ポータル系アプリの利用者満足度1位は「スマートニュース」、新聞系1位は「日経新聞電子版」―ICT総研調査

2017年3月3日 11時02分更新

表1.モバイルニュースアプリ/モバイルWebニュース利用者数
表1.モバイルニュースアプリ/モバイルWebニュース利用者数

表2.モバイルニュースアプリの利用率
表2.モバイルニュースアプリの利用率

表3.モバイルニュースアプリの満足度
表3.モバイルニュースアプリの満足度

表4.男性比率・女性比率の高いニュースアプリ・トップ3
表4.男性比率・女性比率の高いニュースアプリ・トップ3

 株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は3月3日、2017年 モバイルニュースアプリ市場動向に関する調査結果をまとめた。同調査は、ニュースサイト運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,411人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析している。
 

ニュースアプリの利用者は2016年度末に4,093万人、2019年度末には5,410万人へ

 スマートフォン、タブレット端末などの普及に伴い、モバイルニュースアプリの利用者が急拡大している。新聞・雑誌などの紙媒体から、パソコン上でのニュースサイト閲覧へと利用者が移行し、現在ではモバイル端末上でのニュースコンテンツ利用が主流となってきたようである。
 
表1.モバイルニュースアプリ
 
 日本国内におけるモバイルニュースアプリの利用者数(アクティブユーザー数)は2013年度末に1,294万人だったが、2014年度末には2,264万人、2015年度末に3,378万人と増加が続いており、2016年度末(2017年3月末)には4,093万人に拡大する見通し。今後は伸び率こそ落ち着くものの順調に増加を続け、2017年度末 4,0675万人、2018年度末 5,114万人、そして2019年度末には 5,410万人がモバイルニュースアプリを中心としてニュースコンテンツを利用するものとICT総研は予測する。
 従前は、モバイル端末上でニュースを見るユーザーの多くは、ニュースアプリではなくインターネットブラウザ上のニュースサイトを利用するケースが圧倒的であった。今後もブラウザ上のニュースサイトでニュースを閲覧するユーザーは3,000万人以上の規模で安定して推移すると見込まれるが、ニュースアプリの利用者数は増加を続け、これを上回る利用者規模で成長を続けている。
 

利用率1位はYahoo!で25.8%、LINE NEWSが前年比倍増の21.8%で2位に浮上

 ICT総研では2017年2月13~21日にモバイルニュースアプリの利用実態について、インターネットユーザー 4,411人にWebアンケート調査を実施した。その結果、「1年以内にニュースアプリを利用したことがある」とした回答者は52.4%を占め、その中で「1ヶ月以内に利用した」という回答者は9割近くに達した。多くの利用者が頻繁にモバイルニュースアプリを利用するアクティブユーザーであると思われる。
 アンケート回答者の中で主に利用されているポータル系ニュースアプリは、Yahoo!ニュース(アプリ版)が25.8%でトップとなった。利用率2位はLINE NEWS(21.8%)、以下スマートニュース(14.4%)、グノシー(11.7%)、Googleニュース(9.3%)と続いた。
 
表2.モバイルニュースアプリ
 
 前回調査(参考:「2016年 モバイルニュースアプリ市場動向調査(ICT総研)」)と比較するとYahoo!ニュース、スマートニュース、グノシーの利用率はいずれも微増だったが、LINE NEWSの利用率が11.6%から21.8%へと急増した。
 新聞系ニュースアプリでは、朝日新聞デジタルが最も多く、5.9%の利用率となった。次いで日経新聞電子版が5.3%、産経電子版、読売プレミアム、毎日新聞ニュースが3%台で続いている。
 

ポータル系アプリの利用者満足度1位はスマートニュース、新聞系1位は日経新聞電子版

 モバイルニュースアプリの利用者に対して、満足度を聞いたところ、ポータル系アプリの利用者満足度1位はスマートニュースで78.1ポイントとなった。僅差の2位はYahoo!ニュースで77.9ポイント、以下Googleニュース(77.2ポイント)、LINE NEWS(76.8ポイント)、グノシー(73.0ポイント)と続いている。
 新聞系アプリ利用者の満足度評価では、日経新聞電子版が79.9ポイントで1位となった。無料サービスが充実している産経電子版が2位で75.8ポイント、以下毎日新聞ニュース(75.2ポイント)、読売プレミアム(74.6ポイント)、朝日新聞デジタル(73.6ポイント)と続く。
 
表3.モバイルニュースアプリ
 

日経新聞電子版の利用者に占める男性比率は77.5%、LINE NEWSは57.1%が女性利用者

 モバイルニュースアプリの多くはターゲット層が異なるため、利用者の男性比率・女性比率にも違いが見られる。ニュースアプリ利用者の性別を分類したところ、男性比率が最も高かったのは日経新聞電子版で77.5%が男性利用者であった。産経電子版の男性比率も70.7%と高く、Yahoo!ニュースの男性比率は65.6%であった。
 逆に女性比率が最も高かったのはLINE NEWSで57.1%、次いでグノシー42.5%、毎日新聞ニュース42.4%となっている。女性比率の高いLINE NEWSは全体の利用者数も昨年と比べて大きく伸びており、女性利用者の獲得が利用者増大のためには不可欠と言えそうである。
 また、LINE NEWSや、グノシー、スマートニュースは20代の利用者が多いのに対して、Yahoo!ニュースは40代以上の利用者が多い傾向にある。
 新聞系アプリでは、日経新聞電子版と産経電子版の利用者は50代がメインユーザーとなっているが、朝日・読売・毎日の利用者は20代が多いという特徴が見られる。これまで若年層の新聞離れが指摘されてきたが、スマートフォンなどのモバイルアプリを通じて新聞記事を読む10代・20代の利用者は意外に多く、新聞記事などのニュースコンテンツ自体は以前にも増してニーズが高まっていると言えそうである。
 
表4.モバイルニュースアプリ
 
 ICT総研は、今回の調査結果を受けて、「新聞・雑誌記事などを横断的に読むことのできるアプリやサービスも普及しており、様々な形でニュースコンテンツ利用者が増えていくことになるだろう」と分析している。
 
関連リンク:2017年 モバイルニュースアプリ市場動向調査(ICT総研)
  
 

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