広島東洋カープが満足度ナンバーワン球団に――「プロ野球のサービスの満足度調査」

2015年4月8日 11時31分更新


 4月1日、慶応義塾大学の鈴木秀男教授は今年で7回目となる「プロ野球のサービスの満足度調査」の結果を発表した。鈴木教授は日本品質管理学会や日本オペレーションズ・リサーチ学会等に所属して応用統計解析や品質管理を主に研究しており、この「プロ野球のサービスの満足度調査」はACSI(American Customer Satisfaction Index、米国顧客満足度指数)タイプを用いて、プロ野球チームの顧客満足度指数モデルを構築を試みた研究となっている。

 プロ野球球団を応援し、2014年度シーズン中に1回以上応援するチームのホーム球場で試合観戦をしている人を対象に調査は実施され、回答者は最も応援しているチームのみに対して回答する方式。調査方法はインターネット調査で、実施日は2015年1月下旬。回答者数は246名となっている。

 今年の調査で顧客満足度1位を獲得した球団は「広島東洋カープ」。「カープ女子」という言葉が流行り、メジャーリーグから黒田投手が復帰するなど、今季では最も話題に挙がっていると言っても過言ではないだろう球団が1位となった。回答者のコメントには「ファンを楽しませる努力をすごく感じます。」、「マツダスタジアム建設で、大きく変わり、すべてがニューカラーになりました! 全面的にサービス向上している球団ですね 嬉しいです!」等のサービスを評価するものだけでなく、「地域のシンボルであり、活気を与えてくれる。」等の市民球団ならではのコメントも寄せられている。

 2位は「北海道日本ハムファイターズ」。「ファンサービスに積極的」、「ファンを大事にしている」等のコメントが多くあり、この点で高い満足度を得ていると思われる。
 3位は「福岡ソフトバンクホークス」。地域密着に徹しているのが要因のようだ。

 また「ファンサービスの充実度」と「地域住民へのサービス・貢献活動」を評価したランキングをみると、「ファンサービスの充実度」では1位が日本ハム、2位が広島、3位がソフトバンクという結果になっており、「地域住民へのサービス・貢献活動」の順位は1位が日本ハム、2位が広島、3位は楽天で、これら項目でも高い満足度を得た球団が上位となっているのが指摘できるだろう。

 なお12球団別の「最も好きな現役選手」の結果は以下の通り。

 ロッテ、巨人、中日、横浜のようにベテランが支持されている場合もあれば、日ハムやヤクルトのように期待の若手が挙げられている球団もある。
 ファンの間で最も高い割合で支持されたのは阪神の鳥谷敬選手で43.1%。チームの生え抜き選手であり、メジャー移籍という選択肢もあった中で残留の道を選んでくれた背景が数字に結びついたものと考えられる。
 またメジャーから復帰した広島の黒田博樹選手は23.1%と、前田健太選手に次ぐ高い数値を残している。

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