コロナ禍の引越し調査 ―感染症対策に不安を感じながらも、満足度は高い結果に―

2021年3月3日 12時14分更新


 株式会社リクルート住まいカンパニー(本社:東京都港区)が運営する引越し見積もり比較サイト「SUUMO引越し見積もり」は、”コロナ禍の引越しに関する調査”を実施した。この調査は、コロナ禍の2020年3月以降に引越しをした人(首都圏)を対象に、意識と行動を把握することを目的としたもの。

■コロナ禍での引越しでは感染症対策に不安を感じながらも、満足度は高い結果に
 コロナ禍で引越しをすることについて不安に思う人も多くいるのではないだろうか。 2020年、実際に引越しを経験した人の多くはコロナ禍での引越しを不安に思っており、最も多かったのが「スタッフやサービスのコロナ対策がなされているか不安だった」といった回答で、37.7%という結果となった。
suumo1

 しかし「今回の引越しに満足していますか?」といった質問に対しては「満足した/どちらかといえば満足した」と答えた人が78.7%と、多くの人がコロナ禍でも引越しをして良かったと考えていることが分かった。

■コロナ禍引越しに満足している人が多い理由は、オンラインでの見積もり完結や引越し会社の感染症対策の充実
 コロナ禍の引越しに満足している人が多い理由としては、引越し会社各社が非接触での対応を充実させたという背景がある。実際に”引越し会社が行ってくれたサービスTOP3″は「スタッフが飛沫防止のためのマスクorフェイスシールドを着用していた」「オンラインで見積もりが完結できた」「スタッフの健康管理がされていた(検温等)」だった。通常のコロナ対策の他、引越し業界が見積もりを正確に出すため従来から行われてきた対面での見積もりを、オンライン見積もりで完結できるようアップデートしている会社が多いことが分かる。

suumo2

■引越し会社の取り組み事例
 コロナ禍の引越しではどのような点に気を付けていたのか、引越し会社にヒアリングを実施。各社お客様に安心して引越しをしていただけるようさまざまな工夫が見られたが、大きく共通していたのは、アルコール消毒やマスク着用、不用意な接触を避けるといった感染症対策だった。

<コロナ禍引越しの工夫点、取り組み>
・当日の引越し以外、全て完全非対面・非接触の通販スタイルを確立(ラク越)
・引越し資材も専用のケースを制作しパッケージ化。引越しスタッフとは非対面で受け取り可能。(ラク越)
・ビニール手袋、使い捨てスリッパの着用(ハート引越センター)
・オンライン会議システムZOOMを活用した見積もりサービス「ミライ」を開始(アート引越センター)
・ビデオ通話でお見積もりができるまごころリモート見積もり「まリモ」サービスを開始 ※現状単身者のみ対象(サカイ引越センター)
・引越し作業当日、作業員がお部屋にカメラを設置し、お客様は隣室で作業の様子を確認できる(はこびー引越センター)
・トラック内部の消毒(はこびー引越センター)
・1:9の割合で訪問見積もりからオンライン見積もりへシフト。社内ミーティングもオンラインで行っている(アップル引越センター)

■見積もり方法のオンライン化が進む中、不安は残るが、満足度は高い結果に
 自宅訪問の対面見積もりが主流だった従来に比べ、見積もり方法が多様化したこともコロナ禍引越しの大きな特徴。見積もり方法を調査したところ、自宅訪問で見積もりを実施した人は1/3に留まった。

suumo3
 ただ、対面見積もりをした人の48.1%が「困ったことはない」と回答しているのと比較し、「テレビ通話など「動画」を利用した見積もり」を活用した人で「困ったことはない」と答えた人は7.1%に留まり、新しい見積もり方法を不安に思っていたことが判明した。

 一方で、見積もり方法別にみた満足度の結果を見ると、写真や動画を利用した新しい見積もり方法を実施して不安が大きかった人も、引越しが終わった際の満足度は高い結果となった。実際に対面以外の方法で見積もりを実施し、引越しをした人は好意的に捉えていることが分かる。

suumo4

■コロナ禍の引越し混雑状況
 公益社団法人全日本トラック協会「トラック混雑予想」は、3月初旬から混み始め3月20日から4月にかけては特に混み合うと発表している。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ネット通販の荷物が増加していること、短期アルバイトの学生を集めることが難しい状況から、人手不足が問題とされている。

 SUUMO編集部の笠松氏は、「コロナ禍に見舞われた2020年、オンラインでの生活様式へと変化し、入学や転勤に伴う移動が減っているのではと思いきや、自宅で過ごす時間の増加により、より良い住まいへの住み替えを希望する人は増えており、引越しをする人自体はそこまで減っていません。」とコメントしており、引っ越しを考える人は早めの動き出しが肝心だとの見解を示した。​

関連カテゴリー