YouTube Works Awards JAPAN 2024:今年のトレンドを牽引する優れた広告キャンペーン
2024年6月13日 10時00分更新
「YouTube Works Awards JAPAN 2024」は、2023年にYouTubeを活用した国内広告キャンペーンを対象にした広告賞で、4回目の開催となる。広告関係者60名以上の一次審査でファイナリスト50作品が選ばれ、最終審査は広告クリエイターや広告主、YouTubeクリエイター12名が担当。今年は新設の「Best Shorts Ads 部門」を含む全7部門で審査を行い、戦略的かつクリエイティブな広告キャンペーンを表彰した。受賞部門は以下の通り。
Creative Effectiveness 部門: ABJ Action Driver 部門: NTTドコモ Best Sales Lift 部門: 日清食品冷凍 Best Brand Lift 部門: MIXI Best Shorts Ads 部門: サントリーホールディングス Breakthrough Advertiser 部門: オリックス不動産 Force for Good 部門: セイバン |
Grand Prix – Creative Effectiveness 部門
「ありがとう、君の漫画愛。」
広告主:一般社団法人ABJ
企画・制作:株式会社 博報堂 / 株式会社博報堂プロダクツ
CHALLENGE
漫画の海賊版問題に対し、正規版読者に焦点を当てた新たなアプローチを実施した。
IDEA
人気漫画61作品のセリフやコマを使って、アーティストVaundyと楽曲を制作し、正規版読者への感謝を伝えるミュージックビデオを公開。動画の最後にハッシュタグを呼びかけ、SNS上で海賊版への反発と漫画愛を広めることを狙った。
RESULTS
動画は1か月で総再生回数1,000万回を突破し、高評価数1.9万、408件の好意的なコメントを獲得。前年度キャンペーンと比べてリアクション数は約200倍増加し、正規版読者や漫画家たちから海賊版撲滅の声が広がった。
Action Driver 部門
「爆アゲセレクション」
広告主:株式会社NTTドコモ
企画・制作:株式会社サイバーエージェント / 株式会社Cyber AI Productions
CHALLENGE
NTTドコモの「爆アゲセレクション」は、サービスの複雑さからマス広告では認知は上がってもユーザーアクションに繋がらない課題があった。そこで、YouTube広告を使い丁寧なサービス解説を行い、ランディングページへの誘導を目指した。
IDEA
AIツールを使い、セグメントごとに約160本の既存動画を学習させ、効果的なクリエイティブの共通要素を抽出。AI予測と人間のクリエイティビティを組み合わせ、効果改善を加速させた。
RESULTS
LPへの遷移を促進し、クリック率は目標値の216%増加を達成。キャンペーン開始前と比較して申込者数が130%増加し、クリック単価も1/4に圧縮された。これにより、広告効率を改善しつつ目標を達成した。
Best Brand Lift 部門
「ホントにあった#俺たちのモンストーリー」
広告主:株式会社MIXI
企画・制作:株式会社博報堂 / 株式会社TBWA HAKUHODO / 株式会社東北新社
CHALLENGE
モンスターストライクはサービス名称認知はあるが、ゲーム内容理解が低いという課題があった。そこで、ブランドの好意度を高めて新規ユーザーを獲得するための動画広告を制作した。
IDEA
ユーザーから実際にあったエピソードを募集し、それを動画広告として配信。プロダクトベネフィットにフォーカスし、「新規ユーザーの自分ごと化」を図るためにノンタレントを中心に起用した。また若年層向けに短尺の動画を制作した。
RESULTS
動画広告の視聴を通じて、未プレイユーザーの若年層に対するブランド好意度は1.7倍、直接的な利用意向変化も1.4倍、広告認知率は40%以上となった。販促目的を超えた成果が上がった。
Best Sales Lift 部門
「麺ジャラス・ラブ」
広告主:日清食品冷凍株式会社
企画・制作:株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ / 株式会社ADKクリエイティブ・ワン
CHALLENGE
新商品「一風堂トムヤムクン豚骨ヌードル」の全国発売に伴い、セブン-イレブンでの認知獲得とSNSでのポジティブな発話を促すことを目指した。
IDEA
女性ターゲットに共感を得るため、2つのスープをイケメンキャラに擬人化し、恋愛をテーマにして商品の特徴を伝える動画広告を制作。SNSでのフォロワー数の多い声優を起用し、ファンを巻き込んでリーチを拡大した。
RESULTS
目標の160%にあたる52万回の再生回数を達成し、50%以上の視聴者がスキップせずに視聴。長尺動画でも25%以上の完全視聴率を獲得した。30〜40代の女性だけでなく、20代男性や30〜40代男性でも店頭シェアNo.1を達成した。
Best Shorts Ads 部門
「ガチ中華クリエイターCM」
広告主:サントリーホールディングス株式会社
企画・制作:株式会社Hakuhodo DY Matrix / 株式会社TBWA HAKUHODO / 株式会社東北新社
CHALLENGE
SUNTORY烏龍茶は40年以上経ち、Z世代には新鮮味がない商品だった。そこで、若者に商品を手に取ってもらうために「おなかの脂肪を減らす」という機能を現代のトレンドに結びつけた。
IDEA
中国の食文化に根付いた烏龍茶と若者との接点として、バズりを生み出していた巨大鍋を使って大胆に料理する中華クリエイターに焦点を当てた。日本では真似できないローカルなトンマナを使い、縦型ショート動画を制作した。
RESULTS
延べ1,200万以上のリーチと310万回以上の視聴完了を記録し、両方のKPIを達成。TrueViewインストリーム広告では70%の視聴完了率を達成し、SNSでは広告に対する好意的なコメントや購買意向につながるコメントが見られた。
Breakthrough Advertiser 部門
「どうせスキップできない広告ならペンギンの話」
広告主:オリックス不動産株式会社
企画・制作:株式会社電通
CHALLENGE
「京都ペンギン相関図」「すみだペンギン相関図」の認知拡大と、ターゲティング配信を通した潜在顧客層へのアプローチを目指した。
IDEA
スキップできないインストリーム広告に対するユーザーのストレスに着目し、「どうせスキップできないならペンギンの話」というキャッチーなフレーズと共に、ペンギンたちのストーリーをシンプルに提示した。
RESULTS
相関図を見たくなる作りが成功し、クリック率はKPIに対して151%を達成。SNS上での好意的なコメントや来館・サイト訪問の報告が多数あり、メディアにも取り上げられるなど認知拡大が図られた。
Force for Good 部門
「ランドセル選びドキュメンタリー」
広告主:株式会社セイバン
企画・制作:株式会社電通 / 株式会社電通クリエーティブX / 株式会社キャンディーフィルム
CHALLENGE
子供のランドセル選びを自己表現や成長の機会として再定義し、「キミが好きなの、キミが選ぼう。」という新しいブランドメッセージを打ち出した。保護者に子供がランドセル選びの主体であることをアピールするために、YouTube広告を展開。
IDEA
実在の家族7組によるランドセル選びのリアルを捉えたドキュメンタリー動画を制作。子供が自分らしく選択することが成長と喜びに繋がることを伝え、1テイクのみで撮影して本物のリアクションを捉えた。
RESULTS
公開直後からSNSで拡散され、子供主体のランドセル選びについて前向きな議論を巻き起こした。テレビ番組や各種メディアに取り上げられ、広告費に相当するPR効果を獲得。購入検討者数は12%増加、ブランド好意度も10%増加し、激化する市場で大きな成功を収めた。