ソフトバンク、2022年3月期 決算発表

2022年5月11日 20時35分更新


ソフトバンクは5月11日、2022年3月期の決算を発表した。

<全社業績>

 2022年3月期の累計売上高は5兆6906億円(前年比+9.3%)、営業利益は9857億円(前年同期比+1.5%)、純利益は5175億円(前年比+5%)ですべて過去最高で、純利益は4期連続の最高益となった。

売上高(セグメント別)
コンシューマ、法人事業、ヤフー・LINE事業が順調に増収。
コンシューマは、新料金の逆風をうけている最中で端末の販売が好調だった。加えて、電気・ブロードバンドの売上増加で4%増収となった。
流通は、半導体不足の影響を受け2%の減収となった。

営業利益(セグメント別)
コンシューマは3%の減益。これも通信量値下げの影響が大きかったが、法人事業が19%増益、ヤフー・LINEが17%増益と順調に成長したことで補った。
通信料金は、値下げの影響を受け770億円の減益と大きかったが、モバイル契約数の増加とコスト削減で578億の成果を上げており、全体で-3%減に留めた。それに加えて、法人事業とヤフー・LINE事業で挽回した形。

PayPay連結の影響を除くと、ビジネスの利益は前年対比ではマイナスとなっている。期初からの見通しについては、すべての項目で予想を上回り着地した。セグメント別営業利益は、ほぼ期初予想通りだった。コンシューマは苦戦を強いられ-0.4%だったが、ヤフー・LINE事業が+7%と上回り、全体ではプラスで終了した。配当金は、86円で予定通り。

<業績 予想>

売上高は5.6兆円、営業利益は1兆円、純利益は5300億を見込む。中期業績目標を上回って達成の見込みで、5期連続の最高益を目指す。

コンシューマ事業
 1600億円のマイナスの見込みで、主な要因は2つ。通信量の値下げの影響が900億円と、販売管理費の増加などで600億円の見込み。
販売管理費等の内訳は、一つ目は、会計処理を変更しインセンティブを資産化している影響。端末の試用期間に応じた償却を利用期間で平準化しており、繰り延べの営業が400億円ほど。ノンキャッシュだが、費用を計上する関係で大きく数字として出てきた。
二つ目は、端末販売が昨年度対比で非常に好調だった為、その反動が出て下げる予想が200億円ほど。

ヤフー・LINE事業
  1516億円のプラスの見込み。一番大きな要因はPayPayの連結で、今年度中に子会社化を見込んでいる。時期は未定だが、そこで発生する再評価益・無形資産の償却・連結後のPayPayの損益(これについてはマイナス見込み)の足し引きが主な要因である。評価益が定まっておらず現時点で詳細見積もりが難しいとのことで、代表の宮川氏は「過去何年間も巨額な投資をしており、少しずつ様々な形で評価される時期がきたと捉えて欲しい」と語った。

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