1万人を対象に調査、生活満足度は45~59歳が最も低い結果となった、一方で60歳以上が最も高い結果に―内閣府

2019年5月29日 11時10分更新


 内閣府は、全国のおよそ1万人を対象に、今の生活にどの程度、満足しているか尋ねたところ、45歳から59歳までの人がほかの年代に比べて最も満足度が低く、その一方で、60歳以上の人が最も高いという調査結果を発表した。この調査は、内閣府がことし1月から2月にかけて初めて行ったもので、インターネットを通じて、全国の15歳から89歳までの男女1万人余りから回答を得た。

 この中で、「いまの生活にどの程度満足しているか」について、10点満点で点数をつけてもらったところ、全体の平均は5.89点だった。年代別にみると、59歳までは年齢が上がるにつれて、平均の満足度が低下し、45歳から59歳までの年代は、5.41点で、満足度が最も低い結果となった一方で、60歳以上になると、一転して上昇し、6.36点と、満足度が最も高くなった。

 性別で見ると、女性の方が男性よりも総合主観満足度が高いことがわかる。「45 歳~59 歳」までは男女ともに年齢とともに、総合主観満足度が低下していくが、「60歳以上」になると急激に上昇する。
◆性別×年齢別の総合主観満足度
性別×年齢

 世帯年収別では、「山型」となる。世帯年収が「2000 万円~3000 万円」までは年収の上昇に応じて総合主観満足度が高まるが、ここで頭打ちし、それ以上の年収があっても、総合主観満足度はゆるやかに逓減する。特に、年収 300 万円を境に総合主観満足度が約 0.5 ポイント上昇するなど、それ以降の年収の増加と満足度に比して大きく上昇する。客観指標(国民生活基礎調査の平均所得金額)では、年収が「100 万円~300 万円」、今回のSRC調査では「300 万円~500万円」であると回答する所得層をピークとする人口構造となっている。

◆世帯年収別の総合主観満足度
世帯収入満足度

◆世帯年収別の人口構造(SRC調査と国民生活基礎調査)
世帯年収別人口構造

 また、「同居する親族以外に頼りになる人が何人いるか」を尋ねたところ、「5人以上」と答えた人は、世帯年収が100万円未満でも満足度は6.2点だった一方、「いない、または1人」で、世帯年収が1000万円以上の人は5.89点で、収入が低くても頼りになる人が多ければ満足度が比較的高い傾向がうかがえる。

【「満足度・生活の質に関する調査」の調査体制と概要】
(1)調査体制
 内閣府では、2018年9月に㈱サーベイリサーチセンターへの業務委託を行い、SRCの下で、「満足度・生活の質指標群に関する研究会」を立ち上げ、約 1 万人規模の WEB 調査(満足度・生活の質に関する調査)を行った。

・目的 総合的な主観的満足度及び分野別満足度を調査し、客観指標との関係性を明らかにする。
・調査方法 WEB 調査
・対象者 日本国内に住む 15 歳~89 歳のインターネットパネル登録モニター
・回収数 10,293 件(約 1 万件と設定し、下段の割当数の算定において端数処理を行った結果、10,293 件とした)
回収数の割当※ 地区別、性別、年齢階層別に割当を実施した。
※割当にあたっては、母集団をできるだけ反映するとともに、都道府県別結果の標準誤差を抑えるため、均等割当と人口比に応じた割当を組み合せた。
○地域区分:47 都道府県に 7050 件を均等割当し、3243 件を人口比に応じて割当
(1 県当たり 169~477 件:均等 150 件+人口比 19~327 件)
○性別区分:47 都道府県に男女各 3525 件を均等割当し、3243 件を人口比に応じて割当
①男性(1 県当たり 84~235 件:均等 75 件+人口比 9~160 件)
②女性(1 県当たり 85~242 件:均等 75 件+人口比 10~167 件)
○年代区分:①15~24 歳(1 県当たり 32~68 件:均等男女各 15 件+人口比男女計 2~38 件)
②25~34 歳(1 県当たり 32~82 件:均等男女各 15 件+人口比男女計 2~52 件)
③35~44 歳(1 県当たり 34~91 件:均等男女各 15 件+人口比男女計 4~61 件)
④45~59 歳(1 県当たり 34~105 件:均等男女各 15 件+人口比男女計 4~75 件)
⑤60~89 歳(1 県当たり 37~131 件:均等男女各 15 件+人口比男女計 7~101 件)
調査期間 平成 31 年1月 25 日~2 月 7 日

 内閣府は、これらの結果の背景について分析を進め、政策運営に生かしていきたいとしている。
 
 
 

 

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