定額制音楽配信サービスの顧客満足度トップ3はApple Music、レコチョク Best、Spotify――ICT総研調査
2017年2月8日 13時37分更新
4.定額制音楽配信サービスの顧客満足度
1.定額制動画配信サービス利用者数需要予測表
2.定額制音楽配信サービスの利用率表
表3.定額制音楽配信サービスの利用サービス名表
表5.定額制音楽配信サービスの満足理由
株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は2月8日、「2017年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」の概要をまとめた。
定額制音楽配信サービス利用者数は2016年末1,420万人、2018年末に2,000万人を突破
日本における音楽配信サービスは1990年代に一部のサイトで実験的に始まり、その後2000年代に入って携帯電話向けに「着うた」などのサービスが普及しユーザーに浸透してきた。2013年頃からレコチョクBest、KKBOXといった定額制サービスが開始され、さらに2015年になるとアップルミュージック、LINE MUSIC、Google Play Musicといった大手事業者によるサービスも開始され一気に普及し始めた。2016年には海外で多くのユーザーを抱えるSpotifyも参入し大手事業者のサービスも出揃った感がある。
ICT総研では、音楽サービスの主流となりつつある定額制音楽配信サービスの市場動向について調査を行い、現在の市場規模を推計した。ICT総研の需要予測では、2016年末時点で日本国内の定額制音楽配信サービスの利用者数は約1,420万人と推計される。
1,420万人の利用者のうち毎月一定額の料金が発生する有料サービス利用者数は690万人、無料のお試しサービスなどを利用中の無料サービス利用者数は730万人となる。また、2017年末の時点では有料サービス860万人、無料サービス960万人で1,820万人に達する見込みだ。さらに2018年末には有料・無料サービス合計で2,020万人、2019年末には2,230万人へと急速に成長すると予測される。
定額制音楽配信サービスの有料サービス利用率は8.5%、無料サービス利用率は9.9%
ICT総研が2017年1月に実施したWebアンケート調査の結果では、定額制音楽配信有料サービス利用者は374人(8.5%)、無料サービス利用者は436人(9.9%)であった。Webアンケートを実施した4,413人のうち18.4%にあたる810人が有料または無料の定額制音楽配信サービスを利用していることがわかる。前回の調査と比較して有料、無料サービスともに利用率が向上する結果となった。定額制音楽配信サービスのうち有料サービスでは20代~30代の利用率が最も高く、無料サービスでは10代~20代の利用率が高い傾向が見られる。総じて年齢層が高くなるほど音楽配信サービスの利用率は低下する傾向が見られ、現時点では10〜30代が音楽配信サービス市場を支えていると言えそうだ。
利用者数トップはApple Music、以下LINE MUSIC、Amazon Prime Musicが続く
アンケート調査の結果では、Apple Musicの利用者が最も多く298人だった。2位はLINE MUSICで234人、さらにAmazon Prime Musicが191人、Google Play Musicが140人、AWA 137人、Spotify87人、dヒッツ83人、レコチョクBest71人と続く。海外事業者のサービスが高いシェアを維持しており、新規参入のSpotifyも急伸している。LINE MUSIC、AWA、dヒッツ(NTTドコモ)、レコチョクBest、うたパス(KDDI)などの国内事業者が販売するサービスは、Apple MusicやGoogle Play Musicよりも先に日本で開始されていたが、AppleとGoogle、Amazonなどが一昨年からサービスを開始したことで利用者が激増し、一気に市場が伸び始めたようだ。
顧客満足度トップ3は、Apple Music、レコチョク Best、Spotify
Webアンケートの顧客満足度調査結果では、Apple Musicが76.1ポイントで1位、レコチョクBestが75.6ポイントで2位につけている。昨年サービスを開始したSpotifyも75.4ポイントと高い満足度を得ており今後のシェア拡大が見込まれる。Google Play Musicは73.1ポイントで4位、以下dヒッツが72.3ポイント、Amazon Prime Musicが70.3ポイント、AWAが70.3ポイント、LINE MUSIC 67.6ポイントと続く。
Apple、Googleなどのサービスで邦楽・洋楽ジャンルの充実によって満足度が高まる傾向
定額制音楽配信サービスは、月額数百円から千円程度の料金で様々な楽曲が聴き放題となるため、自分の好きなジャンルの曲をどれだけ網羅しているかがサービス選択時の重要な指標となる。
Apple Music、Google Play Musicなどのサービス利用者では、邦楽や洋楽の楽曲が充実しており満足しているという回答が約50%以上に達しており、聴き放題サービスの恩恵を感じているようだ。一方でサービス価格や音楽管理ソフトの使いやすさに満足しているという回答者は20〜30%程度に留まっており、まだサービス改善の課題は残されている。
世界的な音楽コンテンツの視聴方法は、コンテンツ購入から定額制聴き放題へと移行しており、この流れは止まりそうにない。さらに今後は若い世代だけでなく、40代・50代以上の世代においても定額制音楽配信サービスを活用する機会が増えるため、市場規模がさらに拡大していくことは確実と言えそうだ。ICT総研では、今後も定額制音楽配信サービスの市場動向、利用者動向を定点観測していく方針である。