法改正で注目!約3割の人が電動キックボード体験を希望
2023年6月8日 10時00分更新
顧客理解と市場把握の可視化をまるっとサポートするツール “シン・ネットリサーチ”「スパコロ」を提供する株式会社モニタスは、一都三県在住16~69歳の2,400名を対象に実施した「マイクロモビリティに関する意識調査」の結果を公表した。
ここ数年、首都圏では設置ポート間での乗り捨て利用が可能な電動自転車や電動キックボートを目にすることが多くなった。これらは「マイクロモビリティ」と呼ばれ、日本のCO2排出量に影響の大きい自動車利用、特に地域交通のグリーン化に向けた次世代の移動手段として、脱炭素やカーボンニュートラルという観点で普及促進に向け取り組まれている。一方で、交通ルールの整備・浸透が及ばず利用者の危険な運転も目立つようになっていることが問題視されていた。
そこで、これらの新しい交通サービス関連法を整備すべく、2022年4月にこれらの電動小型モビリティ(マイクロモビリティ)の車両区分を新しく定める改正道路交通法が国会で成立しており、2023年7月より施行される予定だ。これにより、今後はサービス利用・個人所有の両面でマイクロモビリティの利用拡大が予想されている。
・最高速度が時速20km以下の電動キックボードを対象とする、新たな交通ルールの適用を7月1日から始めると正式に決定
・ヘルメットが着用義務から努力義務になり、制限速度が30kmから20kmに
・16歳未満は運転禁止だが、運転免許証は不必要に
出典:警察庁 特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)に関する交通ルール等について
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/tokuteikogata.html
今回はそんな電動キックボート等のマイクロモビリティに着目し、現在の利用状況や法改正に伴う意識変化があるかについて調査を行った結果を発表する。
・マイクロモビリティに「乗ったことがある」人は16%。乗った理由は「楽しそうだから」(40%)、「電車やタクシーに乗るほどではないけど徒歩だと遠い移動があったから」(29%)、「気持ちよさそうだから」(29%)。一方、乗ったことがない理由は「今の交通手段で十分だから」(32%)、「近くに場所がない」(21%)、「利用方法や仕組みがよくわからない」(18%)。
・マイクロモビリティ・パーソナルモビリティのような移動手段は普及すると思うかという質問に対して「とても思う」(11%)「まあまあ思う」(35%)、と回答した人は合計46%。
・マイクロモビリティの代表的なサービスである「LUUP」と「ドコモ・バイクシェア」の認知割合は、どちらも約2割。、アプリダウンロード経験、サービス利用経験、最も利用している割合は1割未満となった。
・電動キックボードに乗りたいかという質問に「とても乗ってみたい」(8%)、「やや乗ってみたい」(18%)と回答した人は合計26%。
・マイクロモビリティ関連法改正については、約2割が「嬉しい」と回答。
■マイクロモビリティの利用経験はどれくらい?
一都三県の2,400名に対して、電動車椅子や超小型車、電動キックボートなどのマイクロモビリティの利用経験を聞いた結果、「乗ったことがある」が16.0%、「乗ったことがない」が84.0%だった。
近年空きスペースを活用してマイクロモビリティのポートの設置を行うコンビニ等施設が増加したように感じる一方で、利用したことのある人は2割に満たず、まだまだ発展途上のサービスであることがわかった。
■マイクロモビリティを利用したことがない理由 TOP5
では、マイクロモビリティを利用したことがない人はどのような理由で利用していないのだろうか。電動車椅子や超小型車などのマイクロモビリティを利用したことがない理由TOP5は、「今の交通手段で十分だから」(32.1%)、「近くにないから」(20.8%)、「利用方法や仕組みがよくわからないから」(18.3%)、「免許がないから」(14.5%)、「事故を起こしそう・事故に遭いそうだから」(12.3%)だった。
結果から、利用のメリットや利用方法が十分に伝わっていないという認知課題や、利用できる場所がない、免許がないなど利用対象者でない方が一定層存在するということがわかった。
■マイクロモビリティを利用した理由 TOP5
マイクロモビリティの利用経験がある人に対し、利用した理由を聞いたところ、TOP5は「楽しそうだから」(39.6%)、「電車やタクシーに乗るほどではないけど徒歩だと遠い移動があったから」(29.2%)、「気持ちよさそうだから」(28.9%)、「自転車や自動車を持ってないから」(16.1%)、「終電を逃したから」(10.4%)だった。
結果からは「楽しそうだから」「気持ちよさそうだから」のようなドライブニーズ、「電車やタクシーに乗るほどではないけど徒歩だと遠い移動があったから」のような中距離移動ニーズ、「終電を逃したから」のような代替交通手段ニーズがあることがわかった。
■シェアモビリティサービスの認知・アプリインストール経験・利用状況は?
シェアモビリティサービスについて、代表的サービスである「LUUP」と「ドコモ・バイクシェア」の認知・利用状況を比較してみたところ、ドコモ・バイクシェアは認知(19.3%)、アプリインストール経験(7.1%)、サービス利用経験(6.6%)、最も利用している(5.6%)。LUUPは認知(18.8%)、アプリインストール経験(6.2%)、サービス利用経験(5.8%)、最も利用している(4.7%)だった。
都心では見かけることの多くなった両サービスだが、認知はともに約2割、DL経験、サービス利用経験、最利用割合はともに1割未満ということがわかった。
■電動キックボードに乗りたい人はどのくらい?法改正の影響は?
今年7月の法改正によって電動キックボード利用に関連する規制が緩和されますが、これにより電動キックボードに乗りたいと考える人はどれくらいいるのだろうか。
法改正を機に電動キックボードに乗りたいかについては、「とても乗ってみたい」(8.0%)、「やや乗ってみたい」(17.6%)、「どちらでもない」(21.4%)、「あまり乗ってみたいと思わない」(22.0%)、「全く乗ってみたいと思わない」(30.9%)だった。
法改正に伴い約3割の人が電動キックボードに乗ってみたいと考えていることがわかった。
■マイクロモビリティ・パーソナルモビリティのような移動手段の普及予測
マイクロモビリティのような移動手段が今後普及すると思うかについて聞いた結果は、「とても思う」(10.7%)、「まあまあ思う」(35.1%) 、「どちらでもない」(35.1%) 、「あまり思わない」(12.1%) 、「全く思わない」(15.8%) だった。
全体で約5割が今後マイクロモビリティが普及していくと考えていることがわかった。
《総論》
今回は電動キックボート等のマイクロモビリティに着目し、一都三県の利用状況や法改正に伴う意識変化があるか調査を実施した。調査結果からは、マイクロモビリティを利用したことのある人は約2割であること、利用する理由としてはドライブ、中距離移動、代替交通手段などのニーズがあることがあることがわかった。
利用していない理由としては「今の交通手段で十分だから」、「利用方法や仕組みがよくわからない」という理由が挙がり、まだまだ利用メリットが浸透していないことがわかった。個別のサービスでは、ドコモバイクシェア、LUUPでともに認知2割、利用経験1割未満とこちらもまだまだ多くの人に認知されていない状況のようだ。一方で、今年7月の電動キックボード利用に関連する規制緩和によって電動キックボードに乗りたいと考えるかについては、約3割が「乗りたい」と考えており、今後マイクロモビリティが普及するかについては、約5割が「普及すると思う」と回答している。今年の法改正後、これまで以上にマイクロモビリティの利用者拡大が期待される結果となった。
調査方法:一都三県 16歳~69歳を対象としたインターネットリサーチ
調査期間:2023年5月9日(火)~5月11日(木)
有効回答数:2,400名
サービスサイト:https://monitas.co.jp/supcolo.html/
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