「商圏センサス」首都圏版 ー 日経リサーチ
2021年11月9日 11時41分更新
日経リサーチは9日 、首都圏の商業施設の利用実態を調査した「商圏センサス」首都圏版の最新調査データの提供を開始した。
今回の調査は2021年秋に、1都3県の商業施設約700カ所(一部圏外施設も含む)を対象に実施。調査結果に基づく商業施設の集客力ランキングでは「西武池袋本店」が20年秋、21年春に続いて3期連続の首位となった。
■首都圏利用商業施設(集客力)ランキング2021年秋
(カッコ内は2020年秋調査の順位)
トップ10には1都3県外のアウトレット2施設が入った。コロナ禍で長距離の旅行が難しい中、東京から車で90分前後と近く、屋外型で子供連れや友人と安心して楽しめる場所として集客力を発揮した。「そごう 横浜店」も圏外から5位に浮上するなど、東京以外の施設の上昇が目立った。
1位の「西武池袋本店」は昨年、食品・惣菜の買い物を目的に練馬区など、私鉄や東京メトロを利用した近距離からの来店が増えたが、今回の調査では埼玉県からの来店が増え、コロナ前の商圏に戻りつつある。また、飲食店目当ての来店も増えており、利用客が行動制限を緩和しつつあることがうかがえた。
■経験価値ランキングトップ10 (集客力上位100施設)
集客力上位100施設について、「施設を訪れてどんな印象を持ったか」(経験価値)を調査したところ、今回順位を上げた「御殿場プレミアムアウトレット」「軽井沢プリンスショッピングプラザ」は「解放感を感じられる」で上位に入った。
集客力トップ10に入った施設はこのほか、「贅沢な気分を味わえる」「自分の視野や知識を拡げてくれる」などの評価が高いことがわかった。コロナ禍でも感染の不安を感じずに楽しめる環境や、自粛生活の中で非日常感を味わえたり、自分をアップデートできたりすることが集客につながっているようだ。