実現してほしかった未成線ランキング(関東編)ーLIFULL HOME’S

2023年7月26日 11時07分更新


 LIFULL HOME’Sは、計画されながらも実現されていない鉄道路線「未成線」の関東人気No.1を決める「実現してほしかった未成線ランキング(関東編)」の結果を発表した。
 1872年(明治5年)に新橋(旧:汐留駅)~横浜(現:桜木町駅)で日本初の鉄道が開通して以降、鉄路は全国に延び、特に好景気に沸いた大正時代には、次々に鉄道や軌道を敷設する免許・特許が申請された。計画は目白押しとなり日本の鉄道網は大きく発展したものの、昭和恐慌などの影響で頓挫する計画も多く、同時に多くの未成線も生まれた。戦後には、増大する通勤需要の受け皿となる路線やニュータウンへの乗り入れ路線が計画されたが、こちらも経済情勢の変化や需要の過大予測といった事情で、やはり未成線が誕生。
 LIFULL HOME’Sでは、関東の主要な12の「未成線」について、一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の20~60代男女1100人にアンケート調査を実施し、そのなかでも得票数の多かった「実現してほしかった未成線」TOP5を発表した。

【1位】羽田空港と成田空港を15分で結ぶ「羽田・成田リニア新線構想」

 羽田空港と成田空港の間は、電車であればエアポート快特・アクセス特急で約1時間40分、途中乗り換えが必要な京成スカイライナーを利用しても1時間10分以上はかかる。今回の調査で1位となったのは、そうした不便を解消する、羽田空港~成田空港をリニアモーターカーが約15分で結ぶ「羽田・成田リニア新線構想」。
 両空港間のアクセス強化はもちろん、首都圏各地からの空港アクセスも改善することで国際競争力をつけようというものだが、高額な事業費などから計画は具体化していない。また、横浜市・さいたま市と、首都圏第3の空港として横田飛行場への路線拡大も構想されていたとのこと。

【2位】山手線の外側に環状線を計画した「東京山手急行電鉄」

 大正時代には、山手線の外側に“第二の山手線”ともいえる環状鉄道「山手急行電鉄」が計画されたが、昭和初期の不景気で資金が集まらず、実現しなかった。郊外へ放射状に延びる路線同士をつなぐ計画だったことから、実現していれば、一度都心のターミナル駅を経由しなくてはならない移動の近道になっていたかもしれないとのこと。

【3位】東京駅と成田空港を新幹線が結ぶ「成田新幹線」

 新幹線の未成線である「成田新幹線」は、都心から離れた成田空港へのアクセス路線として期待された路線だったが、反対運動などによって実現しなかった。起点となる東京駅は現在の京葉線地下ホームの場所にできる予定で、そこから30分で成田空港に到着する計画だった。今も、千葉県を走る北総鉄道の横には、成田新幹線が通る予定だった広大な土地が残されているとのこと。

【4位】葉山や三崎港へ電車でいける「湘南電気鉄道(現:京浜急行電鉄)三浦半島循環線」

 京浜急行電鉄の前身となる湘南電気鉄道が、神奈川県の三浦半島を循環する路線を計画したが、免許を取得した5日後に関東大震災が発生するなど逆風に見舞われ、そのほとんどが実現しなかった。実現していれば、マグロの町として知られる三浦半島西南端の三崎港や、海と山に囲まれた自然豊かな葉山など、現在、車やバスでしか行けない場所へ電車で行けるはずだったとのこと。

【5位】国分寺から多摩川に沿って南下する「池上電気鉄道(現:東急電鉄)国分寺線」

 池上電気鉄道は、現在の東急池上線を開通させた電鉄。池上線に続いて、雪ヶ谷(現:雪が谷大塚)から国分寺に向けて路線を計画したが、ライバル企業によって行く手を阻まれてしまった。実現していれば、鉄道のない多摩川の東側が鉄道で結ばれるほか、JR中央線沿線から東京・城南エリアへの短絡ルートとなっていたかもしれなかったとのことだ。

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