世界デジタル政府ランキング2021ー早稲田大学
2021年12月15日 09時30分更新
早稲田大学電子政府・自治体研究所は12月10日、「第16回早稲田大学世界デジタル政府ランキング2021」を発表した。1位はデンマーク、日本は2020年から2位落として9位にランクインした。
■2021年度:調査結果
16回目を迎えた今回の調査結果は、上位から1位:デンマーク、2位:シンガポール、3位:英国、4位:米国、5位:カナダです。日本は前回の7位から2つランクを落とし9位となった。
順位 | 国と地域名 | スコア | 順位 | 国と地域名 | スコア |
---|---|---|---|---|---|
1 | デンマーク | 94.2748 | 17 | アイスランド | 83.5351 |
2 | シンガポール | 94.0520 | 18 | ノルウェー | 83.0516 |
3 | イギリス | 93.9841 | 19 | アイルランド | 82.9404 |
4 | 米国 | 93.7210 | 20 | ドイツ | 82.6809 |
5 | カナダ | 90.9754 | 21 | オーストリア | 82.3929 |
6 | エストニア | 90.1617 | 22 | フランス | 81.7544 |
7 | ニュージーランド | 90.0918 | 23 | イタリア | 81.4697 |
8 | 韓国 | 88.1366 | 24 | ベルギー | 80.4378 |
9 | 日本 | 87.6184 | 25 | タイ | 79.6510 |
10 | 台湾 | 87.3255 | 26 | ロシア | 79.5482 |
11 | オーストラリア | 87.2496 | 27 | スペイン | 78.7469 |
12 | スウェーデン | 86.8587 | 28 | 香港 | 76.5967 |
13 | フィンランド | 86.5711 | 29 | オマーン | 76.4807 |
14 | オランダ | 86.0419 | 30 | サウジアラビア | 76.4124 |
15 | スイス | 85.3347 | 31 | カザフスタン | 75.2545 |
16 | アラブ首長国連邦 | 83.6673 | 32 | フィリピン | 73.2548 |
順位 | 国と地域名 | スコア | 順位 | 国と地域名 | スコア |
---|---|---|---|---|---|
33 | マレーシア | 73.2088 | 49 | 中国 | 66.6266 |
34 | インドネシア | 72.9366 | 50 | マカオ | 66.2558 |
35 | ウルグアイ | 72.4353 | 51 | ジョージア | 65.9696 |
36 | ポルトガル | 72.3409 | 52 | バーレーン | 65.5004 |
37 | 南アフリカ | 71.1474 | 53 | ルーマニア | 65.2758 |
38 | インド | 70.5637 | 54 | ケニア | 63.8613 |
39 | コロンビア | 70.5028 | 55 | アルゼンチン | 60.4899 |
40 | イスラエル | 70.2476 | 56 | エジプト | 59.2642 |
41 | ブルネイ | 69.8509 | 57 | ペルー | 58.9727 |
42 | リトアニア | 69.5926 | 58 | ブラジル | 58.9361 |
43 | チェコ共和国 | 69.4843 | 59 | モロッコ | 58.1522 |
44 | ポーランド | 69.2256 | 60 | コスタリカ | 57.3152 |
45 | ベトナム | 69.0893 | 61 | パキスタン | 56.9483 |
46 | チリ | 68.2531 | 62 | ナイジェリア | 55.4067 |
47 | メキシコ | 68.1738 | 63 | フィジー | 54.8498 |
48 | トルコ | 67.8051 | 64 | チュニジア | 54.2517 |
日本の課題
日本の課題と構造的弱点の総括。
・コロナ対応で露呈した官庁の縦割り行政、DX(デジタル変革)やスピード感の欠如
・電子政府(中央)と電子自治体(地方)の法的分離
・地方公共団体の財政・デジタル格差
・デジタル政府・自治体の推進役となるICT人材不足
日本への提言
コロナ時代のデジタル政府の最優先事項として次の5項目などが提言として挙げられます。
1.将来の少子・超高齢・人口減少社会を見据え、デジタル活用による官民連携やデジタル・イノベーションの推進で行政のコスト削減や効率化により、国民生活の利便性向上に寄与
2.コロナ時代のデジタル政府の最優先事項である、強力かつ迅速なデジタル化による新生活様式へのシフトと行政DXを推進
3.経済再生・成長戦略、及び質の高い行政サービスを提供することにより国民生活の安定、安心・安全を守る
4.2021年9月に発足したデジタル庁は、個別最適ではなく、中央と地方の全体最適を目指すべき。
5.3大先端技術「5G、AI、8K」の統合力が我が国のポスト・コロナのデジタル・イノベーション成長戦略の基軸となり、その点、デジタル庁は司令塔として期待されます。
この調査は日本のデジタル化について、遅れた原因、長短所を詳細に述べている。さらに、デジタル政府の意義と未来像を国際比較で論じ、独立性、中立性に徹し、課題・提言としてまとめられている。
今回の報告書ならびに、過去の発表分は研究所HPに掲載されている。64の国と地域別レポート付きの英語版報告書は近日中にウェブサイトに公開される予定。
●ICT先進国64か国・地域のスコア並びにトップ25位までの各国の特徴
●後述の10指標別ランキング
●欧州、アジアなど地域別、OECDなど国際機関別のランキング
●1位に返り咲いたデンマークをはじめ英国、シンガポール、韓国など主要15カ国のデジタル庁の特徴
●「コロナ」「DX」「個人情報保護」「スマートシティ」「SDGs」など世界10大新潮流のハイライト
●「第5世代デジタル政府構想」「コロナ教訓」「ICT人材育成策」等、日本への20項目の提言