リアル店舗でのアイカメラ分析が可能に、凸版印刷が行動視線調査サービス提供

2015年3月13日 14時48分更新


・装着型アイカメラを着けた顧客の動線を解析するサービス

・従来サービスは売り場棚に画像認識用のマーカー設置が必要だった

・サービス提供価格は130万円から

 
 
 凸版印刷は装着型アイカメラの視線データを自動解析するプログラムを開発し、このプログラムを活用した実際の店舗での購買者の視線について高精度な定量分析が行えるリアル行動視線調査サービス「Insight Viewer Real (インサイト ビュアー リアル)」を消費財メーカーや流通に向けて2015年3月より提供する。

 「Insight Viewer Real」では売場にマーカー(目印)を付けることなく、装着型アイカメラで撮影した動画上の視線データを自動解析し、複数の被験者の視線データを同時に高い精度でプロットする。そのため従来の装着型アイカメラ調査では難しかった、視野全体や複数棚が並んだ売場全体の視線の停留個所を色で表現する「Heat Map(ヒートマップ)」や、視線を集めたエリアの分布を%表示する「AOI(Area of Interest:エーオーアイ)」など、定量的な視線データの可視化が可能になった。また新開発した自動解析プログラムにより、視線解析にかかる時間を短縮し、従来のサービスに比べ同じ期間でサンプル数を増やすことも可能となる。

 凸版印刷は2004年よりアイカメラを用いて消費者の視線を分析し、購買行動を調査するサービスを提供してきた。アイカメラを使った調査サービスは、マーケティング分野で商品パッケージや店頭販促物のデザイン検証や棚割り検証に利用され、消費者の購買行動を記録して、科学的に分析する手法として近年多くの企業で活用されている。

 特に被験者が帽子や眼鏡で身につける「装着型アイカメラ」は、実際の店舗に近い環境での調査が可能なために需要が拡大。しかし移動する被験者の視点データを定量的に分析するためには売場棚に画像認識用のマーカーを設置する必要があり、リアルな店舗状況では調査の実施が難しいという課題があった。

 今回、凸版印刷はバーチャルリアリティ(VR)作品の開発などで培った3次元空間構成技術を活用することによって売場にマーカーを付けずに、装着型アイカメラの視点データを自動解析するプログラムを開発し、現在特許出願中。装着型アイカメラで撮影した動画を解析し、三次元の座標軸で捉えて3Dマップ上に高精度にプロットし、プロットされた複数のサンプルデータを、売場の棚正面など一覧性をもった平面図として切り出し、その後、「Heat Map」や「AOI(Area of Interest)」として、データをビジュアル化するというもの。

 価格は基本料金は12サンプル×3パターンを調査する場合、130万円から。

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