大手アパレル20社「店舗×EC」連携力ランキング

2022年5月17日 11時25分更新


 国内最大の覆面調査モニターサイト「ミステリーショッピングリサーチ」*1を運営する株式会社MS&Consultingは、モニターサイトの会員を対象に「実店舗とオンラインを行き来する消費者の購買体験」に関する調査を実施した。
(*1:2020年2月末時点、国内で覆面調査を実施する上場企業の公表値との比較)

大手アパレル企業20社*2から各10店舗、計200店舗の調査結果を踏まえ、「店舗とECの連携を前提とした、今求められる接客のポイント」についても一部公表した。

*2:今回調査した企業20社
株式会社ユナイテッドアローズ、株式会社ビームス、株式会社シップス、株式会社TSIホールディングス、株式会社トゥモローランド、株式会社ジュン、株式会社バロックジャパンリミテッド、株式会社アダストリア、株式会社TOKYO BASE、株式会社マッシュホールディングス、株式会社ベイクルーズ、株式会社ストライプインターナショナル、株式会社アーバンリサーチ、株式会社パル、株式会社ワールド、株式会社オンワード樫山、株式会社サザビーリーグ、株式会社デイトナ・インターナショナル、株式会社アバハウスインターナショナル、イトキン株式会社(順不同)

<覆面調査の概要>
調査時期:2022年3月
調査方法:ミステリーショッピングリサーチ会員による覆面調査(有効回答数:200名)
調査対象:アパレル業態200店舗(20社各10調査)
※都内主要都市、大阪、福岡、名古屋、札幌を中心に当社選定

「店舗×EC連携力」が高い企業ランキングTOP5

店舗とオンライン(SNSやECサイト含む)を行き来する消費者ニーズに即した接客ができていた企業TOP5は以下の通り。

順位企業名得点
1位株式会社マッシュホールディングス74.6
2位株式会社バロックジャパンリミテッド73.6
3位株式会社アバハウスインターナショナル73.6
4位株式会社TOKYO BASE69.3
5位株式会社パル68.0

Q. 店舗で商品を購入する前に、インターネットで検索してから来店しますか?
→約7割が『店舗で購入する前に、インターネットで商品を確認する』と回答*3
*3:[調査方法]インターネットリサーチ、調査期間:2021年12月15日~12月16日、調査対象:ミステリーショッピングリサーチ会員、有効回答:687件

オンライン上で商品を確認してから来店する消費者は、店舗にどんな期待をするのか

オンライン上で検索してきた消費者が、来店時に「満足した接客」と感じたときのコメント。

■「期待以上だった/満足した」と回答した理由
・Instagramを見てきたことを伝えると、「かわいいですよね。私も今履いています。気になっているお色はございますか?」と商品を特定して、更にどちらが気になっているのかを自然な会話で聞き出してくださいました。

→接客力・販売力の高いスタッフは、お客様の気持ちに「共感」、さらにヒアリングにより「ニーズ把握」につなげていることがわかる。

オンライン上で検索してきた消費者が、来店時に「残念な接客」と感じたときのコメント。

■「一部不満/非常に不満」と回答した理由
・気になった商品について質問すると、「ご覧になったWEBサイトを見せていただけますか?」と聞かれたのでお見せしました。しかし、どの商品かは分からなかったようで「おそらく去年発売したもので、在庫はないかと思います」との回答があり、そのまま立ち去ろうとされました。該当商品がないことは仕方のないことですが、今ある商品の中から似たような商品を勧めてくださらなかったことが残念でした。

・シルエット、価格、カラーバリエーションが豊富なことはECサイトから確認できましたが、気になる商品が多くあったので、実際にお店で自分の体に合わせてみたいと思っていたのに…。

→気になる商品が複数あるという「お客様のニーズ」を接客中の会話から把握できていれば、その場から立ち去ることなく他の商品の提案もできたのではないか、と推察される。オンラインの情報をすべて把握していることよりも、まず「お客様に寄り添うこと」が今求められる接客のポイントといえそうだ。

(株式会社MS&Consulting調べ)

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