34業種410企業、顧客満足度を総まとめ!2017年度日本版顧客満足度指数年間発表-JCSI

2018年3月29日 14時23分更新


 サービス産業生産性協議会は、2017年度「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」調査にて調査・分析を行った全34業種410企業もしくはブランド(以下企業・ブランド)の結果を取りまとめ、発表した。

 主な調査結果は以下のとおり
● 企業・ブランド総合順位:宝塚歌劇団が2年連続の総合第1位。知覚価値も1位。
第1位:「宝塚歌劇団」(エンタテインメント業種1位)
第2位:「劇団四季」(エンタテインメント業種2位)
第3位:「ヨドバシ.com」(通信販売業種1位)
第4位:「帝国ホテル」(シティホテル業種1位)
第5位:「レクサス店」(自動車販売店業種1位)

● 業種比較結果:旅行をはじめ、非日常のサービスを中心に高評価。
第1位:旅行
第2位:シティホテル・エンタテインメント・住設機器サービス

 この調査は、統計的な収集方法による総計12万人の利用者からの回答をもとに実施する日本最大級の顧客満足度調査で、業種・業態(以下業種)横断での比較・分析ができ、かつ、6つの指標で顧客満足の構造とポジショニングがチェック可能。本年度は年6回に分けて調査を実施。「顧客の評価を起点とした業種を超えた競争」を促すことで、より高い付加価値や顧客満足を高める経営が日本全体に広がり、日本企業の成長と国際競争力の強化に役立つことを狙いとし、2009年度から発表を行っている。

【2017年度調査 総合比較】

1.業種別の顧客満足比較
 2017年度に実施した34業種の「顧客満足」は、下図の通りに分布。各業種の状況を示す「中央値(➤)」で比較すると、「旅行」「シティホテル」「エンタテインメント」「住設機器サービス」の4業種が高い評価となっている。また、各業種の顧客満足最高点で比較すると、「エンタテインメント」「通信販売」「シティホテル」「自動車販売店」の順に高くなっている。

JCSIグラフ1

[図表の見方]
・棒グラフの上端には業種内で最も顧客満足が高かった企業が位置し、下端には最も顧客満足が低かった企業が位置する。棒グラフの長さは、業種内での各企業の評価の範囲を示す。
・中央値(➤)は、各業種の中での順位が中央に位置する企業の顧客満足を示す(業種内の企業数が7社であれば4番目、8社であれば4番目と5番目の中間が中央値)。異なる業種間で顧客満足を比較する際には、この中央値が比較対象の基準になる。
・2017年度は、年6回に分けて調査を実施。

2.顧客満足上位51企業・ブランド
 2017年度に調査を行った30業種の正規調査対象企業353 社の中で、「顧客満足」が高く評価された上位49位51社。旅行業種の企業・ブランドが9社ランクインし、最も多くなった。
JCSIグラフ2-1 JCSIグラフ2-2

3.6指標の上位企業・ブランド
 JCSIで指数化する6つの各指標における上位企業・ブランドは以下の通り。

[顧客期待:企業・ブランドへの期待]
 サービスを利用する際に、利用者が事前に持っている企業・ブランドの印象や期待・予想を示す。
JCSIグラフ3-1

[知覚品質:全体的な品質評価]
 実際にサービスを利用した際に感じる、品質への評価を示す。
JCSIグラフ3-2

[知覚価値:コスト・パフォーマンス]
 受けたサービスの品質と価格とを対比して、利用者が感じる納得感、コストパフォーマンスを示す。
JCSIグラフ3-3

[顧客満足]
 利用して感じた満足の度合いを示す。
JCSIグラフ4-1

[推奨意向:他者への推奨意向]
 利用したサービスの内容について、肯定的に人に伝えるかどうかを示す。
JCSIグラフ4-2

[ロイヤルティ:将来の再利用意向]
 今後もそのサービスを使い続けたいか、もっと頻繁に使いたいかなどの再利用意向を示す。
JCSIグラフ4-3

4.3ヶ年の各業種の顧客満足1位企業・ブランド
 2015~2017年度の調査における各業種・業態の顧客満足1位企業・ブランドは以下の通り。

JCSIグラフ5-1 JCSIグラフ5-2

5.感情指標の上位企業・ブランド
 JCSI調査では、6指標の算出に用いる21設問のほかに、計100問程度の設問で、各企業・ブランドを多面的に調査している。ここではそのうち、感情指標(感動指標、失望指標)で良い評価を受けた企業を紹介。

[感動指標:感動に関する経験]
 「該当企業・ブランドを利用した際に感動や驚くような経験をどの程度したか」によって算出される指標。指標が高いほど「感動経験が多い」ため、良い評価となる。
エンタテインメントが上位を占め、旅行も多くの企業・ブランドがランクインした。
JCSIグラフ6

[失望指標:失望に関する経験]
 「該当企業・ブランドを利用した際に幻滅・がっかりするような経験をどの程度したか」によって算出される指標。指標は高いほど失望経験が多く悪い評価になる。逆に、低い(経験が少ない)ほど良い評価になる。
多くの通信販売の企業・ブランドがランクインしている。
JCSIグラフ7

6.利用者から見たCSR指標の上位企業・ブランド
 JCSI調査で6指標と別に調査しているCSR指標の上位10社・ブランドを紹介。エンタテインメント・住設機器サービス業種から各3企業・ブランドがランクインし、最も多くなった。

JCSIグラフ8

7.顧客満足評価が高い参考調査企業・ブランド
 2017年度調査の参考調査対象のうち、顧客満足が業種中央値を上回った企業・ブランドは以下の通り。参考調査対象全33企業・ブランドのうち、13企業・ブランドが業種中央値以上となっている。

JCSIグラフ9

【調査方法】
 インターネット・モニターを用いた調査 (2段階にて回答者を抽出)
(1)第1次抽出: 調査会社のモニターを用いて、性別、年齢別、地域別の人口構成に配慮した形で約17~22万人より利用経験の有無についての回答を得た。
(2)第2次抽出:上記の第1次抽出の回答が選定条件に当てはまる方から無作為に抽出した各対象420~740人程度に、サービスに対する具体的な評価について回答を依頼。回答依頼は1人につき1企業・ブランドのみとしている。

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