ソフトバンク決算、23年第二四半期発表

2022年11月7日 11時45分更新


 ソフトバンク株式会社[9434]は2022年11月4日に、2023年3月期 第2四半期決算を発表した。 

■全社業績

 売上高は2兆8,085億円(前年同期比3.1%増)、営業利益は4,985億円(前年同期比12.7%減)、連結最終利益は2,371億円(前年同期比22.8%減)となった。
純利益の増減要因は、営業利益の減少と、訴訟にかかわる遅延損害金、投資有価証券の評価損によるもの。

 連結業績計画については、営業利益を従来予想から1.9%上方修正して5400億円に微修正。経営目標については概ね順調に推移しているとした。

PayPayの連結の影響について
 10月1日付けでのPayPayの子会社化に伴い企業価値を再評価した結果、差益2,948億円を第3四半期決算で計上する計上見込み。2022年度上期の営業利益にこの影響を加えると7,674億円となり、進捗率は77%となる。

■セグメント別業績

また、これまでセグメントは「コンシューマ」「法人」「流通」「ヤフー・LINE」の4つだったが、12月31日よりPayPay子会社化に伴い、新たに「金融」追加した5つに変更される。「金融」を構成する主な事業会社は、PayPay、PayPayカード(株)、PayPay証券(株)、SBペイメントサービス(株)を予定している。

セグメント別では、売上高は全セグメントにおいて増収となったが、営業利益は流通/・連結調整以外で減益。

要因は料金値下げの影響を受けたもので、上期の500億円から下期は400億円への縮小する見通しで、今年度が底となり今後大幅に縮小する見込み。

1.コンシューマ事業
 売上高は、前年同期比71億円(0.5%)増で13,855億円。セグメント利益は、前年同期比13.4%減の3,156億円。
増収要因は「でんき」の売上増加によるもの。
減益要因は、料金値下げの影響によるもので、前年対比で240億円のマイナスしたが影響自体は縮小傾向にあり、2022年度を底に大幅に縮小を予測している。
サービス売上のうち、モバイルは前年同期比290億円(3.6%)減少。スマートフォン契約数が「Y!mobile」ブランドを中心に伸びた一方、通信料の値下げにより平均単価が減少したこと等が大きく影響した。
通期の営業利益の進捗率は66%で、昨年上期の57%と比較しても期初想定より順調に推移している。

2.法人事業
 売上高は、前年同期比3.3%増の3,625億円。セグメント利益は、前年同期比3.8%の713億円。
ソリューション等が13%増収と順調で、他を牽引した。減益要因は、訴訟に係る引当金の計上などによるものだが、一過性の特殊要因を抜けば4%増益となる。

3.流通
 売上高は、前年同期比15.6%増の2,730億円。セグメント利益は、前年同期比0.5%増の123億円となった。
注力しているクラウドやSaaSなどのサブスクリプションサービスが堅調に伸びたことによるもの。

4.ヤフー・LINE事業
 売上高は、前年同期比4.5%増の7,849億円。セグメント利益は前年同期比13.8%減の995億円。
増収要因は、コマース領域の増加によるもの。減益要因は、主に人員増加による人件費や売上原価の増加、ヤフー(株)の販促費増加によるもの。物販eコマース取扱高は6%増加した。

5.金融事業について
 PayPayの登録ユーザー数は、1年間で21%増加して5,121万人となった。LINEとの連携を強化し、登録数増加を目指す。

決済取扱高(GMV)は3.5兆円と前年同期比で43%増加。売上高は、前年比129%増で532億円となった。
また、10月1日付けでヤフー(株)からクレジットカード事業の移管が完了。QR決済とクレジットカード決済の併用を促進し、1人あたりのGMVの拡大を目指す。

その他、「SBペイメントサービス」「PayPay証券」の事業について紹介した。(詳細はこちら

セグメント別の業績予想
「法人事業」において訴訟に係わる引当金計上で従来予想を90億円下げて1,410億円に変更。新設された「金融」についても、-190億円を見込んでいる。

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