総合イノベーションランキングはスバルが2年連続1位
2022年11月18日 10時00分更新
株式会社J.D. パワー ジャパンは、2022年 日本自動車テクノロジーエクスペリエンス(Tech Experience Index、略称TXI)調査の結果を発表した。
ラグジュアリーブランドを中心に先進技術の装備が進む
20の先進機能・装備*¹ に関する車両1台当たりの平均装備数は1.9個であった。車両の種類別では、軽自動車で1.4個、マスマーケットブランド登録車で2.2個、ラグジュアリーブランド登録車で3.3個となっており、ラグジュアリーカーを中心に先進機能・装備の浸透が進む状況がうかがえる。
20の先進機能・装備の中で装備率が高いのは、車載ドライブレコーダー(69%)、後退時衝突被害軽減ブレーキ(44%)、自動運転支援(35%)などで、それぞれ前年より1~4pt装備率が伸びている。これら機能は次回の装備意向も高く、搭載必須機能と言える。
*¹ 20の先進機能・装備:調査概要欄を参照
機能・装備により異なる評価と意向、一部の機能・装備は大幅な改善が望まれる
ドライブレコーダーは装備率が69%、次回装備意向率(必ず欲しい)が62%と、20の先進機能・装備中最も高い。必需度が高く標準装備化が望まれる機能と言える。しかし、既に装備が一般化しているためか利用評価は相対的に低く(エグゼキューションインデックス*²:778pt)、競合への差別化装備とはなりにくい。これを強みとするためには、ユーザーのニーズや使い方を踏まえた機能・性能の大幅な強化が必要であろう。
*² エグゼキューションインデックス:総合評価(10段階評価)と不具合指摘数により算出するインデックス。1,000 pt満点。
ワンペダルドライブや外部給電などEV関連の機能・装備は、電気自動車の普及が進んでいないため市場全体としての普及率は低い。しかし、利用者の評価は高く、ワンペダルドライブのエグゼキューションインデックスは20の先進機能・装備中最も高い850pt、外部給電は3番目に高い826ptである。次回装備意向もワンペダルドライブが44%、外部給電が51%と高かった。EVの普及促進のために「電気で走る自動車」のアピールだけではなく「EVだからできる新しいカーライフスタイル」を積極的に示していくことは有効と考えられる。
最も不具合指摘が多かったのは、ジェスチャーコントロール(41.6PP100、装備を利用したことがある車両100台当たり41.6箇所の不具合指摘数)、次いでスマートフォンのデジタルキー(17.1PP100)である。次回装備意向もジェスチャーコントロールは15%、スマートフォンのデジタルキーは23%と低かった。機能の改善や販売店による操作法のユーザートレーニングは必須である。
J.D. パワー 2022年
日本自動車テクノロジーエクスペリエンス調査、各部門No.1発表
【イノベーションブランドアワード】
総合 スバル
ラグジュアリー メルセデス・ベンツ
【先進技術カテゴリー別アワード】
<利便装備>
マスマーケット トヨタ アルファード:デジタルルームミラー
<安全・運転支援>
マスマーケット スバル フォレスター:後退時衝突被害軽減ブレーキ
<利便装備>及び<安全・運転支援>のラグジュアリーブランド、及び<インフォテイメント/コネクティビティ>及び<エネルギー/サステナビリティ>カテゴリー、は社内基準を満たさなかったため本年は不成立。
機能・装備の利用促進や評価改善には販売店スタッフのユーザーサポートが不可欠
各機能・装備の利用方法に関する販売店スタッフの説明有無別評価で十分な回答者数が得られた機能・装備の傾向をみると、いずれも販売店スタッフの説明があった場合の評価はなかった場合の評価よりも高かった。販売店から説明を受けて機能・装備を習熟することは機能・装備評価にプラスになると考えられる。
説明有無による評価差が最も大きかったのはドライバーモニタリング(説明あり:817pt /説明なし:772pt、45pt差)、次いでアクティブレーンチェンジアシスト(836pt / 793pt、43pt差)である。販売店スタッフが機能・装備について習熟することはもちろんのこと、販売店スタッフがユーザーに接する限られた時間で効率的・効果的にユーザーに情報提供できる説明方法や支援ツールの開発なども必要であろう。
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