10/27~読書週間!本・コミックの購買状況調査

2022年10月31日 10時00分更新


 ハイブリッド型総合書店「honto」は、10月27日から始まった「秋の読書週間」※1 にあわせ、「honto」での販売情報をもとにした「8地域別 本の購買状況調査」を実施した。
※1 「秋の読書週間」公益社団法人読書推進運動協議会が10月27日~11月9日の二週間を読書推進週間としています。

【調査結果サマリー】
・一人当たりの購入冊数・金額1位の地域は「近畿」。
・各地域共通で購買冊数が多いジャンルは「コミック」と「文庫」。
・地域平均6.5位の「教育・学習参考書」が沖縄で3位に。
・「コミック」ジャンルの最多購買タイトルは『呪術廻戦』が7地域で1位に。
・「小説・文学」は全地域共通で『同志少女よ、敵を撃て』が1位。
・地域にゆかりがある本は販売冊数が上位の傾向がある。

1. 一人当たりの購入冊数・金額

●購入・冊数とも1位は「近畿」、3位圏内は「関東」「沖縄」

 全国47都道府県を8地域※2 に分けて一人当たりの本(紙・電子書籍)の購買冊数・金額の割合を算出。各地域の人口一人当たりの冊数・金額を合計したものを100として、地域別に構成比を比較してみると 、人口一人当たりの冊数・金額が最も多いのは「近畿」で21%だった。次いで一人当たりの冊数では、「関東」「沖縄」「北海道」「中国・四国」。金額で見ると、「沖縄」「関東」「北海道」以下ほぼ同%という結果となった。電子書籍は再販行為(定価販売)の範囲外でキャンペーンなどでの値引き販売をしていることもあるが、紙の本は再販制度(定価販売制度)によって全国どこで購入しても同一価格。また文庫の平均価格が800円※3 などと本のジャンルによっておおよその相場もあるため、特定地域で突出して電子書籍だけの購入や、専門書や特装本等の高価格書籍の購入などが起こらない限りは、冊数・金額での順位差は生じないと考えられる。
※3 日本経済新聞“文庫本新刊平均800円超す 部数減響き20年で25%上昇

2. 地域別購買ジャンル動向

●各地域共通で1位「コミック」2位「文庫」
●3位は4地域で「暮らし・実用」、3地域で「ボーイズラブ」、沖縄の3位は「教育・学習参考書」

 地域別に購買冊数が多いジャンルを見ると、1位と2位は各地域共通で1位「コミック」、2位「文庫」、5位以内に共通するジャンルは「暮らし・実用」と「ボーイズラブ」という結果になった。
 3位以降は各地域で順位に変化が見られる。沖縄は他地域では5位以下に位置している「教育・学習参考書」が3位に入っている。北海道は5位に「ライトノベル」、近畿は5位に「児童書・絵本」が入った。

3. 地域・ジャンル別 最多購買タイトル

●「コミック」ジャンルの最多購買タイトルは『呪術廻戦』が7地域で1位
●「小説・文学」は全地域『同志少女よ、敵を撃て』が1位
 各地域の1位がすべて同タイトルだったジャンルは「小説・文学」で、2022年第19回本屋大賞を受賞した『同志少女よ、敵を撃て』という結果となった。著者の逢坂冬馬氏は本作がデビュー作。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻が進むさなか、第二次世界大戦の独ソ戦を時代設定においた本作に興味関心が高まったと考えられる。

▼全地域で5位圏内に入ったジャンルごとに地域ごとの購買トップタイトル

【コミック(全地域1位)】
北海道のみ『SPY×Family(8)』が、それ以外では『呪術廻戦(17)』が1位。

【文庫(全地域2位)】
関東ではガリレオシリーズの『沈黙のパレート(文春文庫)』、沖縄では『沖縄。人、海、多面体のストーリー (集英社文庫)』が1位。それ以外の地域では『三千円の使いかた(中公文庫)』が1位。

【暮らし・実用(全国平均3.6位)】
芸人でもある厚切りジェイソンによる初のお金に関する書籍『ジェイソン流お金の増やし方 コレだけやれば貯まる!』が北海道、沖縄を除く地域で1位に。北海道では『札幌の喫茶店 暖かくて懐かしいとっておきの場所へ。 (ぴあMOOK)』、沖縄では『沖縄島料理 食と暮らしの記録と記憶 沖縄島探訪』と、自地域を取り上げた本が売れている。

【ボーイズラブ(全国平均3.7位)】
沖縄のみ『嫌いでいさせて (3)(ビーボーイオメガバースコミックス)』が1位、それ以外は『抱かれたい男1位に脅されています。(8)(ビーボーイコミックスデラックス)』(北海道、近畿)と『ララの結婚 4【電子限定かきおろし付】』(東北、関東、中国・四国)の2タイトルで人気が二分されている。

「ボーイズラブ」ジャンルは電子書籍で特典がつくタイトルが多いのが特徴のジャンルで、中部と九州では同タイトルでも電子書籍版の『抱かれたい男1位に脅されています。(8)【電子限定かきおろし付】」が1位だった。

【ライトノベル(北海道5位 全国平均7.3位)】
北海道をはじめとした地域(九州、沖縄を除く)で『ビブリア古書堂の事件手帖 2-3 扉子と虚ろな夢 (メディアワークス文庫)』が1位。九州では『今夜、世界からこの恋が消えても (メディアワークス文庫)』、沖縄では『転生したらスライムだった件 19 (GC NOVELS)』が1位。

【児童書・絵本(近畿5位 全国平均6.2位)】
沖縄を除く全地域で『すごすぎる天気の図鑑 空のふしぎがすべてわかる!』が1位に。沖縄では『世界がぐっと近くなるSDGsとボクらをつなぐ本 ハンディ版 (新時代の教養)』が1位。

【教育・学習参考書(沖縄3位 全国平均6.5位)】
沖縄では大学入試過去問題集の「赤本」、『琉球大学 (2022年版大学入試シリーズ)』が1位です。続く2位、3位のタイトルも「共通テスト」対策関連本であり、地元国立大学への強い関心が見て取れる。他地域では、東北が『共通テスト対策問題パック 2023(河合塾SERIES)』、それ以外はすべて『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』が1位。

4. 地域の特徴が出たジャンル

●地域にゆかりがある本は販売冊数が上位の傾向がある

ジャンル「旅行・地図」では『地球の歩き方 永久保存版 J02 東京多摩地域』(関東)[山本11] 、『長野県の大正解 (マガジンハウスムック)』(中部)、『関西ウォーカー 2022春 (ウォーカームック)』(近畿)などが1位だった。

また、ジャンル「カレンダー」では『日めくりカレンダー まいにち、楽しんじょう!新庄剛志の開運BIGBOSS語録』(北海道)、『羽生結弦 2021-2022フィギュアスケートシーズンカレンダー 卓上版』(東北)などが1位を獲得しており、地域ゆかりの強さが見て取れる。「カレンダー」は北海道と沖縄を除くすべての地域で『なにわ男子カレンダー 2022.4→2023.3 Johnnys’ Official』がトップ5中にランクインしており、人気の高さがうかがえる結果となった。

・ハイブリッド型総合書店honto調べ
・「honto」について
ネット書店と、丸善、ジュンク堂書店、文教堂などのリアル書店を連携させた総合書店として2012年5月にサービスを開始。2022年5月で10周年を迎える。
運営は大日本印刷株式会社、株式会社丸善ジュンク堂書店、株式会社文教堂、株式会社トゥ・ディファクトによる共同運営。

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