「ブランド価値」によるグローバル・ブランドランキングTOP100を発表、Appleが7年連続で第1位を獲得

2019年10月21日 10時03分更新


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 世界最大のブランディング会社インターブランドは、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best GlobalBrands 2019」を発表した。同ランキングは、グローバルに事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化するもので、レポートの発表は2000年から今年で20回目となる。ランキングでは、7年連続で第1位Apple、第2位Googleとなり、Amazonも2年連続で3位となった。

 Appleのブランド価値は前年比+9%の2,342億ドル、Googleは同+8%の1,677億ドル、Amazonは同+24%の1,253億ドルで、3社ともブランド価値を向上させた。また、Disney(10位、444億ドル)が8年ぶりにTop10に返り咲いた。
 Uber(87位、57億ドル)とLinkedIn(98位、48億ドル)が初めてBest Global Brandsにランクインし、再上場を果たしたDellが、6年ぶりに63位(90億ドル)に再ランクイン。
 Top5 Growing Brands(最も成長率の高い5ブランド)は、MasterCard(前年比+25%)、Salesforce(+24%)、Amazon(+24%)、Gucci(+23%)、Starbucks(+23%)となった。
 業種でみると、テクノロジー・エレクトロニクス(16ブランド)、自動車関連(15ブランド)、小売・ラグジュアリー(15ブランド)、金融関連(12ブランド)で半数以上を占めている。また、今回ラグジュアリー(+11%)が最も成長率の高い業種となっている。Top100ブランドのうち、28ブランドが2桁成長を遂げ、100ブランドの合計価値は、2兆1309億ドルとなり、2018年に比べ5.7%成長。

 インターブランド グローバルCEOのチャールズ・トリヴェイルは、「この20年の間に、消費者は劇的に変化した。選択肢が多くなり、以前よりブランドへのロイヤリティが薄くなった消費者は、提供価値の即時性や豊富さ、親密性を求めはじめ、かつてないほどの情報力を擁し、互いに繋がり、その要求はさらに高まっている。かつてブランド構築はそのポジションを定義することであった。しかし今日の加速する市場においては、消費者の期待はブランドの静的なポジショニングでは飽き足らない。ブランドがビジネスそのものとなり、ブランドの発信、行動がビジネスの信頼に繋がる。消費者の期待がビジネスよりも早く変化し続ける世界では、ブランドは、競争環境を変えるくらいの大胆な変革『Iconic Moves』を行わなければならず、それが最終的に並外れたビジネス結果を生み出す」と述べている。

Top1~25 Top25~50 Top51~75 Top76~100

【概要】
・今年で20回目のBest Global Brandsを発表
・2年連続でAppleが第1位、Googleが第2位、Amazonが第3位
・Uber、LinkedInが初めてBest Global Brands入り
・MasterCardがブランド価値を25%アップさせ、成長率1位
・業種別では、ラグジュアリー部門が昨年に引き続き、最も高い成長率
・Toyotaは昨年に続き第7位、16年連続で自動車ブランドの最高位

ブランドバリュー ブランドバリュー2

◆成長ブランドに関する分析
・MasterCard:62位、94億ドル(前年比+25%)
 MasterCardは、長年にわたって強力にかつ着実に上昇している。マルチデバイスのデジタルの世界で認知度を維持できるよう、アイデンティティ(音のアイデンティティを含む)を進化させ、ブランドシンボルを変更した。また、20年以上に渡り「Priceless」キャンペーンを継続。それはブランドを支える顧客のHuman Truth(深層のインサイト)である「物より体験ほど素晴らしいものはない」に基づくもの。雇用主としても多くの賞を受賞。「フォーブス:多様性のためのアメリカの最高の雇用者-2018」など、Glassdoor社調べによると社員の95%がCEO(Ajay Banga)を認め、79%が職場として推奨している。

・Salesforce:70位、80億ドル(+24%)
 Salesforceは、世界No.1 CRM(顧客関係管理)で 進化する顧客体験を提供。そして、4つの価値(信頼、カスタマーサクセス、イノベーション、平等)を重視する企業文化を有している。顧客が、すべての活動の中心に位置付けられ、顧客の情報と関係性がSalesforceの強みとなっている。その驚異的な成長は、あらゆる業種・規模の企業のデジタル変革によって支えられており、この変革は顧客と一体となり継続している。

・Amazon:3位、1,253億ドル(+24%)
 Amazonの使命は、人々がオンラインで購入したいものを見つけて発見できる、地球で最も顧客中心の企業になること。Amazonは、オーガニック手法(R&D)と買収を通じて絶え間ない革新を追求し続けている。彼らの考え方は、まず自らが先に革新し、利益は後で追求すること。AmazonのWebサイトからeコマースパートナー、開発プラットフォームへの進化は、会社のDNAの一部である革新の精神によって推進されている。Amazonは、世界中から、優秀なエンジニアを集め、世界中の買い物客、売り手、そして開発者の生活を向上させるテクノロジーの研究開発を続けている。

・Gucci:33位、159億ドル(+23%)
 Gucciは、伝統的なスタイルとスポーティーなスタイルを融合させ、化粧品や高級ジュエリーなど新しい製品カテゴリーにも拡大し、常に革新を続けている。そして、その価値観である、自由、自己表現、文化、多様性、男女平等、流動性をブランドで体現し、ソーシャルメディアを通じて、ミレニアム世代を魅了している。また、社内の人種差別、性的差別、障害者差別等の撲滅や社員の価値を高める活動にも積極的に取り組み、仕事への高いモチベーションと価値観が、企業文化と強く結びつくように取り組んでいる。

・Starbucks:48位、118億ドル(+23%)
 Starbucksのミッションは、「人々の心を豊かで活力あるものにするために̶ひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」。「The Only One」として愛されるために「Moments of Connection-つながりの瞬間-」を大切にしている。Starbucksは、製品品質と文化の両方の側面で、ハイエンドから新しい冒険的なフレーバーまで、基本的に全てがそのブランドミッション、ビジョン、バリューに則った新製品を市場に投入し続けている。世界最大のコーヒーチェーンとして、中国市場で店舗を拡大し、世界の主要な都市で、新しいハイエンドエクスペリエンスの提供も推進している。

◆日本ブランドに関する分析
・Toyota:7位、562億ドル(前年比+5%)
 自動車業界は 100 年に一度の大変革期を迎え、Toyota は「自動車メーカー」から、モビリティに関わるあらゆるサービスを提供する会社「モビリティカンパニー」「モビリティサービス・プラットフォーマー」に変容しようとしている。ソフトバンクと戦略的提携し「MONET Technologies」を設立、愛車サブスクリプション「KINTO」も開始するなど、これまでの発想を転換し、より幅広く、よりオープンに、より良い社会への貢献を追求し、新しいビジネスモデルを構築している。

・Honda:21 位、244 億ドル(+3%)
 Honda は、2030 年ビジョンで「すべての人に、『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」と宣言しました。同時に「量」より「質の追求による成長」へ大きく舵を切った。ビジネス環境の急速な変化により、組織変更を加え、事業構造を強化。自動車以外に航空機事業も擁し、競合他社との差別化を図っている。

・Nissan:52位、115億ドル(-6%)
 Nissanは、「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」の取り組みを通じて、Nissanの最先端技術で、クルマを単なる移動の道具から、顧客をワクワクさせる存在に進化させている。2017年度からの6か年中期経営計画「NissanM.O.V.E. to 2022」では、「Mobility」のM、「Operational excellence」のO、「Vaue to customers (お客さまへの価値提供)」のV、「Electrification(電動化)」のEという強みを活かすことを示している。経営体制の変更や不適切検査によるリコールなどのスキャンダルが、ブランド価値に与えた影響は限定的となっている。

・Sony:56位、105億ドル(+13%)
 2018年、社長 兼 CEO吉田 憲一郎氏のもと新経営体制が開始し、「Creative Entertainment Company with a SolidFoundation of Technology」とSony を再定義。事業領域は、音響や映像を中心としたエレクトロニクス事業から、音楽や映画、ゲームといったエンターテインメント事業そして金融事業へ、さらには、AI&ロボティクス関連、医療、
教育分野へポートフォリオは一層多様性のあるものになっている。テクノロジーとクリエイティビティで世界を感動で満たす企業として世の中に貢献し、継続的な高収益と社会価値を創出するブランドとなる挑戦を続けている。

・Canon:61位、95億ドル(-9%)
 Canonは、交換レンズカメラのナンバーワンブランドであり、インクジェットプリンター市場でも、2018年も引き続きトップシェアを獲得。中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想」のPhase Vとして「戦略的大転換を果たし、新たなる成長に挑戦する」という基本方針のもと、事業の主体をこれまでのB to CからB to Bへの変換を図っている。企業理念「共生」の具現化に向け、商業印刷、ネットワークカメラ、メディカル、産業機器の4つの新規事業をM&Aなどの手法も用いながら、2018年には事業ポートフォリオの転換を完成させている。

・Panasonic:81位、62億ドル(-2%)
 Panasonicは、ブランドスローガンである「A Better Life, A Better World」を実現するため「くらしアップデート」の取り組みを推進。街全体での新たな価値創出を目指し、Toyotaと共同で街づくり事業を推進する新会社を設立。ハーレーダビッドソンとも協業し電動バイク向けコネクテッドサービスを開発。家電、自動車、住宅、BtoBソリューションなど、パナソニックがもつすべての技術やノウハウを駆使し、社会問題と社会的ニーズに向けた最先端のソリューションを提供。暮らしや社会を変えようとしている。

・Nintendo:89位、56億ドル(+18%)
 Nintendoは、これまでにないエンターテインメント体験を創造することに挑戦し、「人々を笑顔にする娯楽をつくる会社」を目指している。スマートデバイス上でのゲームビジネスを展開すると同時に、テーマパークや映像コンテンツなどにも進出し、より多くの方がNintendoのキャラクターやゲームに触れることにより、ブランド価値の向上を図ろうとしている。「娯楽は他と違うからこそ価値がある」という「独創」の精神のもと、お客様に驚きを与える商品やサービスを提供している。

【評価対象基準】
 同ランキングはグローバルな事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするもので、その上位100ブランドを公表している。その評価対象として、以下の基準を満たす企業・商品を抽出し、評価をした。
• 主要基盤地域 (Home Region) 以外での売上高比率が30%以上であること
• 北米・欧州・アジア地域で相応のプレゼンスがあり、新興国も幅広くカバーしていること
• ブランドの財務的評価を実施するために必要な各種財務情報が公表されていること
• 資本コストを織り込んだ経済的利益 (Economic Profit) が長期的にポジティブであること
• 主要基盤地域のみならず、世界の主要な国々で、一般に広く認知されていること
• ブランドが顧客の購買行動に影響を与えていること
 
 
 

 

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