「居酒屋・ファーストフードチェーン店NPS調査」―Emotion Tech

2019年4月25日 11時27分更新


 NPSをはじめとする、顧客や従業員の感情データの分析・可視化を専門とする株式会社Emotion Techは、「居酒屋・ファーストフードチェーン店NPS調査」を実施した。

 串カツ田中、鳥貴族/モスバーガー、マクドナルドの各利用者に対してインターネットによるアンケートを実施し、回答結果をEmotion Techが有する独自の分析技術により、4ブランドのNPSスコア、及びその要因を分析した。

 モノ消費から、コト消費化が進み、「顧客の時代」が叫ばれる昨今、顧客はより納得感の高いサービスを受けることに価値を感じ始めている。
顧客は飲食店で提供される飲食物はさることながら、それ以外の提供価値も含め、各サービス体験を総合的にとらえてロイヤルティを形成しているとも言える。

■質問項目について
1.あなたは○○(飲食店ブランド名)を利用することを親しい友人や知人にどの程度おすすめできますか? 0‐10点の11段階で回答(NPS質問)

2.質問1で「おすすめ度:0~10」の点数をつけるうえで、以下の体験はどのように影響しましたか。下記の各体験について、「非常にプラスに影響」~「非常にマイナスに影響」の7段階で回答

顧客体験:ブランドへの信頼感、営業時間、アクセスの良さ、席につくまでの時間、店員の感じの良さ、商品提供までの時間、対応の早さ・スムーズさ、喫煙・禁煙スペースの有無、店内の雰囲気・居心地、栄養バランス、ドリンク・食事の見た目、ドリンク・食事のボリューム感・コストパフォーマンス、決済手段の選択肢

3.質問2で「影響しなかった」以外を回答した場合のみ、さらに「その理由」を自由記述で回答。(任意)

4.属性に関する質問(性別、年代、年収、世帯年収)

調査対象:
 串カツ田中利用者217名、鳥貴族利用者259名
 モスバーガー利用者226名、マクドナルド利用者261名

回答取得手法:インターネットパネル調査

調査期間:
串カツ田中、鳥貴族 2018/12/25~2019/1/8
モスバーガー、マクドナルド 2019/2/7~2019/2/13

■串カツ田中・鳥貴族 結果
NPS調査2

【串カツ田中のNPS 39.2%】
男女別でみると、男性のNPSはマイナス43.4%、女性はマイナス34.6%と、女性のほうが10ポイント近くNPSが高い。
また、調査結果の詳細を見ると「店員の感じの良さ」がNPSの押し上げ要因になっていた。調査アンケートの回答者からも「店員が元気で気持ちがいい」「接客態度が良かった」といった好評の声が相次いだ。

一方で男性のNPSを押し下げている理由に、全面禁煙化がありそうだ。
「禁煙・喫煙スペースの有無」についてはプラスにもマイナスにも作用にしているが、2つの意見を足し引きしても串カツ田中のNPSを押し下げています。

また、「店内の雰囲気・居心地」を改善することでNPSを大きく向上させる可能性がありそうです。串カツ田中の店内は活気があるというメリットがある一方で、回答者からは「席が狭くてギュウギュウ」「椅子が冷たい」などの不満も上がっていました。調査の詳細から、顧客は「店内の雰囲気・居心地」に関してはNPSを左右する強い要因であることが分かる。

【鳥貴族のNPS 31.7%】
「禁煙・喫煙スペース」に関しては分煙店舗などもある鳥貴族では、特に影響はなかった。

「店内の雰囲気・居心地」に関しては「狭い」「ガヤガヤしている」といった回答もあったが、「多くの店舗が路面ではなく、雑居ビルの中にある」という意見もみられた。また、「ブランドへの信頼感」の項目においては「安っぽい」などの意見もあがっていた。

一方で「商品の提供までの時間」「料理の味」「料理の量・ボリューム感」に関しては、NPSへの影響度が強く、顧客の要望を満たしている。

「コストパフォーマンス」に関しては、総じてプラスに捉えられている。「とても安くてサラリーマンの財布にも優しい」「値上げされたがそれでも安い」などの声も多く上がっている。

■マクドナルド・モスバーガー 結果
NPS調査1

【マクドナルドのNPS 54.4%】
NPSを下げている大きな要因は「食事への安心感」だった。また「栄養バランス」「料理の味」「コストパフォーマンス」についても、改善効果が大きい体験であることが判明した。マクドナルドの顧客は、コストパフォーマンスを重視している傾向があることが伺える。

ただ、詳細を見ていくと、一定の顧客からは価格が安いと感じられていることが見て取れる。考えられる理由のひとつは「価格の見せ方」。
マクドナルドでは
・バリューセットとしてセット価格で販売している
・アプリを通じたクーポンが消費者に受け入れられている
このような施策の結果、価格に対するメリットが大きく捉えられている。

価格だけでなく、「店内の雰囲気・居心地」についても評価はポジティブだった。マクドナルドは古い店舗の閉鎖や改装を積極的に進めており、一定数は店内の雰囲気などについて評価をしていた。

【モスバーガーのNPS 27%】
詳細を見ていくと、「料理の味」がNPSの押し上げ要因となっている。

ただ、コスパーフォーマンスについては、改善効果が大きい。自由回答では「マクドナルドと比べると高く感じる」「価格のわりに商品のサイズが小さい」とあった。モスバーガーはコストパフォーマンスが他人にすすめたくない理由になっている。コストパフォーマンスの感じさせ方について、改善の余地があるといえる。

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