投資先1位は「投資信託」。不動産投資は新築マンションが人気
2023年3月10日 10時00分更新
R&C株式会社は、副業時代の不動産投資のリアルを徹底リサーチ、R&Cマガジンが実物不動産に投資しているサラリーマン288人に聞き取り調査を実施した。
■調査の背景
人生100年時代を念頭とした政府のスローガン「貯蓄から投資へ」のもと、”一億総投資社会”の実現に向け投資を始める人が増えている。
株式や投資信託など、投資商品はさまざまあるが、今回R&Cマガジンでは国土交通省が令和元年に実施した「不動産投資に関するアンケート調査結果」(国土交通省「個人投資家への不動産投資に関するアンケート調査結果について」令和元年9月27日 土地・建設産業局不動産市場整備課)に着目。より実情に近い不動産投資経験社の声を届けようと、20,000人調査を敢行。そのなかで実物不動産に投資しているサラリーマン288人に、実際にどのような利益や利回りを出しているかなどを詳しく聞き、調査結果としてまとめた。
■不動産投資をしている人の4割はサラリーマン
・実物不動産投資家の6割がサラリーマン
・投資経験者は3割、投資先は投資信託が人気
・サラリーマンの不動産投資の成功率は13%! 利益300万円以上で利回りは5%超え
・全体の3割が利益と利回りがマイナス傾向
・税金対応に4割強が面倒と感じる
・自己資金は300万円未満、ローンは500万円以上が最多! 借入先は都市銀行が人気
■ 実物不動産投資家の6割がサラリーマン
※%は小数点第3位で四捨五入
国土交通省のデータを受け、最新のサラリーマンの不動産投資状況を検証するために、まず20,000人に対して調査を行った。
その結果、REITを除いた実物不動産投資に投資をしたのは20,000人中434人だった。そのうちの実に約6割(265人)を、サラリーマン(一般)が占めていたことが判明した。役員クラスのサラリーマンを加えると約75%だ。
■ 投資経験者は3割、投資先は投資信託が人気
国民の資産を「貯蓄から投資へ」シフトさせる動きは、「新しい資本主義」を掲げる政府の経済政策の柱の1つだ。実際に国民の動きはどうなっているのだろうか。
投資経験が「ある」と答えた人は32.02%、全体で6,403人だった。一方、検討していない人は9,742人で48.70%となっている。
次に各職業の割合をみていくと、実物不動産へ投資した人のなかで、最も多い職業はサラリーマン(一般)の61.06%だった。2番目に多いのは役員で14.29%でした。不動産投資は、医者や弁護士など、年収の高い職業の方が取り組んでいるイメージが世間一般ではあるものの、実情は3.23%に止まる結果となった。
サラリーマン288人に調査! 成功? 失敗? 不動産投資のリアル
先ほどの20,000人の回答者から、実物不動産投資の経験がある会社員(一般・役員)288人を対象に再調査を行った。
実物不動産投資で成功を掴む秘訣は何なのか、運用する種類や運用歴、物件の探し方から読み解く。
成功した人が運用する物件の種類を回答数順に見ていくと、「新築マンション(1室)」が40、次いで「中古マンション(1室)」32、「中古マンション(2室以上)」27となり、マンションの部屋を運用する層が多いことがわかる。アパートは部屋単位より一棟建てでの運用が多く新築が16、中古が14となった。
物件別の成功率は、1位「新築マンション(1棟)」82.61%、2位「新築一戸建て」80%、3位「新築アパート(1室)」「中古アパート(1室)」が同率の76.92%という結果に。
入居率や家賃、売却などさまざまな成功の要因があると考えられるが、新築マンションをまるっと運用することが成功率を上げるためのカギのようだ。中古アパートも1室だと入居率が安定すれば管理も楽だといえることから、一定の成功を得られるようだ。
運用歴の最多人数は、「9年以上」が50人で最多。酸いも甘いもかみ分けたベテラン層が多いことがわかった。次いで「3年以上~5年未満」が24人だった。
運用歴による成功率の違いでは、「7年以上9年未満」が61.54%、「3年以上~5年未満」が54.55%、「9年以上」が52.08%となります。成功率順と一致はしませんでしたが回答数トップ3と合致する結果となりました。
反面、3年未満の運用歴の人は成功率が低いことから、実物不動産投資では運用歴は3年以上経たないと成功率が上がってこないのではと推測される。成功かどうかを判断するために一定の期間、運用する必要があるのかもしれない。
物件の探し方で最も多かったのは、63の回答があった「不動産業者に直接相談した」。高額かつ安定性が求められる投資であるため、専門業者に相談することが多いのは当然といえるだろう。
しかし、成功率では48.84%とそれほど高くはなかった。間口が広い分、良くも悪くも成功する物件に出会える確率はほぼ半々と思った方がよいだろう。
回答数は3位ながら、成功率が60.61%と最高の成績を収めたのは「不動産投資専門サイトで探した」人たち。
多くの専門サイトがある分、リサーチには苦労するが、当たりの確率は最も高くなっている。また、自身のリサーチ力を信じた「自分で直接探した」人は回答数49で52.69%と悪くない結果といえるだろう。
今回の調査で「失敗した」と回答したのは、288人中27人で、約9.4%の人だった。
物件の探し方を見ると、「不動産業者に直接相談した」が回答数11と最も多く、次いで、「自分で直接探した」「知人に紹介してもらった」が7で続いた。
失敗する割合では、「その他」を除くと、「知人に紹介してもらった」13.46%、「相続した」12.77%となった。
この2つは、「成功した」人の物件選びでも成功率が低かったことから、積極性に欠けた探し方では実物不動産投資での成功は期待が持てないのが現状のようだ。相続についてはどうしようもない側面があるため、専門家に相談するなどリスクケアを行った方がよいだろう。
■調査概要
1-1. 調査期間
2023年01⽉11⽇ 〜 2023年01⽉24⽇
1-2. 調査機関(調査主体)
調査委託先:アイブリッジ株式会社「Freeasy」
1-3. 調査対象
18歳以上 65歳以下の男女288人
1-4. 調査方法(集計方法、算出方法)
インターネットリサーチ