大型は日野といすゞ、小型は日野が第1位!日本大型・小型トラック顧客満足度調査
2017年1月30日 17時12分更新
J.D. パワーは、2017年日本大型トラック顧客満足度調査および2017年日本小型トラック顧客満足度調査の結果を発表した。
同調査は、年1回、全国のトラック貨物輸送事業者の経営者を含む車両購入決定権者を対象に、各事業者が保有するトラック(緑ナンバー)のメーカーおよび販売店に対する総合的な満足度を測定するものである。
評価は、4ファクター、10の詳細項目にて聴取している。総合満足に与える各ファクターの影響力は順に「車両(44%)」、「アフターサービス(23%)」、「営業対応(21%)」、「コスト(12%)」となっている。(カッコ内は総合満足に対する影響力)。総合満足に与えるこれら影響力と評価の素点に基づき、1,000点を満点とする総合満足度スコアを算出している。
2017年の総合満足度スコアは、大型トラックが560ポイント、小型トラックが549ポイントで、いずれもほぼ前年並みの水準であった。
大型トラックのメーカー別顧客満足度では、日野(571ポイント)が8年連続の第1位、いすゞが前年から18ポイントスコアを上げ、日野と同スコアで第1位となった。いすゞは「車両」スコアが前年から大きく改善(+27ポイント)したことが寄与している。ファクター別では、大型トラックの「アフターサービス」で7ポイント低下、小型トラックの「車両」で5ポイント低下したが、その他のファクターでは前年から大きな変化はみられなかった。
また、小型トラックのメーカー別顧客満足度では、日野が574ポイントで3年連続の第1位となった。日野は「コスト」「車両」「営業対応」でトップ評価であった。
大型トラックを1年以内(2016年)に購入した層の総合満足度は602ポイントであるが、購入から3年以上経過した層(2013年以前購入層)では518ポイントと、84ポイントもの開きがみられた。しかし、車両購入後3年以上経過した層であっても、月1回以上の営業コンタクトがある層では、総合満足度は568ポイントを維持する。これは大型トラックの業界平均(560ポイント)よりも高い。また、月1回の営業コンタクトが行われていない層でも、サービス入庫の際に「日常点検についてのアドバイス」や「気になっていることや困っていること等の確認」など、顧客とのコミュニケーションがしっかり行われている場合、総合満足度は547ポイントとなり、営業活動量の不足を、サービス対応である程度カバーできることもわかった。これらは小型トラックでもほぼ同様の傾向であった。
車両の不具合経験は顧客満足に大きく影響を与える。大型トラックの場合、車両について何らかの品質上の不具合を経験した層の「車両」評価は542ポイントであった。不具合がなかった層(619ポイント)に比べ、77ポイントも評価が低い(小型トラックでは、不具合あり:522ポイント、なし:592ポイント、差分:70ポイント)。不具合指摘としては、「電装系部品・機能」(29%)、「エンジン」、「動力伝達装置」、「排気ガス浄化装置」(各25%)等の回答が多い(カッコ内は不具合経験率、いずれも大型トラック)。これらのうち、「排気ガス浄化装置」については、この不具合経験者の50%が2回以上の不具合を経験しており、再発が多い不具合であることがわかった(同、小型トラックでは56%の再発率)。「排ガス浄化装置」の不具合が2回以上発生している場合の「車両」評価は509ポイントまで低下する(大型トラック)。不具合の発生そのものは不満化の原因となるが、再発はさらに満足度を低下させる。発生防止、再発防止の双方の視点で品質の改善に取り組むとともに、不具合発生時の修理対応強化が望まれる。
本調査は、2016年9月から11月に郵送調査を実施した。大型トラックでは2,292の事業者から3,529件のメーカー評価、小型トラックでは1,954の事業者から2,818件のメーカー評価を得ている(一事業者につき2メーカーまで回答可能)。