世界の都市総合力ランキング2019、東京は3位にランクインもスコア伸び悩み、4位のパリに迫られる結果に

2019年11月21日 11時38分更新


 森記念財団都市戦略研究所は「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index, GPCI)」を発表した。調査の結果、東京は4年連続で世界3位となった。トップ10の順位は昨年から変化はなく、1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位東京、4位パリという結果に。特に東京は大きく下落しており、4位のパリに迫られた格好となった。パリは2015年の同時多発テロ以降、スコアが下落傾向にあったが、2017年の2024パリ五輪決定以降、上向きつつある。新規に追加した4 都市(メルボルン、ヘルシンキ、ダブリン、テルアビブ)の中では、メルボルンが11位で最も高かった。

 ロンドンは8年連続で1位を維持したものの、今年は総合力を落とす結果となった。2016年のEU離脱国民投票後もスコアを伸ばし独走を続けていたが、混迷する離脱交渉の影響を示すかのように今年は経済の「世界トップ500企業」でスコアを落とした。一方で、文化・交流は16 指標中12の指標でトップ5 位以内に入っており、依然として卓抜した強さを有している。

 ニューヨークは「GDP」や「証券取引所の株式時価総額」、「スタートアップ環境」などの指標で高い評 価を得た結果、経済と研究・開発で今年も1位を堅持した。また、文化・交流と交通・アクセスもそれぞれ2 位、3 位と高い評価を得た。しかし、文化・交流における「外国人居住者数」は過去3年間人数が減少傾向であることから、国内外の都市へ外国人が流出していることが伺える。

 トップ2都市と同様、東京も昨年と比べて総合スコアを落とす結果となったが3 位は維持した。4 位のパリもスコアを落としているが、東京と比べてスコアの下落幅が小さいため、東京とパリとの間のスコア差が再び縮まった。東京は総合力が非常に高い都市ではあるものの、圧倒的に強い分野はなく、逆に極端に弱い分野もないことから、バランス型の都市としての様相がますます強まりつつある。

 同調査は世界の主要48都市を対象に、各都市の力を「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野で総合的に評価した。

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