ベストカー オブ ザ イヤー発表。Consumer Reports

2022年2月24日 11時40分更新


 米国のメジャー月刊誌であるコンシューマー・レポートは、「2022年の自動車ブランド別総合ランキング」と「ベストカー オブ ザ イヤー」を2月17日に発表した。

2022年の自動車ブランド別総合ランキング

 このブランドランキングは 毎年、自動車メーカーが新車を導入し、すでに市場に出ている車の問題を修正するときに必然的に生じる変化を反映している。
2022年は、スバルがマツダを抜いて総合1位を獲得するなど、上位に変化が見られた。
上位陣の中では、Audiが大きく5つも順位を上げており、アキュラはさらに順位を11位も上げた。
テスラは、モデルSとモデルXに追加したヨークステアリングホイールの使いにくさがロードテストのスコアに影響し、7つ順位を下げた。

■車のブランドのランク付け方法
総合スコア:ロードテスト、信頼性、オーナー満足度、安全性という4つの主要な要素に基づいている。
ロードテストスコア:50を超えるテストと評価を車両に実施。予測される信頼性の評価は、コンシューマー・レポート社の年次自動車調査で17領域のメンバーにより報告された問題に基づいている。

以下、ランキング32位までのうちTOP12まで、かつ評価項目を抜粋して紹介。

2022年の自動車ブランド別総合ランキング
順位(変化)ブランド名全体スコアロードテスト
スコア
1(↑2)スバル8189
2(↓1)マツダ7875
3(↓1)BMW7887
4(↑1)ホンダ7779
5(↑1)レクサス7775
6(↑5)Audi7588
7(↓3)ポルシェ7488
8(↑9)Mini7481
9(↓2)トヨタ7473
10(↑2)インフィニティ7277
11(↓2)Buick7276
12(↑11)アキュラ7272

最下位(*32位。詳細参照はリンクより)は、ピックアップトラック「グラディエーター」の信頼性に問題があったJeepで、昨年最下位だったアルファロメオは、順位を4つあげ28位となった。上位に立つブランドは、モデルラインナップ全体で一貫したパフォーマンスを発揮する傾向がある。

このランキングは、新車購入の際に参考になるものだが、各ブランドの車種には性能の幅があることを知っておくことが重要だ。買い物客は常に特定のモデルを調査し、期待通りの性能と品質を備えていることを確認する必要がある。コンシューマー・レポート社がテストしたモデルが2つ以上あることが対象ブランドの条件となっており、フィアット、マセラティ、ポールスター(ボルボの高級EVブランド)、RAMはこの要件を満たしていない。

ベストカー オブ ザ イヤー(価格帯別)

・$25,000以下(約287万円以下)
  小型車/サブコンパクトSUV

・$25,000~$35,000(約287万~402万円)
  小型SUV/ミッドサイズセダン/ハイブリッド

・$35,000~$45,000(約402万~517万円)
  2列シートSUV/中型3列シートSUV/小型ピックアップトラック

・$45,000以上(約517万円以上)
  電気自動車/ラグジュアリーミッドサイズSUV

 このグループに入るには、「ロードテスト」「予測される信頼性」「オーナー満足度」「安全性」を考慮した総合スコアが、そのカテゴリーで最高であることが条件とされる。また、人命を救うことが証明されている前方衝突警告(FCW)と歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキ(AEB)を全トリムに標準装備している必要がある。

今年の新商品:
選出条件として、高速道路用AEBの搭載が義務付けられている。また、適切なドライバーモニタリングシステムを含む、アクティブなドライバーアシストシステムを搭載している場合、車両の総合スコアに2ポイントを加算。フォード「マスタング・マッハE」は、レーンセンタリング機能を備えた「アクティブ・ドライブ・アシスト」を搭載しており、ドライバーが道路から離れすぎた場合に適切な警告を発するため、今年の中で唯一追加ポイントを獲得した。
BMW X5やヒュンダイ ツーソンを含むいくつかの高得点車は、高速道路AEBが全トリムレベルに標準装備されていないため、今年の対象外となった。今年はベース車に主要な安全装備がない、又は信頼性が平均以下であるという理由で、大型トラックは含まれていない。

$25,000以下(約287万円以下)


小型車:日産セントラ
シャープな外観のセントラは、低価格で高価値のセダンであり、特に高いトリムを比較すれば、ライバルよりもプレミアムに感じられる。2.0リッター4気筒エンジンは、洗練された無段変速機の助けもあり、快適な走りを実現。加速もこのクラスではトップクラスで、スムーズにパワーが乗ってくる。さらに、セントラは快適な乗り心地と軽快なハンドリングを備えている。
キャビンは価格相応の内装で、他の競合車よりも高級感のある外観。インフォテインメントとクライメートコントロールはシンプルさの見本であり、すべてのバージョンにAndroid AutoとApple CarPlayの機能が搭載されている。さらに「セーフティシールド360」が標準装備され、多くの重要な安全機能が搭載されていることも大きな特徴だ。

サブコンパクトSUV:日産ローグスポーツ
このクラスのサブコンパクトSUVの中では、落ち着いた乗り心地と静かな室内空間のおかげで、競合する多くのサブコンパクトSUVよりも成熟し、充実しているように感じられる。フロントアクセスは容易で、ドライバーは高いシート高で視界を確保し、豊かなヘッドルームを提供している。
パワートレインは「スポーツ」の名にふさわしくないが、やるべきことはやれていると評価できる。また、予測される信頼性も魅力的だ。低いエントリー価格にもかかわらず、高価なモデルをしのぐ安全装置を搭載しており、FCWやAEB以外にもリアオートブレーキを含む安全機能一式を標準装備している。

$25,000~$35,000(約287万~402万円)


小型SUV:スバル フォレスター
9回連続で選ばれているフォレスター。2022年モデルで外観を一新し、より冒険的な「ウィルダネス」を追加した。フォレスターの成功の秘訣は、効率的で広々としたデザイン・優れた燃費性能・安全性の重視・優れた路上試験性能、そして高い信頼性の歴史にある。直立型の形状は、競合他社よりもアクセス・キャビンスペース・貨物室が広くなっており、背の高いルーフと大きな窓は外側の視界を確保し、道路や周辺を広く見渡すことができる。
そして、反応の良いハンドリングとしなやかな乗り心地が、運転体験をさらに向上させる。最新の安全装備「EyeSight」シリーズを標準装備している。

ミッドサイズセダン:ホンダ アコード
アコードは、広々とした空間・快適な乗り心地・十分なパワー、そして印象的な効率性を備えたファミリーセダンの決定版だ。3種類のパワートレインが用意されており、質素な移動手段から、革や装飾を施した高級車に代用となるものまで、様々なタイプ用意されている。最も印象的なのはハイブリッドで、加速を犠牲にすることなく全体で47mpg(約20km)の燃費を実現している。乗り心地と優れたハンドリングのバランスがとれており、助手席でリクライニングするのと同じくらい運転するのが楽しいクルマだ。 客室は広々としていてよくできており、柔らかい表面や木目調の装飾などが雰囲気をプラスしている。主要な安全装備に加え、ACCも装備されている。SUVトレンドに逆行することを選んだ家庭には、多くのメリットを提供している。

ハイブリッド:トヨタプリウスとプリウスプライム
プリウスは、燃料効率の高い輸送の基準を設定し続けている。テストでは総合燃費52mpg(約22km)という驚異的な数値を記録しただけでなく、一貫した信頼性とオーナー満足度の高さが光る。
電気のみでの走行が必要な場合は、より大きなバッテリーを搭載したプリウスプライムPHVがあり、通常のハイブリッド走行に切り替わるまでに25マイル(約40km)の電気のみの走行距離を確保することができる。通常版とプラグイン版では、燃料補給までの走行距離が590マイル(約950km)と非常に長くなっている。どちらのバージョンも、快適で安定した乗り心地と安心感のあるハンドリングで、気持ちよく運転することができる。特に11.6インチの大型センタースクリーンを装備したキャビンには、ハイテク感が漂っている。多くの競合他社がこの分野に参入しているが、実用的なプリウスは依然としてベンチマークだ。

$35,000~$45,000(約402万~517万円)


2列シートSUV:トヨタRAV4プライム
RAV4プライムは、RAV4にパワー・効率・快適な乗り心地を与え、キャビン内の快適性を向上させた、賞賛に値するモデルだ。このプラグインハイブリッド車は、他の主流の小型SUVよりもはるかに高い302馬力を誇り、時速60マイル(約96km)まで6.3秒で走ることができる。さらに電気のみで走行可能な距離は42マイルと印象的で、近所の用事や通勤はガスエンジンをかけずに済ませることが可能だ。RAV4プライムの燃費は34mpg(約14km)で、通常のRAV4ハイブリッドより3mpg(約1km)低くなっている。RAV4プライムは、よりしなやかな乗り心地やソフトタッチの内装材など、通常のRAV4よりもプレミアム感を高めるための改良が各所に施されている。RAV4プライムの価格は他のRAV4よりも高いが、連邦税の優遇措置と給油時の継続的な節約で相殺される。

中型3列シートSUV:Kia テルライド
テルライドは2020年モデルで登場以来、人気の中型3列シートSUV市場のスタンダードを確立している。実際、発売から3年間選出されており、ロードテストスコアはほぼ満点。予測信頼性とオーナー満足度では最高評価を獲得している。この車はゆったりとした乗り心地で、簡単にアクセスができて運転も楽しめる。
V6エンジンを搭載し、スムーズなシフトが可能な8速オートマティックで強力なリニアパワーを提供している。ボックス型なので、ドライバー・乗客・荷物のスペースを確保でき、操作系もシンプルだ。ギミックが溢れる現代において、kia自動車のストレートなアプローチは新鮮であり、随所に配慮されたディテールを高く評価している。

小型ピックアップトラック:ホンダ リッジライン
リッジラインは、ピックアップトラック界のスイスアーミーナイフだ。昔ながらのピックアップトラックというより、現代的なクロスオーバーSUVのように設計されている。
その結果、リッジラインはピックアップとしては稀に見る洗練されたものとなり、乗り心地・ハンドリング・インテリアの快適性は、一般的なワークトラックというよりも、ホンダ パイロットに近いものとなっている。
280馬力のV6エンジンと9速オートマチックを採用し、洗練された走りを実現。さらに、テールゲートを折り畳んだり横に振ったりすることで、荷台の下にあるロック可能な大型収納ボックスに簡単にアクセスできるなどの仕掛けも施されている。このアメリカ製ピックアップはトラックのあり方を再定義し、様々なライフスタイルを送る全てのドライバーに適している。

$45,000以上(約517万円以上)


電気自動車:フォード マスタング・マッハE
マスタング・マッハEは、電気自動車という新しいカテゴリーの中でもハンドリングや乗り心地の良さなど、運転する楽しさが際立っている。マッハE Premiumは時速0~60マイルまで5.3秒で達し、航続距離270マイル(約435km)を実現。その他の構成では、更に300マイル(約483km)以上まで距離を伸ばすことができる。よくできた新型モデルは、フォードを急成長中の市場へと導き、クリーンであることと運転の楽しさを融合させている。

ラグジュアリーミッドサイズSUV:レクサスRX
RXは、1990年代後半に中型高級SUVのパイオニアとして登場し、現在もこの人気セグメントの模範的存在となっている。決め手は、快適さ・パフォーマンス・安全性・信頼性のバランスだ。これらの良さは、限られたデザイン変更で6年間市場に出回っているにもかかわらず、モダンに見える彫りの深いボディにある。
サスペンションやインフォテインメントシステムを含む継続的な改良により、RXラインは常に新鮮な存在であり続けている。台形が印象的なグリルの後ろには、RX 350の8速オートマチックに結合された3.5リッターV6がある。このパワートレインは、プレミアムSUVに期待される力強く静かな走りを実現している。
ハイブリッドRX450hは、電気モーターによって生成された豊富なトルクで、より速く感じられる。テストでは総合燃費が7%向上し、小型SUV並みの燃費を実現した。RXがレクサスで最も人気のあるモデルであることがよくわかる。

※2022/02/24 13:50 一部単位に誤りがあり訂正。

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