最も不具合の少ないカーブランドはレクサスに――日本自動車耐久品質調査

2015年10月23日 10時00分更新


 J.D. パワー アジア・パシフィックは2015年日本自動車耐久品質調査の結果を発表した。本調査が日本で実施されるのは今回が初めてとなる。

 J.D.パワーの自動車耐久品質調査は世界各国で実施されており、「車両の耐久品質を調べる業界のベンチマークの役割を果たして」いるとされている。今回の調査は、2015年7月に新車購入後37-54ヶ月経過ユーザー17,020人を対象に実施され、177の項目にわたって直近1年間のユーザーの不具合経験を聴取。全16ブランド、132モデルが調査対象となっており、有効サンプル数が100サンプル以上のブランドおよびモデルをランキング対象としている。
 調査結果では、不具合項目は車100台当たりの不具合指摘件数(Problems Per 100 vehicles = PP100)として集計され、数値が小さいほど品質が高いことを示している。

 調査の結果、ブランドランキングではレクサスが54PP100で「最も不具合の少ない」ブランドとして1位を獲得した。第2位は66PP100でダイハツ、第3位は各69PP100でホンダ、三菱、トヨタが並ぶ結果となり、国産ブランドが耐久品質ランキングで上位を占める結果となった。業界平均の総合不具合指摘件数は72PP100となっている。

 次に「軽自動車」、「コンパクト」、「ミッドサイズ」、「ミニバン」の4つに分類されたセグメント別モデルランキングをみてみると、こちらでも各セグメントで上位3位を国産車が占める結果となった。なお「ラージ」セグメントは対象モデル数が不十分なため、セグメントランキングは公表対象外とされている。

 「軽自動車」ではスジキのアルトが48PP100で1位。ホンダのライフが52PP100で2位、日産のモコが53PP100で3位となった。「軽自動車」のセグメント別の特徴としては、最も不具合指摘が少なく(68PP100)、一方で外装カテゴリー、Eng/TM、内装の順で不具合が多いとしている。
 「コンパクト」では日産のキューブが46PP100で1位を獲得。2位はトヨタのパッソで49PP100、3位はトヨタのラクティスで50PP100。「コンパクト」は2番めに不具合指摘が少なく(69PP100)、内装カテゴリーの不具合指摘件数が最多となっている。
 「ミッドサイズ」ではトヨタのSAIが37PP100と非常に低いスコアで1位を獲得した。2位はホンダのフィットシャトルで45PP100、3位はレクサスのCT200hで55PP100と続いている。不具合件数の少なさは3番目で(71PP100)、内装カテゴリー、外装、Eng/TMの順で不具合件数が多い。
 最後に「ミニバン」だが、ラージ(77PP100)よりも数値が多く、最も不具合件数が多いカテゴリーとなった(83PP100)。そんな中1位となったのはトヨタのアルファードで64PP100。2位はトヨタのノアで65PP100、3位はトヨタのシエンタで69PP100と、他のカテゴリーと比較すると数値は大きくなっている。不具合指摘では外装カテゴリーが最多となった。

 総合して見てみると最も不具合指摘の多いカテゴリーは、外装(15.0PP100)、次いで、内装(13.6PP100)、Eng/Trans(11.3PP100)となっている。また不具合指摘のないユーザーグループでは「同じモデルを友人や知人に推奨する」という割合は72%、「同じメーカーの車を購入する」という割合は69%となっているが、不具合を1件でも経験したユーザーグループは、推奨意向が66%、再購入意向が61%に低下する結果が出ている。

 J.D.パワーアジア・パシフィックのオートモーティブ部門シニアディレクター川橋敦氏は「日本の自動車メーカーは、これまでも高品質で耐久性の高い車両を作ることに注力してきており、本年調査の不具合指摘の少なさはその表れと言える」と調査結果についてコメント。また「今後、より複雑かつ新たな技術が車両に装備されていく中で、これからも自動車メーカーは、高品質かつ耐久性の高い車両を作ることに注力していく必要がある」と今後の改善にむけて指摘している。

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