リモートワークで「増えた支出」「減った支出」ランキングーBiz Hits調査
2021年3月17日 15時07分更新
株式会社ビズヒッツ(本社:三重県鈴鹿市)は、リモートワークの経験がある500人を対象に「リモートワークによる支出の変化に関する意識調査」を実施し、そのデータをランキング化し発表した。
【調査概要】
調査対象:リモートワークの経験がある全国の男女
調査日:2021年2月13日~15日
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:500人(女性291人/男性209人)
■リモートワークにより、支出に変化があった人は約9割
リモートワークによって支出に変化があったか聞いたところ、88.0%もの人が「変化があった」と回答。
リモートワークで生活スタイルが大きく変わり、支出にも変化があった事が分かる。そこで次に、リモートワークによって「増えた支出」「減った支出」は何かを調査。
■リモートワークにより「増えた支出・減った支出」ランキング
リモートワークで増えた支出1位は水道・光熱費
断トツの1位は、ライフラインである水道・電気・ガスの「水道・光熱費」となった。
一日中家にいて冷暖房やトイレを使用するため、「水道・光熱費」が高くなるのは当然と見られる。
2位以下は、お菓子や飲み物も含む「食費」、3位はリモートワークのために購入したパソコン周辺機器や家具などの「設備・備品費」。6位以下にはお酒やタバコなどの「嗜好品」、ルームウェアなどの「衣類・服飾費」などが挙げられた。
また、「増えた支出はない」と答えた人は29人だった。
【1位 水道・光熱費】
・パソコンの充電やエアコンの使用代がかさんだ(20代女性)
・部屋が寒くてエアコンをほぼ毎日付けているため、電気代が増えました(30代女性)
・お手洗いに行く頻度で、1番水道代が増えました(40代女性)
冷暖房や電子機器の使用にかかる電気代や、主に暖房にかかるガス代、そしてトイレなどでかかる水道代、これらをまとめた「水道・光熱費」が1位となった。
夏や冬は冷暖房を使わないわけにはいかず、一日中利用する事になり、どうしても費用がかさむ結果となった。
【2位 食費】
・仕事中に飲む、少し高めの紅茶代(20代女性)
・自炊のための食材は買う量が増えたので、多少増えた(30代女性)
・社食がないので食費がかかるようになった(50代男性)
食事や飲み物代などの「食費」が増えた人も、167人と多い結果となった。特に、勤務先に「リーズナブルな社員食堂」や「飲み放題のコーヒー」があった人たちは、自腹負担が増加してしまう傾向にある。「お菓子代が増えた」という回答も多く寄せられた。
【3位 設備・備品費】
・IT機器を揃えなくてはいけなかった(20代女性)
・椅子と机を買いました(40代男性)
・パーテーションやカーテンなどの購入費、PCアクセサリーなどの準備費(50代女性)
リモートワーク用の機器や家具を購入するための「設備・備品費」が、66人で3位。リモートワーク用に「パソコンを貸与する」という企業は多いものの、ヘッドセット・WEBカメラなど”支給・貸与されない必要機器”を求める人は、自分で買い揃えることになる。椅子やデスクなどの家具、クッションなどのインテリア小物を新たに購入した人も多くいた。
【4位 通信費】
・Wi-Fiを新たに契約した(20代男性)
・携帯料金。携帯で電話することが増えたので(30代男性)
リモートワークにあたり、自宅のネット環境に不安を感じた人も多いのではないだろうか。
オフィスとは違う自宅の通信速度に不満・不安を感じ、「新たにWi-Fiを契約した」という回答も多く寄せられた。
また、スマホ・携帯電話での通話などにより通信費がかさんだという人もいた。
【5位 日用品・消耗品費】
・ティッシュペーパーなどの消耗品代(30代女性)
・会社からの資料などを家でプリントアウトするので、紙代とインク代(40代女性)
長時間自宅にいるため、トイレットペーパーなど消耗品の使用量が増加したと見られる。また紙資料で仕事をする人は、インク代や紙代も必要となる。資料の印刷にかかるインク代や紙代は、必要経費として会社に請求できそうではあるが、「コピー代など少額の経費は、会社に申請するのが面倒」という声もあった。
■リモートワークにより「減った支出」ランキング
リモートワークで減った支出1位は「外食費」で、2位以下を大きく引き離した。出社をしないため、職場の近くでランチをしたり、同僚と飲んでから帰ることもなくなったのが影響したと見られる。
2位以下は「交通費」、「衣服・服飾費」と続き、6位以下には化粧品代などの「美容関係費用」などが入った。
なお、「減った支出はない」と答えた人は18人だった。
【1位 外食費】
・歓送迎会や飲み会などがなくなったため、外食費が減った(20代男性)
・昼食代。昼食は外食だったのですが、在宅勤務になって完全に自炊をするようになったので(30代女性)
・主に減ったのは外食費です(40代女性)
リモートワークで「昼食が外食から自炊に変わった」「飲み会がなくなった」という人は、外食費の支出減を実感しているようだ。
特に飲み会では一回で数千円以上の支出となるため、減少の効果が大きいと推測される。
【2位 交通費】
・毎月営業用の交通費(客先訪問用)が固定で支給されていますが、オンライン商談などで訪問する回数が減ったので、その分交通費が浮きました(20代女性)
・会社を行き来する事がなくなったので、交通費(30代女性)
・通勤する際のクルマのガソリン代を減らすことができました(50代男性)
「通勤用・営業用の交通費が減った」という人は184人。公共交通機関を利用していた人はもちろん、車通勤だった人もガソリン代の支出が減少している。車通勤だった人からは、「通勤で使わなくなったので車を処分し、維持費がなくなった」という声も寄せられた。
【3位 衣服・服飾費】
・制服を着用する必要がなかったため、ストッキングの購入は普段より少なかった(30代女性)
・私服勤務のため、服、アクセサリー、バッグなど季節ごとに新しいものを購入していた被服費(40代女性)
・ネクタイを購入しなくなった(60代以上男性)
服の購入費用やクリーニング費用などの「衣服・服飾費」が86人で3位。
86人中66人は女性で、「見せる場所がない」「ショッピングに行くことが減った」といった回答が寄せられた。
【4位 交際費】
・行事参加などの交際費(40代女性)
・お客様と直接会う機会が減ったので、半分は自腹で出していた交際費が減りました(40代男性)
外食費とも似ている「交際費」が4位。仕事上での同僚や顧客との会食が減ったほか、プライベートで友人や恋人と会う機会も減少し、交際費が減った人も多いようだ。
【5位 食費】
・休憩時間の飲み物代がいくらか減った(30代男性)
・外に出なくなったので、無駄にお菓子など買わなくなりました(40代男性)
「食費が減った」と回答した人は53人。コーヒーなどの飲み物代や、お菓子代が減ったという人が増加した。カフェのコーヒーは一杯あたり数百円ほどだが、インスタントコーヒーやスティックコーヒーなら一杯10~20円程度のため、その差は歴然である。
■リモートワークによって「貯蓄額が増えた人」は32.8%
リモートワークによる貯蓄額の変化について聞いたところ、リモートワークで「貯蓄が増えた」人は32.8%、「減った」人は21.2%だった。
半数以上の人が「貯蓄額に変化があった」という結果となった。
【貯蓄額が増えた人の回答】
・リモートワークを始めてから将来への不安も増え、貯金にすごく興味が湧き、貯金額が増えました(20代女性)
・外食が減って自炊が増えたから。会社に行く頻度が減り、服の購入やクリーニングが減ったから(30代男性)
・通勤のストレスで、買い食い、買い物をしてしまうタイプだったため、それらが少なくなったことにより無駄遣いが減りました(40代女性)
リモートワークにより「支出が減った」ことで貯蓄できたという回答が多かったほか、リモートワークをきっかけに「将来に不安を感じはじめ、節約・貯蓄に取り組むようになった」という回答も複数寄せられた。
リモートワークによって支出スタイルが変化した人だけではなく、「貯蓄への意識が変化した人」もいることが分かる。
【貯蓄額が減った人の回答】
・リモートワークになり減給になったから(10代女性)
・元々職場にお弁当を持参していたのですが、自宅だとお腹が空くとさらに追加で買ったり食べたりしているため、貯蓄できる金額が減りました(30代女性)
・仕事用のパソコンや携帯の充電、エアコンや照明の電気代がかさみ、その分の貯蓄に回すはずのお金が減った(40代女性)
リモートワークの影響で「支出が増加し貯蓄が減少」した人と、「収入が減少し貯蓄も減少した」人がいた。リモートワークで収入が減った理由は、残業手当や通勤手当がなくなったからと回答している。
また「リモートワーク中は基本的に残業が認められなかった」という企業もあるようだった。
なお、「貯蓄額が変わらなかった」という人は44.6%。「外食費は減ったものの、電気料金が増えた」など、減った支出と増えた支出が同等だった人も多いようだ。
【調査結果サマリー】
・リモートワークによって支出に変化があった人は約9割
・リモートワークで増えた支出1位は水道・光熱費
・リモートワークで減った支出1位は外食費
・リモートワークによって貯蓄額が増えた人は32.8%
多くの人が「リモートワークによって支出に変化があった」と回答。
支出の変化の内容について聞くと、増加した支出の1位は自宅のライフラインである「水道・光熱水費」、減少した支出の1位はランチや飲み会などの「外食費」という結果となった。
また、リモートワークにより、貯蓄額が増えた人は32.8%、減った人は21.2%で、リモートワークにより貯蓄額が変化した人は半数以上となった。
収入や支出の変化によって貯蓄額が増減したほか、「リモートワークや社会情勢の変化をきっかけに将来への不安を感じ、真剣に貯蓄に取り組みはじめた」結果、貯蓄額が増えたという人もいた。
リモートワークは、支出・消費の変化だけでなく、「将来や貯蓄への意識の変化」ももたらしたことが分かった。