連絡が取れない場合の満足度は著しく低下――2015年日本自動車保険事故対応満足度

2015年8月4日 12時54分更新


・「いつもすぐに連絡がとれた」とする顧客の満足度は高く、保険会社を他社に推奨する意向も高まる。

・顧客側から連絡が遅い、催促したケースが13%

・顧客との連絡体制の整備には各社間で格差のある現状がうかがえる。

 
 
 J.D. パワー アジア・パシフィックは2015年日本自動車保険事故対応満足度の結果を発表した。

 当調査は自動車保険(任意保険)に加入する顧客のうち、過去2年以内に契約先の保険会社に事故連絡(保険金請求)をした際の保険会社の事故対応について顧客満足度を調べたもの。
 自動車保険(任意保険)の契約者を対象に2015年5月にインターネット調査を実施し、過去2年以内に契約先保険会社に事故連絡(保険金請求)を行った人を対象に(事故経験後に他社へ切替え、現在は他社にて保険を契約している顧客も、調査対象者には含まれている。)7,019人から回答を得ている。

 事故対応についての総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に与える影響度の大きい順に「保険金支払」(44%)、「事故受付体制」(20%)、事故連絡時から保険金支払までの顧客対応担当者を測る「事故対応担当者」(18%)、「調査/認定結果」(14%)、「修理サービス」(2%)、「代車/レンタカーサービス」(2%)と続く(括弧内は影響度)。
 「修理サービス」「代車/レンタカーサービス」については、契約代理店もしくは契約先からの紹介や提携/指定施設にて受けるサービスに対する満足度を測っている。顧客満足度スコアは、各ファクターに関する複数の詳細項目への顧客の評価を基に算出されている。(1,000ポイント満点)。

 当調査では(事故時の)担当者とのやりとりについてトラブルの有無を聴取しているが、業界全体で多く挙がったトラブルは「連絡が遅かった/催促した」であり13%の顧客が経験したと回答している。最も多く挙がった保険会社では20%にも及んでおり、最も少なく挙がった保険会社では2%のみであった。適切なタイミングでの経過報告の連絡実施は、各社間で差があり事故対応の品質の良し悪しにつながっていると考えられる。このトラブルを挙げた顧客の満足度は442ポイントと非常に低い結果となった。
 なお「いつもすぐに連絡がとれた」と回答した顧客の満足度は781ポイントと大きく高まっており、周囲の人に「必ず勧める/たぶん勧める」という推奨の意向は71%と高い。一方で「すぐに連絡がとれないことが多かった」とした顧客の満足度は437ポイントと低調であり、推奨意向は21%にまで落ち込んでしまう。事故解決に至るまでの顧客との連絡体制を整え、顧客を不安にはさせない対応を提供することが満足度を高め、さらには顧客の拡大にもつながることが明らかとなっている。

 ランキング結果はソニー損保が総合満足度スコア699ポイントで第1位を獲得。ソニー損保は「事故受付体制」「調査/認定結果」といった2つのファクターで業界トップの評価であった。2位は日新火災で「保険金支払」のファクターでトップに。3位は同率でAIUと三井住友海上となった。

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