと遠くにもっと長くという中国人旅行者の旅行トレンドの影響があるものと考えられる。昨年と比べ、フランス、米国、カナダ、ドイツなど、より遠い国への旅行意識が高まりつつあることが明らかになった。
インバウンドは日本経済にとって重要なトピックであり、日本政府は今年3月に訪日外国人観光客数の目標人数を倍増させ、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに4000万人という目標を掲げている。現在、中国人旅行者は訪日外国人全体の中でも最も多く、また彼らの旅行支出は訪日外国人による旅行支出全体の39.4%を占めている。日本はこの中国人旅行者をつなぎとめるためにも、さらに革新的且つ持続可能な対策を模索する必要がある。
<中国人旅行者が今後12ヶ月の間に訪れたいと回答した国ランキング>
一方で、すでに日本を訪れたことがある中国人旅行者は、日本での滞在を高く評価している。中国人旅行者が最も歓迎を受けたと感じた国のランキングにおいて、日本は2位に選ばれ、昨年に比べると1ランク下落したものの、引き続き上位を維持している。また、日本政府観光局によると、日本を訪れた中国人旅行客の90%以上が日本での旅行に満足していると回答している。日本のおもてなしの心が中国人旅行者の心をつかみ、またその他の国からの訪日外国人の増加にも貢献していると考えられる。
<中国人が最も歓迎を受けたと感じた国ランキング>