マーケター・オブ・ザ・イヤー2023発表

2023年10月3日 10時00分更新


 日経クロストレンドは2023年10月2日、新市場を創造した人や画期的なビジネスモデルを構築した人をたたえる「マーケター・オブ・ザ・イヤー2023」を発表した。 大賞は「スープストックトーキョーー同•松尾真継代表取締役社長」が受賞した。

今回で6回目となる「マーケター・オブ・ザ・イヤー」は、22年9月から23年8月に成功した商品やサービスを提供した人物を称えるもので、それ以前の成果も考慮される。「マーケティングの力で消費者や社会に『前向きな変化』をもたらしていく」という日経クロストレンドのビジョンに資する賞として贈られ、評価基準は「志」「便益」「挑戦」「継続性/再現性」の4つに刷新された。それに伴い、外部審査員と編集部による選考で受賞者が選ばれた。

ーケター・オブ・ザ・イヤー2023」受賞者を発表

【大賞】
●スープストックトーキョー
受賞ポイント
2023年4月に勃発した、スープストックトーキョーの「離乳食Twitter(現X)騒動」。同社スタッフ一同、および松尾社長は、賛否両論あふれる中でも「世の中の体温をあげる」という企業理念を貫き、批判的な意見に対しておもねることなく離乳食無料サービスを拡大した。自社のブランドの存在意義を見失うことなく、顧客と真摯に向き合う姿勢が、特に「志」の評価項目で得点を伸ばした。

【優秀賞】
●chocoZAP(チョコザップ)
受賞ポイント
瀬戸氏が手掛けた格安フィットネスジム「chocoZAP」は、22年7月のサービス開始から、わずか13カ月で国内フィットネスジム業界における会員数1位を記録。着替えずに運動できたり、エステマシンなど運動以外のサービスを充実させたりすることで「運動無関心層」を取り込み、新たなフィットネス市場を切り開いた。新市場の創出を意図して、運動無関心層というフィットネスジム業界が対象としていなかった層へアプローチする「挑戦」が光った。

●京の米老舗 八代目儀兵衛
受賞ポイント
橋本氏は、京都の老舗米店「八代目儀兵衛」を率いる。コンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパンと協業し、おにぎり商品を監修。23年3月に発売された。これまで「おいしいおぎにり」の基準は、のりの品質や中身の具材などの差別化による勝負だったが、「米がおいしい」というど真ん中の価値で切り込み、コンビニおにぎり市場を再創造する大きな「挑戦」に打ち勝った。

●YOLU(ヨル)
受賞ポイント
藤岡氏は、大手企業をしのぎドラッグストア市場のヘアケアカテゴリーでメーカーシェア1位(単月販売金額ベース)になったI-neで、「YOLU(ヨル)」を手掛けた。シャンプー・リンスカテゴリーにおいて、ナイトリペア(寝ている間に髪をケアできる)という独自の「便益」を生み出し、大ヒットとなった。「商品をどう売るか」ではなく、売ることで何を実現したいのか。商品の存在意義から考えることで、独自の便益を持つ商品を生んだ。

●meliordesign(メリオールデザイン)
受賞ポイント
高野氏は、「水洗いだけで汚れが落ちる」という新規性の高い食器を生み出した。同社は業務用の節水ノズルを開発してきたメーカーで、日々の生活の中で無意識にSDGs(持続可能な開発目標)につなげたいという「志」を持つ。消費者ニーズが顕在化している節水など水回りの改善にとどまらず、「洗剤いらず」の領域にまで踏み込んだ点が評価を集めた。同氏は、「世界の水不足解消」という目標に向け、海外企業とコラボする前提で「継続/再現性」を強く意識したブランドづくりを行っている。

●JINS SAUNA(ジンズ サウナ)
受賞ポイント
田中氏は、かけたままサウナに入っても曇りにくい眼鏡「JINS SAUNA」を開発。サウナや風呂でも相手の顔を見てコミュニケーションを取りたいというニーズを捉え、同商品はJINSの全新作アイウエアの中で、23年上半期の総売り上げが30~40代で1位(金額ベース)となった。この独自の「便益」を持った眼鏡が登場することで、実は「サウナを愛する人たちにとって、サウナは『社交場』である」という深い消費者インサイトを見いだすことにつながった。

詳細はこちら
「マーケター・オブ・ザ・イヤー2023」
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00896/

「マーケター・オブ・ザ・イヤー2023【地方編】」
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00899/ 

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