航空会社の満足度、第一位はANA、次いでスカイマーク―日本トレンドリサーチ調べ
2019年12月17日 11時25分更新
分野ごとに大規模なインターネットリサーチを実施し、満足度に関するリサーチ結果をもとに指標を作成している日本トレンドリサーチは、303名の方を対象に「航空会社」の満足度リサーチをおこなった。
満足度調査をおこなう前に、まずは「航空会社の利用」について聞いた。
■事前調査概要
調査手法:インターネットでのアンケート
※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を始め複数の調査サービスを利用して調査を実施
調査対象者:全国の男女(調査サービス利用者)
調査期間:2019年11月28日~2019年12月5日
調査対象企業選定条件:日本において、国内線・国際線両方の旅客事業をおこなっている航空会社(選定日:2019年11月22日)
質問内容:利用したことのある航空会社をすべて選んでください。
1,358名の回答を得た結果、航空会社を利用している人の数は次のようになった。
■航空会社の満足度ランキング
事前調査で「航空会社を利用している」と回答した方に本調査を実施し、利用した航空会社について評価をしてもらった。
満足度ランキングの作成にあたり、97名以上から有効回答を得られた5社で、各社先着97名の回答を集計した。
97名以上の有効回答を得られた航空会社
・日本航空
・全日本空輸
・スカイマーク
・ジェットスター・ジャパン
・ピーチ・アビエーション
■「満足度ランキング」調査概要
調査手法:インターネットでのアンケート
※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を始め複数の調査サービスを利用して調査を実施
調査対象者:事前調査において提示した航空会社について「利用している」と回答した方
調査期間:2019年11月28日~2019年12月5日
調査対象 選定条件:本調査において、97名以上から有効回答を得られた5社
質問内容:「○○」について伺います。
質問1:「予約のしやすさ(わかりやすさなど)」についての満足度を、10点満点で評価してください。
質問2:「料金」を、10点満点で評価してください。
質問3:「機内サービス」についての満足度を、10点満点で評価してください。
質問4:「接客」についての満足度を、10点満点で評価してください。
質問5:「総合的な満足度」を、10点満点で評価してください。
質問6:その評価の理由を教えてください。
※「○○」には各航空会社の名前が入る
航空会社を利用している97名が、総合満足度を10点満点で評価した平均点は次のようになった。
◇総合満足度1位:全日本空輸(平均7.361点)
略称の「ANA」で親しまれている全日本空輸は、戦後間もない1952年に創業した航空会社で、創業当時は日本ヘリコプター輸送株式会社という名で、飛行機ではなく2機のヘリコプターを使った宣伝や報道のための運行をおこなっていた。翌年にはプロペラ機による貨物便の運航を開始し、まもなく旅客便の運航も開始した。現在では、国内線の旅客数シェアNo.1の航空会社となっている。
ANAの大きな特徴は、サービスの品質の良さ。例えば「接客」については、ANAで働くスタッフのマナーや心構えなどについてまとめた書籍はいくつも出版されているほどで、ANAの接客を手本としている企業も多くあるようだ。また、世界の航空会社や空港を格付けしているスカイトラックス社は、ANAを3年連続で「5つ星(最高評価)」の航空会社と評価した。
◇総合満足度2位:スカイマーク(平均7.309点)
スカイマークは、1996年に設立された、後述の日本航空・全日本空輸に次ぐ国内三番手の航空会社。1980年代、日本の航空路線のほとんどは、日本航空・全日本空輸・東亜国内航空(2004年に消滅)の3社が占めていた。このことに対して国が1986年に「規制緩和」を段階的に開始し新規の参入がしやすい環境を整えた結果、新しく航空事業を開始した第一号の会社がスカイマーク。
スカイマークは2015年1月に民事再生手続開始申立をおこなったが、わずか1年2ヶ月後の2016年3月には民事再生手続は終結し事業を再開した。2019年現在は売上高・利益ともに破綻前も含めて過去最高となるほど順調。
航空会社には、JALやANAなど運賃が比較的高額である代わりにサービスが手厚いFSCと、運賃が低額である代わりにサービスが簡略化されているLCCの、大きく分けて2つの形がある。スカイマークは、その中間的な位置づけにある航空会社(MCC)だ。
◇総合満足度3位:日本航空(平均7.289点)
「JAL」という愛称で親しまれている日本航空は、1951年に設立された。日本政府主導による、半ば国営事業のような状態で運営されていた航空会社。
1987年に完全民営化した後も、吸収合併や投資など幅広い事業展開をおこない順調に業績を伸ばしているかに見えたが、バブル崩壊など景気の悪化とも重なり、経営は大きく傾き始めた。その後も、経営状況は一時的な回復はあるものの大きく改善されることはなく、2010年に会社更生手続申立をおこなうこととなった。
株式会社企業再生支援機構の助けのもと経営再建を開始し、現在はANAに次ぐ売上高国内2位の航空会社にまで復活を遂げた。また、2018年・2019年には、スカイトラックス社より2年連続で5つ星の評価を受けており、JALもANAと並ぶ、日本が世界に誇れる航空会社と言える。
総合満足度4位にはピーチ・アビエーション(平均6.760点)、5位はジェットスター・ジャパン(平均6.794点)と続いた。2020年の夏には、JALによるLCCブランド「ZIPAIR」の運航も開始する予定。今後も、航空業界のサービス向上に期待したい。
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