QRコード決済の顧客ロイヤルティ1位はPayPay
2022年11月28日 11時45分更新
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、NPSベンチマーク調査QRコード決済部門を実施した。この結果、最もNPSが高いのは、PayPayとなった。
業界全体では、ポイントの使いやすさや利用履歴の確認しやすさがロイヤルティを醸成する要素となった。また、企業イメージ・ブランドイメージの良さや、メルマガやSNSによる適切な情報提供もロイヤルティを高める要因となった。
一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、利用可能な店舗の検索のしやすさに加え、ポイントの貯まりやすさ・還元率やキャンペーンの魅力となり、お得さに関する項目において今後の改善が期待される結果となった。
調査対象企業(アルファベット順、50音順):
au PAY、d払い、FamiPay、LINE Pay、PayPay、メルペイ、楽天ペイ
調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記QRコード決済の利用者
調査方法:NTTコム リサーチ*による非公開型インターネットアンケート
調査期間:2022/10/21(金)~ 2022/10/24(月)
有効回答者数:3,363名
回答者の属性:
【性別】男性:53.5%、女性:46.5%
【年代】20代以下:13.5%、30代:18.5%、40代:25.0%、50代:21.0%、60代以上:22.0%
1. QRコード決済部門のNPS1位はPayPay
QRコード決済を提供する7社のうち、NPSのトップはPayPay(-24.5ポイント)、2位は楽天ペイ(-27.0ポイント)、3位はd払い(-33.5ポイント)となった。トップ企業とボトム企業の差は30.8ポイント、7社のNPS平均は-38.2ポイントとなった。
2. ポイントの使いやすさや利用履歴の確認のしやすさがロイヤルティ向上につながる
ロイヤルティの要因を17の項目別に分析したところ、「ポイントの使いやすさ」や「利用履歴や獲得したポイントの確認のしやすさ」がロイヤルティを醸成する要素となった。また、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」やキャンペーン情報などの「メルマガやSNSなどによる適切な情報提供」もロイヤルティを高める要因となった。
一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「利用可能な店舗の検索のしやすさ」に加え、「ポイントの貯まりやすさ・還元率」や「キャンペーンの魅力」となり、お得さに関する項目において今後の改善が期待される結果となった。
図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
PayPayは、「利用可能な店舗の検索のしやすさ」や、「メルマガやSNSなどによる適切な情報提供」がロイヤルティに影響を与える結果となり、NPS1位につながった。2位の楽天ペイにおいては、「ポイントの貯まりやすさ・還元率」や「利用履歴や獲得したポイントの確認のしやすさ」が、3位のd払いにおいては、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」や「利用開始の手続きのしやすさ」がそれぞれ評価され、NPS上位となる結果となった。
3. QRコード決済の利用頻度が高いほどNPSが高い傾向に
QRコード決済の利用頻度を調査したところ、「1か月に2~3回程度」(21.0%)が最も多い結果に。また、1週間に1回以上利用する人は全体の約4割となった。NPS上位となったPayPay、楽天ペイ、d払いにおいては、1週間に1回以上利用する人は約5割となり、利用頻度が高い傾向がみられた。
図:QRコード決済の利用頻度
さらに、QRコード決済の利用頻度別にNPSを分析したところ、「1日に1回以上」利用している人のNPSは9.1ポイントとなり、利用頻度が高いほどNPSが高くなった。
図:QRコード決済の利用頻度別のNPS
4. 請求書払いやスタンプカード機能への今後の利用意向が高い
多くのQRコード決済において、会計時の支払い機能のほかに、個人間送金や請求書払いなどの機能が提供されている。そこで、対象のQRコード決済のアプリ内で利用したことがある機能を調査したところ、「ポイント運用・ポイント投資」(16.0%)が最も高い結果となった。次いで「公共料金や税金の請求書払い(請求書のバーコードを読み取ることで、店頭に行かずに支払いできる機能)」(10.2%)、「個人間送金(アプリのユーザー同士でお金のやり取りを行う機能)」(8.8%)が続いた。
さらに、QRコード決済のアプリ内で今後利用したい機能を調査したところ、いずれの機能においても、現在の利用率よりも今後の利用意向率が高いことがわかった。特に「スタンプカード(対象店舗・商品の購入数に応じて特典がもらえる機能)」や「公共料金や税金の請求書払い」において、現在の利用率と今後の利用意向率との差分が大きい結果となった。今後、アプリを活用した利用シーンの拡大や利便性の向上が期待される。
図:QRコード決済アプリ内の機能の利用率と今後の利用意向率
5. 推奨度が高いほど、対象のQRコード決済の継続利用意向も高い傾向に
対象のQRコード決済において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.5ポイント、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.9ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.8ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となった。
図:推奨セグメント別継続利用意向