クレジットカードショッピング市場は2020年までに75兆円へと成長か、ビッグデータやスマートデバイスが鍵に

2015年11月11日 19時07分更新


 矢野経済研究所はクレジットカードショッピング市場に関する調査を実施し、その結果を発表した。

 それによると、2014年度のクレジットカードショッピング市場規模は前年度比9.6%増の約46兆円となった。カード会社によるクレジットカードの稼働率向上への取組みやEC市場の拡大、公共料金分野をはじめとする学費や家賃の支払、冠婚葬祭などの生活関連分野での利用機会の拡がりによって、市場は堅調に拡大しているという。

 注目すべき動向としてクレジットカード会社の施策やスマートデバイスを用いたモバイル決済を挙げている。
 クレジットカード会社の各社は優良顧客の取り込みを目的として、近年では新規会員の獲得に力を入れてきており、小売店舗やECサイトなどの顧客基盤を持つ流通系のクレジットカード会社における会員拡大が目立っているとしている。
 またポイントプログラムは会員との関係性を強化するためのメインツールであり必要不可欠なものとなっていると指摘している他、CLO(Card Linked Offer)という手法を用いて顧客の利用履歴などのデータを活用し、ポイントやクーポンを付与して店舗への送客などにつなげる等、クレジットカード会員の利用拡大や加盟店サービスの強化に取組んでいるという。

 他方、スマートデバイスを用いた決算にも注目。スマートフォンの普及により従来のクレジットカード決済端末よりも低価格で簡単に、クレジットカード決済を導入できる決済ビジネスが拡大しており、個人事業主でも導入が増加している。
 更にNFCを用いた「Apple Pay」や「Android Pay」、「Samsung Pay」といった施策が海外で展開されていることから、日本での導入にも注目すべきだとしている。

 市場予測としては、2020年の東京オリンピックに向けてキャッシュレスの機運が高まることや、FinTech(金融とITサービスを組み合わせたサービスを提供するスタートアップ企業)の台頭、オムニチャネルの進展などから今後も市場は拡大すると見ており、2020年度のクレジットカードショッピング市場規模は約75兆円に達すると予測している。

 調査は2015年5月から9月にかけて実施され、対象は国内の主要クレジットカード発行会社、スマートデバイス決済ソリューション提供事業者等、調査方法は専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングを併用となっている。

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