ギフトの購入方法、最もおすすめ度が高いのは「インターネット・EC」!―Emotion Tech
2018年7月30日 12時11分更新
株式会社Emotion Techは、大日本印刷株式会社と共同で、お中元・お歳暮を含むギフトの購入方法に関するNPS調査を実施し、NPSとカスタマージャーニーを用いた分析を行った。
同調査では例年ギフト(お中元・サマーギフト・お歳暮・ウィンターギフト)を購入している方に対し、ギフトを購入する際に「インターネット・EC」「百貨店・デパート」「カタログ通販」「スーパー」のうちどの方法で購入したかを調査し、購入方法に対するNet Promoter Scoreを計測した。
■調査の概要
・対象者:20代以上の男女
・実査期間:2018/06/08~2018/06/11
・回答取得方法:インターネット会員への調査
・回答数:1,200件
同調査では、購入方法に対するNPSが、
①顧客の消費行動とどのような関係性があるか(NPSとの収益性の検証)
②購入方法に対するNPSを向上させるために、改善すべき顧客体験は何か
③各購入方法において改善すべき顧客体験がどのように異なるか、について分析を行った。
②③についてはカスタマージャーニーマップを用いた分析を行っているため、「顧客体験を改善すべき最適なタイミング」についても明確な示唆を得ている。
■購入方法に対するNPSと消費行動の関係について
・購入方法に対するNPSの計測について
ギフト購入者に対し、「〇〇(購入方法)でギフトを購入することを、親しい友人や知人にどの程度すすめたいと思いますか?」という質問を行い、0~10点の11段階で回答を得た。NPSは10~9点をつけた人(推奨者)の割合から6点以下をつけた人(批判者)の割合を引いた数値のことを指す。
・NPSが高いほど、購入頻度が高く、かつ購入単価が高いことが判明
今回の調査では、購入方法のNPSに加えて「どの程度利用しているか」、「ギフトの購入金額はどの程度か」について回答を得たが、それぞれ下図の通りNPSとの関係性が見られた。
推奨度を4以下の回答をした人が「毎回必ずその購入方法を利用する」と答えた割合は22%程度、購入単価の平均も「4,479円」程度にとどまったが、推奨度を10と回答した人は49%が毎回同じ購入方法を利用しており、かつ購買単価が「6,841円」であることが回答結果から判明した。つまり、購入方法に対する推奨度が高くなるにつれ、利用者はその購入方法を選択する頻度が上がり、かつ利用金額が増えることを意味している。
批判者(6点以下)と推奨者(9点以上)では購入頻度・購入単価が大きく異なり、結果として推奨者は批判者の約1.5倍の収益貢献度合いがあることがわかった。
■NPSを向上させるために改善すべき顧客体験について
NPS及びカスタマージャーニーマップを用いて、「どの顧客体験を改善すべきか」についての分析を行った。
青線は顧客体験がNPSに対してどの程度影響しているか、つまりNPSを構成する様々な顧客体験の中で「どの程度重要な体験か」を数値で示している。今回は「口コミや評判」がNPSの向上・低下において最も重要な体験であることが示唆された。
一方、赤線は現状、各顧客体験がNPSを「どの程度向上・低下させているか」を示している。今回は「口コミや評判」が最もNPSを低下させており、「購入した商品自体の魅力」が最もNPSを向上させていることがわかった。
さらに、青線(重要度)と赤線(向上・低下度合い)を重ねることで「重要だがNPSを引き下げている体験」、つまり改善効果が大きい顧客体験を明らかにしている。今回の調査では「口コミや評判」が最も改善効果が大きい顧客体験であると考えられる。
■各購入方法におけるNPS改善要因とは?
購入方法ごとのNPSは「インターネット・EC」が-20と最も高く、百貨店・デパート、カタログ通販、スーパーの順に続く形となった。(各回答数は300)
前述では、ギフト購入者全体での分析を行ったが、各購入方法において改善すべき顧客体験を明確にすべく、購入方法毎の分析を行った。
〇インターネット・ECのカスタマージャーニーマップ
NPSが最も高かったインターネット・ECのカスタマージャーニーマップは下記の図の通りとなった。
「セールやクーポンの割引」が重要かつNPSを低下させている、つまり最も改善効果が大きい一方、重要な顧客体験である「購入した商品自体の魅力」「注文のしやすさ、手軽さ」についてはNPSを向上させられていることがわかった。
〇百貨店のカスタマージャーニーマップ
改善効果の大きい要因は「商品種類の多さ」「お店のブランドや雰囲気」であることがわかった。インターネット・ECに比べると重要な顧客体験においてあまりNPSを向上させられていないことがわかる。
さらに、特に改善効果が大きい「商品種類の多さ」について分析を行ったところ、下記図の通りの結果となった。
「商品種類の多さ」がNPSを引き下げている要因としては、「商品価格帯の多さ」が最もマイナスに影響している。つまり、百貨店・デパートにおいてはギフトの商品価格帯が限定されており、顧客のニーズを満たしきれていないと考えることができる。
■調査結果
・購入方法への推奨度が高いほど、顧客の購入頻度・購入単価が高くなる。特に推奨者は批判者と比べ、約1.5倍の収益貢献度を持つ。
・ギフト業界全体においては、「口コミや評判」によってNPSが大きく左右される一方、口コミや評判が悪いためにNPSが下がっている企業が多い傾向がある。
・「インターネット・EC」に対するNPSが最も高く、ついで「百貨店・デパート」であった。「百貨店・デパート」のNPS向上には「商品種類の多さ」を改善することの効果が最も大きく、特に「商品価格帯」を広くすることによる改善効果が大きいと考えられる。