世界大学評価機関の英国クアクアレリ・シモンズ社は、卒業後に雇用に強い大学トップ500を発表した。QS 2020世界大学就職ランキングは、卒業大学と就職先について、信頼のできる独自のデータを提供している。それぞれの大学での教育が、就職の際にどれほど有利に働くのか、このランキングは学生が必要としている就職に関する情報を提供している。
トップに輝いたのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)。スタンフォード大学は第2位、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)は第3位に入った。下記の一覧表の通り、世界大学就職ランキングは、QS世界大学ランキングとは大きく相違していることがわかる。とりわけ、アジアでトップの大学がヨーロッパでも一流の大学を抜いて上位に入っている。この大学就職ランキングを見ると、素晴らしい評判と研究結果を持つ大学と、就職に強い大学とが比例するわけではないことがわかる。
大学と雇用可能性の関係を分析する方法として、QSは5つの評価項目(世界中の44,000社にも及ぶ雇用者の評価、29,000名の卒業生の活躍、主要企業との共同研究実績、企業などの学内採用活動、卒業生の就職率)を使用している。
◆サマリー
・MITは、QS 世界大学ランキング、および雇用可能性の両方で世界ナンバーワンという輝かしい評価を確立。
・中国本土にあるアジアトップに輝いた清華大学は、第6位。
・日本でトップとなったのは東京大学(世界23位)続いて、早稲田大学(世界34位)。
ヨーロッパ大陸でのトップはスイスのチューリッヒ工科大学17位。
QSの調査責任者ベン・ソーター(Ben Sowter)氏は、次のように述べた。「東京大学は日本国内、そして国際的にも雇用者からの評判は高く、特に、東京大学が世界15位と高いランキングを獲得したのは、 雇用者の評価。これは弊社がこのランキングを選出するのに使用する5項目の中の一つです。また東京大学が、世界19位に輝いた 卒業生の活躍 は、今までの東京大学の卒業生の成功が寄与しています。東京大学の大学就職ランキングでの順位は 世界大学ランキング の順位とほぼ同等である一方で、早稲田大学、慶応大学、東京工業大学、一橋大学は、この大学就職ランキングでより高い評価を受けています。この表を見ると、日本の大学の就職ランキングの順位は世界大学ランキングの順位と大幅に相違しており、就職に焦点をあてている有望な学生に新たな視点を提供しています。」
1)市場価値を高めてMBA/修士号を取得するという選択
自分の市場価値を高めてキャリアアップを目指すには、海外の大学で、MBAやその他の巣修士号を取得するというのも一つの選択肢。特に、欧米の主要企業では、ある一定以上の役職に昇進するには、大学院レベルの学位が必須のケースも多々ある。一歩上のキャリアを目指すために、MBAや修士号の取得を目指してはどうか。
2)各地域の大学、留学状況
MBA、大学院留学先としてアメリカは相変わらずの人気を誇る。学費が高騰し卒業まで他の地域に比べ年月がかかるとはいえ、この経済大国でビジネスを学びネットワークを築くことは大変大きな財産になるはず。
ヨーロッパは、多くの大学は2年未満のプログラムでアメリカに比べて短期間で学位を取得することができる。国際的なカリキュラムを重視しているのも特徴。また、先日イギリス政府はイギリス国内の大学で大学院レベルの学位を取得した外国人に対して、2年間のビザを発給することを発表した。これにより、イギリスで学んだ留学生がイギリス国内で就職活動をする時間が大幅に増加した。
アジアの大学でMBA、修士号を取得する学生は増加傾向。今後多くのビジネスチャンスを期待できるアジアで学び、将来のキャリアアップを目指す人も多い。
3)海外企業が留学経験者を雇用したい理由
海外企業との取引やパートナーシップ、自社の海外進出など、現代のビジネスでは当たり前に行われていること。このようなビジネス環境でライバル会社より高い実績を出すには、企業にとって、語学に長け且つグローバルなマインドの人材獲得は欠かすことができない。
そのような人材はどこにいるのか?企業の多くはMBAや海外大学院修士号取得者に注目している。