年代別サブスクリプションサービス利用ジャンル・トップ3-ICT総研
2020年2月4日 12時06分更新
ICT総研 は2月4日、2020年 サブスクリプションの市場動向調査の結果をまとめた。
2019年はサブスクリプションサービスが盛り上がりを見せ、従来の動画や音楽の配信サービス以外にも、自動車や不動産など、様々なジャンルでサブスクリプションサービスが開始された。現状のサブスクリプション市場は、動画や音楽などのエンターテイメント系のサービスの利用が多いが、今後は飲食業界などのオフラインのサブスクリプションサービスの成長や、個人が一般消費者に課金するマイクロサブスクリプションの発展など、様々な分野で市場の活性化が見込まれる。
今回の調査では、今後さらなる市場発展が見込まれるサブスクリプションサービスの市場規模と見通しや、ユーザーの利用実態を把握することを目的とした。
サブスクリプションサービスの市場規模は、2023年に1.4兆円に拡大する見込み
2019年のサブスクリプションサービスの市場は約1.1兆円まで拡大しており、このうちの47%(5,330億円)を占めるのがスポーツジム、ファッション、美容、飲食店、教育、ソフトウェア、その他のサービスなどの「サービス・健康・教育」、18%(2,060億円)を占めるのが各種物品や飲食物の定期購入、カーシェア、自動車等の定額利用などの「物品購入・レンタル」、そして、35%(4,050億円)を音楽配信、動画配信、電子書籍、デジタルニュース等の「デジタルコンテンツ」が占めており、「サービス・健康・教育」が全体の約半分を占める結果となった。
大企業のサービス参入などにより、サブスクリプションサービスへの顧客認知度や顧客体験がより浸透し、市場が活性化することで、2023年には市場規模は約1.4兆円まで拡大する見通しである。このうちの43%(6,180億円)を「サービス・健康・教育」、18%(2,620億円)を「物品購入・レンタル」、39%(5,570億円)を「デジタルコンテンツ」が占める見通しとなっている。
利用期間の長いジャンルは、「新聞・ニュース」、「アプリ・ソフトウェア」
サブスクリプションサービスの提供事業側から見た場合、新規会員を伸ばすのと同時に重要なことが、継続利用期間である。Webアンケートで約4,000人のユーザーに対して、利用期間をジャンルごとに聞いたところ、利用期間3年以上は「新聞・ニュース」が約7割、「アプリ・ソフトウェア」が約4割となった。特に「新聞・ニュース」は、一度加入したら継続利用期間が長い傾向が見られる。
「音楽」、「動画」、「書籍・雑誌・コミック」は、月額1,000円未満の利用率が高い
普段利用しているサブスクリプションサービスの月間利用金額を聞いたところ、月額利用金額1万円以上が多かったジャンルは「ファッション・美容」、1千円以上1万円未満が多かったのは、「新聞・ニュース」・「教育・学習・資格」・「飲食店・食料品宅配」・「カーシェア・自動車定額利用」、1千円未満が多かったのは「音楽」・「書籍・雑誌・コミック」・「アプリ・ソフトウエア」・「動画」・「ゲーム」となった。なお「ファッション・美容」は月額利用金額1万円以上が最も多く32%だが、1千円以上1万円未満も31%であり、大差はなかった。
年代別では、音楽・動画が10代から50代までの1位、2位を独占
サブスクリプションサービスの利用者に対して、普段利用しているサービスを聞いたところ、60代以上を除く全ての年代で、「音楽」、「動画」が1位、2位を独占した。一方で3位については、10代・20代が「ゲーム」、30代・40代は「書籍・雑誌・コミック」、50代は「新聞・ニュース」と、年代ごとに傾向の違いが見られた。
スマホ・タブレットの普及で定額動画サービス・定額音楽サービスが手軽なコストで場所を問わず利用できることが、「音楽」・「動画」の利用が各年代で受け入れられている要因と分析される。
サブスクリプション市場の認知は進んでいる一方で、サブスクリプションビジネスをいち早く取り入れた企業が、撤退する動きも見られる。サブスクリプションサービスは定額で料金を継続的に払い続けるサービスであるが、電気・ガスのように利用に応じて利用料金を支払い続ける「リカーリング」と呼ばれるビジネスも注目されており、今後様々な業種で所有から利用に向けたビジネスモデルの変化が起こることが予想される。
なお、この調査のWebアンケート調査は、3,976人のサブスクリプションサービス利用ユーザーへのアンケート調査の結果およびサブスクリプションサービス提供者への取材の結果をまとめて分析したものである。Webアンケート実施時期は2019年12月9日から12月16日。
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