米国生命保険顧客満足度調査、個人向け総合満足度第1位は「State Farm」―J.D. Power

2020年10月28日 10時00分更新


 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. Powerは、現地時間10月13日に、J.D. Power 2020 U.S. Life Insurance Study(J.D. パワー 2020年米国生命保険顧客満足度調査)の結果を発表した。

 同調査は、年に一回、米国の大規模な生命保険会社及び年金保険会社が提供する生命保険に対する満足度を聴取したのもので、「個人向け生命保険部門」「年金保険部門」の2部門での結果を発表している。

〇個人向け生命保険部門ではState Farm(ステート・ファーム)、年金保険部門ではNationwide(ネイションワイド)とNew York Life(ニューヨーク・ライフ)が首位

 米国の新型コロナウイルス感染による死亡者数が20万人を超えたにも関わらず、消費者は生命保険の契約に積極的ではない。いくつかの生命保険会社が優れた取り組みを実施したにも関わらず、消費者のほとんどは生命保険会社に対して無関心である。顧客との対話頻度が低いことに加え、高い保険料と複雑な手続きという先入観が、消費者の生命保険への関心と顧客満足度を低水準に抑えているということが、同調査によって明らかになった。

◆生命保険の顧客満足度は前年比横ばい

 業界平均は個人向け生命保険部門で763ポイント(1,000ポイント満点)、年金保険部門で778ポイント(1,000ポイント満点)であった。この結果は前回調査(2019年10月発表)と比較して両部門とも+2ポイントの上昇に留まっている。

◆生命保険の契約意向はパンデミックの影響を受けない

 3、4月の新型コロナウイルス感染拡大への懸念が増大している最中でも、生命保険の契約者の大半(70%)が現在加入している生命保険会社に対する認識の変化はないと回答した。また同時期の調査における生命保険未加入者のうち契約をする意向のある人の割合は約40%の横ばい圏内で推移しており、同様に新型コロナウイルス感染拡大の影響は見られなかった。未加入者が生命保険の契約をしない理由として、保険料を負担しきれないという認識と申し込み手続きの複雑さが挙げられた。

◆顧客満足度は契約期間が長いほど低下する

 個人向け生命保険部門の調査では、契約期間が5年以下の顧客は契約に対する総合満足度が他の契約期間と比べて最も高い水準にある(803ポイント)。契約期間が6~10年の顧客の場合は-27ポイント、11~20年の顧客の場合は-45ポイント、20年以上の顧客の場合は-56ポイント、それぞれ契約期間が5年以下の顧客よりも総合満足度が低下している。

 一方、年金保険部門の顧客満足度は契約期間に関係なく比較的安定している。契約期間が長くなるにつれて満足度が上昇傾向にあり、これは年金の支払いを受け始めることが起因していると考えられる。

◆契約内容の理解が顧客満足度改善のカギを握る

 生命保険の契約者が自分の保険証券と保険給付金について詳細まで理解をしているときには、契約者の全体的な顧客満足度が大幅に高い傾向がみられる。この保険証券と保険給付金について理解をするカギとなるのは、オンラインでのアクセス、保険契約内容の見直しの提案、継続的な対話の組み合わせによって実現する着実なコミュニケーションである。

顧客満足度ランキング
【個人向け生命保険部門】
第1位:State Farm(ステート・ファーム)(838ポイント)
第2位:Globe Life(グローブライフ)(810ポイント)
第3位:Nationwide(ネイションワイド)(803ポイント)

【年金保険部門】
第1位:Nationwide(ネイションワイド)、
New York Life(ニューヨーク・ライフ)(同点、802ポイント)
第3位:American Equity Investment Life Insurance(アメリカン・エクイティ・インベストメント・ライフ・インシュアランス)(801ポイント)

《J.D. パワー 2020 年米国生命保険顧客満足度調査概要》
年に一回、米国の大規模な生命保険会社及び年金保険会社が提供する個人向け生命保険・年金保険に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今年で7回目の実施となる。

■実施期間: 2020年6~8月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:大規模な生命保険会社及び年金保険会社が提供する個人向け生命保険・年金保険の加入者
■調査回答者数:個人向け生命保険部門 5,469人、年金保険部門 3,674人


 
 

 
 
 

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