電力とガスの自由化、消費者にメリット伝わらず苦戦!電通「第6回エネルギー自由化に関する生活者意識調査」

2018年3月30日 15時49分更新


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 電通は、今年4月の電力小売り全面自由化2周年、ガス小売り全面自由化1周年に先駆け、2017年12月に全国20~69歳の男女5,600名を対象に、「第6回エネルギー自由化に関する生活者意識調査」を実施した。
 電力・ガス小売り自由化に伴う生活者の意識や理解状況、また購入先変更意向や実施状況など、市場の課題を浮き彫りにする結果となっている。
 
 
 まず、電力自由化について認知度を聞いたところ、「内容まで知っている」25.1%(前回24.6%)、「内容はわからないが、自由化されたことは確かに知っている」51.7%(前回52.3%)、「見聞きしたことがある」15.4%(前回14.7%)という結果となった。全体の92.3%(前回91.6%)が電力自由化の存在を認知している結果となり、認知は高止まりの状態といえる。
 一方、ガス自由化についての認知度は、「内容まで知っている」15.2%(前回16.1%)、「内容はわからないが、自由化されたことは確かに知っている」39.7%(前回41.7%)、「見聞きしたことがある」22.5%(前回22.3%)となり、合わせて77.4%(前回80.1%)と未だ拡大の余地が残っているようだ。
 また、自由化を認知している人(認知計)と「内容まで知っている」人との間には、電力で67ポイント、ガスで62ポイントの開きが存在しており、自由化に関する理解の伸び悩みがうかがえる。
 
 
 続いて、電力の購入先の変更意向を聞いたところ、「すぐにでも変更したい」1.1%、「変更する方向で検討したい」6.9%、「検討するが、変更するかどうかはわからない」39.6%となり、合わせて47.7%と前回から1.2ポイント増加するも依然として半数を下回っている。
 また、ガスの購入先変更意向は、「すぐにでも変更したい」0.7%、「変更する方向で検討したい」6.9%、「検討するが、変更するかどうかはわからない」37.2%、合わせて44.8%と前回から2.1ポイント下落し、こちらも半数を下回った。
 購入先を変更しておらず、かつ変更の意向がない人に対してその理由を尋ねたところ、上位の回答は「変更の手続きが面倒 大変そう」(電力27.6%、ガス23.0%)のほかに、今まで通り慣れている会社の方がよい」(電力27.1%、ガス25.0%)、「現在と比べて安くならない」(電力24.9%、ガス22.1%)、「メリットがよくわからない」(電力24.8%、ガス22.1%)、「変更することに不安」(電力23.1%、ガス21.2%)、「変更することで損をしたくない」(電力22.9%、ガス21.5%)などが挙がった。経済性は意識しつつも、電気・ガスともにこれまでの生活スタイルを変えることに対する懸念や心配とともに、現状のままをよしとする意向が強くうかがえる。
 
 
 では、電力やガスの購入先に何を求めているのだろうか。サービスに期待することを聞いたところ、「料金の安さ」68.2%、「他社よりもオトク」34.1%、「ポイントが充実」15.2%といった”経済性”を強く求める一方で、「事故・トラブル時の対応」40.9%、「日常のメンテナンス」36.7%、「手続きが簡単」29.6%、「サービス対応」24.7%などの”顧客対応”や、「契約内容がわかりやすい」38.2%といった”簡潔・明瞭さ”、「供給が安定」41.8%、「知名度があり信頼できる」33.5%といった”信用・安心”を求める声が高い結果となった。
 
 市場を活性化することで競争が激化し、料金が安くなることは消費者として歓迎したい。しかし、自由化といっても「乗り換えのメリットが感じにくい…」というのが正直なところではないだろうか。とくに、事業者にとってガスは電力以上に参入障壁が高く、まだまだ販売業者も少ないのが現状だ。
 多くの消費者にその仕組みやメリットが伝わるにはまだまだ時間がかかりそうで、改革は道半ばといったところか。
  
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■調査概要
・調査手法: インターネット調査
・調査機関: 株式会社電通マクロミルインサイト
・調査時期: 2017年12月22日~12月27日
・エリア: 9電力会社管内(沖縄電力管内を除く)
・対象者: 全国20~69歳の男女5,600名
・対象者条件: 世帯主もしくは世帯主の配偶者で、自分または配偶者が電気料金を支払っている方
 
 
 

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