混雑するイベント会場で繋がりやすい携帯キャリアは”ほぼ”ソフトバンク、それぞれの指標で強み―ICT総研調べ

2018年8月27日 12時07分更新


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 ICT総研は、ネットワーク混雑環境における動画視聴品質の実態を把握することを目的として、混雑環境におけるスマートフォン動画視聴品質調査を実施し、その結果を発表した。
 同調査では、ネットワークが混雑している状況という点を重視し、東京、名古屋、大阪の主要な待ち合わせ場所15地点および音楽フェスや花火大会など一時的に人が密集するイベント5地点を選定。東名阪の待ち合わせ場所については、昼の混雑時間帯(11:30~13:30)または夕方の混雑時間帯(17:00~19:00)に限定し、調査を行っている。
 
 同社は昨年、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクのMNO 3事業者およびMVNO 5事業者を調査対象として、1事業者あたり10台の端末を同時に接続するという形で同様の調査を実施している(ICT総研「2017年9月 混雑環境におけるスマートフォン動画視聴品質調査」)。
しかし、今回は対象をMNOの3事業者に絞り、さらに1事業者あたり20台の端末を同時接続させるという、より厳しい環境下で調査を実施している。
 
 なお、調査用端末にはMNO各事業者のiPhone 8を利用。動画視聴品質の測定には、同社が調査用に作成した動画(4Kの解像度で120秒間)を使用している。調査期間は、8月3日から19日まで。
 
 

動画再生までにかかった時間は3社平均 2.5秒、ソフトバンクが2.1秒でやや優勢

 動画視聴品質の実態について、今回の調査では、「動画再生成功割合」、「動画再生開始待機時間」、「動画再生停止時間割合」、「動画ダウンロード所要時間」の4つの指標で比較している。
 まず、「動画再生成功割合」については、昨年の調査結果と同様、MNO 3事業者ともに東京と名古屋と大阪の15地点、全ての端末で動画の再生に成功し、動画再生成功率100%を記録している。
 次に、動画再生ボタンを押してから実際に動画の再生が開始されるまでにかかった「動画再生開始待機時間」では、東名阪15地点平均において、ソフトバンクが2.1秒でトップを獲得。auが2.5秒、NTTドコモが2.9秒となった。地域別に見ると、東京エリアにおいて3社の差が最も小さくなっている。
 東名阪15地点でのMNO 3事業者平均は2.5秒となり、昨年の2.4秒と比べてほぼ等しいが、ソフトバンクは昨年より改善し、NTTドコモは昨年より悪化する結果となった。
 
表1.動画視聴品質調査2018
 
 

再生中に動画が停止した割合、3社平均 2.0%、NTTドコモが昨年よりやや悪化

 次に、動画再生ボタンを押してから実際に動画の再生が開始されるまでの待機時間と、動画再生中に停止していた時間の合計である「動画再生停止時間」では、ソフトバンクが1.7%、auが2.0%、NTTドコモが2.3%となった。ソフトバンクは昨年調査(1.9%)よりも改善し、auは昨年調査(2.0%)と同等だったが、NTTドコモは昨年調査(2.0%)よりもやや悪化している。
 
表2.動画視聴品質調査2018
 
 

動画のダウンロード完了までにかかった時間、3社平均 9.7秒、auが8.3秒でやや優勢

 最後に、実際に動画再生が開始されてから、ダウンロードバーが完了の位置に移動するまでにかかった所要秒数を計測した「動画ダウンロード所要時間」では、東名阪15地点平均において、auが8.3秒でトップとなり、ソフトバンクが8.7秒で続いた。NTTドコモは12.1秒と、差を付けられている。NTTドコモは、特に東京エリアで平均15.4秒と苦戦した。
 MNO3事業者平均は9.7秒であり、昨年調査の6.2秒と比較してスコアを落としている。昨年調査ではMNO3事業者間で差は見られなかったが、今回調査では異なる傾向を示す結果となった。
 
表3.動画視聴品質調査2018
 
 

一時的に人が密集するイベント会場では、ソフトバンクがそれぞれの指標で強み

 今年新たに測定地点として追加された音楽フェスや花火大会などのイベント会場 5地点における測定では、「動画再生成功割合」はソフトバンクとauが96.0%で同率トップ、「動画再生開始待機時間」、「動画再生停止時間割合」、「動画ダウンロード所要時間」はそれぞれソフトバンクがトップとなった。
 「動画再生開始待機時間」はソフトバンクが2.8秒なのに対してNTTドコモは96秒、「動画再生停止時間割合」はソフトバンク 2.3%に対してNTTドコモ 18.2%、「動画ダウンロード所要時間」はソフトバンク 8.8秒に対してNTTドコモ 121.4秒となり、NTTドコモが大きく引き離される構図となった。これは「長岡まつり大花火大会」や「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」の結果が非常に悪かったことが要因となっており、一時的に人が密集するイベント会場では、大都市の主要な待ち合わせ場所以上に、局地的に激しいネットワーク混雑が起きている様子が読み取れる結果となった。 
 
表4-1.動画視聴品質調査2018
表4-2.動画視聴品質調査2018
 
 
 1事業者あたり10台同時接続を行った昨年の調査では、MNO 3事業者に大きな差異は見られなかった。だが、今回の調査では、1事業者あたり20台同時接続としたことや、イベント会場を測定地点として追加したことで、MNO 3事業者にも確実に差異が見られる結果となった。
 また、併せて実施されたRBB SPEED TESTによる通信速度の測定では、東名阪において、ソフトバンクが下り10.0Mbps、auが下り9.1Mbps、NTTドコモが下り8.8Mbpsの順となり、3事業者の下り平均は9.3Mbpsと、前回調査(平均12.5Mbps)を下回る結果となった。
 ICT総研は、今回の調査結果を受け、「各社が最大数百Mbpsの下り通信速度を謳っているものの、今回調査のように混雑地点・混雑時間帯での20台同時接続という厳しい条件下では、なかなかその実力を発揮できないものと見られる」と分析している。
 
表5.動画視聴品質調査2018
 
 
 

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