固定ブロードバンドサービス利用者満足度、ソフトバンク光が69.0ポイントで1位、ドコモ光が68.7ポイントで2位に ―ICT総研調査
2016年7月12日 10時59分更新
株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は7月12日、「2016年度 ブロードバンドサービスの市場動向」に関する調査結果をまとめた。
■ 2015年度末の固定ブロードバンドサービスは3,782万件で前年比3%の増加
光回線(FTTH)、ADSL、CATVインターネットを合わせた固定ブロードバンドサービスの加入者数は、2016年3月末時点で3,782万件となった。固定ブロードバンドサービスの総加入者数は前年と比べて104万件増で伸び率は3%となった。
3,782万件のブロードバンドサービスのうち、光回線は2,790万件で74%を占める。2015年度の1年間における光回線純増数は125万件となり、純増数はほぼ前年と同じであった。また、ADSL回線はさらに減少傾向が続いており、累計320万件で前年から50万件の純減となっている。
CATVインターネットは673万件で前年の643万件から30万件増加した。動画配信・音楽配信サービスなどの大容量データ通信ニーズが高まっていることもあり、固定ブロードバンドサービス市場は成長を続けている。
■ 2016年度末のFTTH加入者数は2,907万件へと成長、 2017年度には3,000万件突破へ
光回線サービス(FTTH)の累計加入者数は、2015年度末時点で2,790万件に達した。2015年2月からNTT東西によるコラボ光サービスが開始され、約1年後の2016年3月末には、コラボ光サービス契約数は469万件へと成長している。2016年度末にはNTT東西合計でコラボ光サービスは、824万件に拡大すると見込まれており、従来型のフレッツ光サービスからコラボ光の見通しだ。
コラボ光への転用ニーズは拡大しているものの、新規需要は伸び悩んでいる。2015年度はFTTH全体の純増数が125万件と前年の純増数128万件を下回っており、今後も大きな成長は期待しにくい。2016年度は純増数が117万件で累計2,907万件、さらに2017年度末には3,016万件に成長すると予測している。
■ セット割引サービス利用者は全体の30%、NTTコラボ光のセット割引利用者は8%
コラボ光の普及とMVNO市場の成長もあって、多くの通信サービス事業者がモバイル・固定ブロードバンドサービスのセット割引制度を導入している。セット割引制度は、通信事業者による加入者獲得と解約阻止の役割を果たしており、auスマートバリューが先行してこのサービスを展開してきた。
ICT総研が2016年6月に実施したWebアンケート調査において、auスマートバリュー(セット割引)の利用者は16%、NTT光コラボ(セット割引)の利用者は8%となっている。その他のサービスのセット利用者を加えると全体の30%が、セット割引を利用していることになる。昨年の同時期に実施したアンケート調査では、セット割引利用率は17%に留まっており、1年間で利用率が大きく伸びている。
セット割引を利用していないユーザーは26%、セット割引の対象となっていないサービスのユーザーが44%で両方を合わせると全体の70%を占めている。したがって潜在的なセット割引の需要開拓はこれからが本番と言えるだろう。
■ 利用者満足度はソフトバンク光が69.0ポイントで1位、ドコモ光が68.7ポイントで2位
Webアンケート調査で、固定ブロードバンドサービスの利用者による顧客満足度を分析したところ、ソフトバンク光の満足度ポイントが69.0Pで1位、ドコモ光が68.7Pで2位となった。これは光コラボを利用したFTTHサービスとモバイルサービスのセット割引の影響でサービス価格に対する満足度が高まったことが影響している。光コラボサービス以外のNTTフレッツ光に対する満足度は65.5Pに留まっており、セット割引サービスを展開するコラボ光サービスとの差が際立っている。
今後は、モバイル・固定ブロードバンドサービスのセット割引に加えて、様々なサービスとのセット割引が普及することが見込まれる。例えば、東京電力、東京ガス、関西電力などのエネルギー料金とのセット割引、異業種提携によるセット割引、MVNO事業者によるサービスなどがモバイル・固定ブロードバンドサービスの市場規模を拡大させる見込みであるとICT総研は分析している。
この調査の詳細はICT総研のホームページを参照していただきたい。
ICT総研:http://ictr.co.jp/