英国発の航空会社に関する満足度調査、短距離部門で1位オーリニー・エア・サービス
2017年12月29日 12時00分更新
英国の消費者団体「Which?」(ウィッチ?)が行なった英国発の航空会社に関する調査で、満足度の一番高い航空会社と低い航空会社が明らかになった。「ウィッチ?」によると、利用航空会社の満足度について「ウィッチ?」会員に対し、オンラインで質問。会員7500人以上が32社の航空会社、1万1625フライトについて回答を寄せた(うち9,623フライトはエコノミークラス)。
「ウィッチ?」は、顧客の全体的な満足度や、友達にその航空会社を勧めるか、といった感想の組み合わせに基づき、顧客満足度を算出したとしている。また、ランキングでは座席のピッチ幅や時間の正確さ、搭乗手続きのスムーズさ、座席の心地よさ、価格と照らし合わせた「お得感」などを5つの星で評価している。なお、寄せられた回答の中から少なくとも30人以上が評価した航空会社のみが、ランキングの対象になっている。
旅行業界専門誌トラベル・トレード・ガゼット(TTG)によると、短距離部門で1位に輝いたのは、英領チャネル諸島の航空会社オーリニー・エア・サービスだった。搭乗手続き、客室環境、顧客サービスで星4つを獲得し、顧客の80%が支持した。
■ブリティッシュ・エアウェイズグループ会社が不満足3社を独占
一方で、TTGによると満足度が最も低かったのは、アイルランドの格安航空会社ライアンエアーと、スペインの格安航空会社ブエリング航空だった。2社はともに顧客からの支持率が45%と同率で最下位だったが、どちらも、インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)の傘下だ。IAGは、元英国国営で現在も英国のフラッグキャリアであるブリティッシュ・エアウェイズ(BA)と、スペインのフラッグキャリア、イベリア航空が2011年に合併した際に生まれた経営会社だ。
そして顧客満足度が次に低かったのが、そのBAだ。食事と飲み物、座席の快適さ、お得感で星は2つずつしかつかなかった。顧客からの支持率は52%で、昨年の67%から激減した。
英ニュース専門放送局スカイニュースによると、BAは今年5月の連休時、ITの不具合でフライトを相次いでキャンセルし、75000人が影響を受けた。スカイニュースはまた、BAが1年前に短距離線のエコノミークラスで無料の飲食サービスを取りやめたことも指摘している。こうしたことが、満足度の低さにつながったようだ。
英紙インディペンデントによると、BAは今年1月11日から、ヒースロー空港とガトウィック空港発着の5時間以下のフライト全てで、エコノミークラスでの飲食を有料化した。両空港はともにロンドンにあり、ヒースローはBAのハブ空港で、英国最大の規模を誇る空港だ。
短距離フライトに関しては、顧客満足度ランキングの下から3社が全てIAG傘下のエアラインという、IAGにとって不名誉な結果になってしまった。
■安定のシンガポール航空
一方、長距離フライトで顧客満足度1位に輝いたのは、さまざまな航空会社ランキングで上位に常連のシンガポール航空だった。「ウィッチ?」の調査では2年連続での1位だ。顧客からの支持率は88%で、複数の部門で満点の5つ星が付いたという。顧客満足度が最も低かった長距離線はユナイテッド航空で、顧客からの支持率は39%。次いでアメリカン・エアライン(46%)だった。
「ウィッチ?」の旅行担当エディターのローリー・ボーランド氏は、乗客に優れた航空会社だと評価してもらうにはいくつかの方法があるが、良いサービスを提供することと、納得できる価格であることが必須条件だ、とTTGに語った。