KDDI高橋社長、ドコモ料金値下げへの追従否定「我々は分離プランのトップランナー」
2018年11月2日 12時22分更新
KDDIは11月1日、2018年度第2四半期(4月~9月)の決算説明会を開催した。連結売上高は前年同期比2%増の2兆4622億円、営業利益は同3%増の5611億円となった。auピタットプランとauフラットプラン導入によりモバイル通信料収入が減少したものの、UQモバイルなど傘下のMVNOが好調に推移した。また、端末販売収入の増加に加え、「au経済圏」の最大化に向けたエネルギー事業、「Wowma!」「au WALLET Market」、決済事業などのライフデザイン事業の拡大による収入増、ミャンマー通信事業の収入増などが業績を押し上げた。
なお、19年3月期通期業績は従来予想を据え置いた。売上高は前期比2%増の5兆1500億円、純利益は同8%増の6200億円を見込むとしている。
決算説明会ではあわせて、楽天と、決済・物流・通信ネットワークの分野で保有する資産の相互利用について提携・協業に合意したことも発表された。
決済サービス分野における提携では、楽天は「楽天ペイ」をはじめとした決済プラットフォームや加盟店網をKDDIへ提供するとのこと。これにより、KDDIは楽天グループが直接契約している全国約120万箇所の加盟店等を活かし、スマホ決済サービス「au PAY」を2019年4月より順次開始する。
物流サービス分野における提携では、KDDIが運営する総合ショッピングモール「Wowma!」に対して、楽天の物流サービスを2019年4月より順次提供し、楽天が推進する「ワンデリバリー」構想を共に進めていくという。
通信ネットワーク分野における提携では、KDDIは、楽天が来年10月より開始予定の第4世代移動通信サービス (LTE通信サービス) に対してローミング協定を締結し、通信ネットワークを提供する。提供期間は2026年3月末までと定め、その期間内に楽天は自前での全国ネットワーク建設を進め、完成した地域から順次、自前ネットワークへ切り替えを行っていくとのこと。ローミング予定エリアは、東京23区、大阪市、名古屋市を除く全国エリアとされている。
KDDIの高橋社長は、楽天との提携に至った経緯について問われ、「今年になってから楽天からローミングの申し入れがあった。楽天はドコモやソフトバンクにも申し入れしていたと思う。提供するか悩んだが、もし我々が拒否したとしても、放っておいてもどこかが受け入れるだろうし、楽天と協議を進めた結果、お互いに条件面で納得できたので合意した。混雑エリアは提供しないので、大きな追加投資なしにローミング収入を得ることができる。中期の持続的成長にプラスになると思って提携した」と説明した。
また、質疑応答では、10月31日にドコモの吉澤和弘社長が「料金プランを見直し2~4割程度値下げする」と発言したことに対する質問も飛んだ。この件について、高橋社長は、「われわれは1年半前からすでに分離モデルを導入している。それによりお客様へ3000億円超の還元はできたと考えている。われわれは分離プランのトップランナーとしてやってきた。ドコモとはフェーズが違う。ドコモの料金値下げの話が出て『他社も追随するか』という報道が出ているが、われわれは既に対応してきた」と語り、ドコモの新料金プランへの追従を否定した。