NTT Com社長「DXを共に実現する信頼されるパートナーに」―NTT Communications Forum 2018―
2018年10月9日 17時14分更新
NTTコミュニケーションズは10月4日~5日、プライベートイベント「NTT Communications Forum 2018」を開催した。登壇した同社代表取締役社長 庄司哲也氏は、「デジタルトランスフォーメーションが創造する未来――The Future is Here――」をテーマに基調講演を行い、2019年度にデータ流通プラットフォームを提供する構想を明らかにした。また、講演後には報道陣の囲み取材に応じ、グループ再編によるNTTコムの“立ち回り”についても語った。
データ流通プラットフォームは、NTTコムが提供してきたネットワークサービスやクラウドサービスなどを一体的に提供し、データを収集・蓄積・分析するためのプラットフォームである。
庄司社長は、「これから10年も経たないうちに、企業は個人の様々なライフログを利活用し、パーソナライズされた商品やサービスを提供することが前提となる」と説明。その際には「データの収集や蓄積、分析に最適なデータ流通プラットフォーム(基盤)が求められる」として、プラットフォーム提供の意義を強調した。
一方で、「プラットフォームの提供によりネットワークサービスの収入が減少する恐れもある」として、現状のトップラインを維持した開発を進めていく。
また、IoTデバイスからデータを収集しやすくするため、香港で実証実験を行ってきたeSIMも来年から国内で提供する。庄司社長は、「日本でもIoTがある程度芽吹いてきた。eSIMを使うことで通信料も非常に経済的だ」と語り、eSIMもデータ流通プラットフォームから一元的に管理できるようにしていく。
ICTを活用してビジネスを変革し、新たなビジネスを創出するデジタルトランスフォーメーション(DX)について、クライアントからは「何から取り組めばいいか分からない」「DXを実現して何が変わるのかよく分からない」との声も聞かれるという。庄司社長は、「そうした企業に寄り添って、一緒にDXを実現する信頼されるパートナーとして問題解決に臨みたい」と語った。
NTTグループは8月7日、グローバル事業の強化に向けてグループ内の組織再編を実施すると発表した。NTTコム、Dimension Data、NTTセキュリティ、NTTi3の4社は、19年夏をめどに海外と国内に分けて事業統合することを検討している。「NTTコムは、新体制ではDX Enablerとしてデータ流通プラットフォームをつくる枠組みとパートナリングを担当したいと協議している」(庄司社長)として、コグニティブ・ファンデーションのコンセプトのもとに各社が連携して開発を進めていく方針だ。
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