日本自動車の耐久品質、業界全体で悪化傾向、ユーザーから不満も —2017年日本自動車耐久品質調査
2017年12月26日 10時56分更新
J.D. パワーは、2017年日本自動車耐久品質調査の結果を発表した。同調査は、世界各国で実施され、日本では今年6~7月に、3回目の実施となる調査が行われた。
全16ブランド118モデルの車種、新車購入から37~54ヶ月が経過したユーザーを対象に、177の項目で直近1年間の不具合経験を聴取し、18,872人から回答を得た。
調査の結果、ブランド別のランキングではトヨタが1位を獲得した。一方、業界全体の不具合指摘件数は74ポイントで、前年の64ポイントから10ポイント増加。どのセグメントからも改善が見られず、自動車の耐久品質が下落していることが明らかになった。
前年に続き、不具合指摘件数が多いのは「外装(14.1ポイント)」「内装(12.7ポイント)」「エンジン/トランスミッション(12.5ポイント)」で、この3カテゴリーの不具合指摘件数が全体の53%を占めた。不具合指摘の多い項目は「吹き出し口から不快なにおいがする(3.5ポイント)」「ブレーキ音がうるさい(1.9ポイント)」「ナビゲーションシステム―操作しにくい(1.8ポイント)」などで、ほぼ全セグメントで前年に比べ不具合指摘件数が増加しており、耐久品質の改善は見られなかった。
さらに、最も顕著な不具合指摘は「オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション」で、全セグメントでこのカテゴリーの満足度が下がっていることがわかった(対前年+3.5ポイント)。
この点について、J.D. パワーのオートモーティブ部門シニアディレクター川橋敦氏は、「車の基本的な機能に関わるものではないものの、ユーザーにとって快適で便利なドライブに不可欠なものとなってきている」と語る。
Bluetoothとナビゲーションシステムの車載装備率は昨年より上昇しており、特に軽自動車セグメントでの装備率の伸びが顕著となっていることから、同氏は、「来年以降、不具合指摘がさらに増加することが予想される」と分析している。
品質不正が相次いで発覚している日本の製造業。信頼を揺るがす問題に衝撃が広がっている今だからこそ、顧客の声に耳を傾けた今後の自動車業界への対応が期待される。
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