日本の消費者は効率よりも人間味をサービスに求める傾向――アジア3ヶ国での比較調査

2015年11月26日 10時07分更新


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 アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは日本、インド、香港の3ヶ国の市場の消費者3,000人に対して、「アジア3市場で聞く、顧客サービスについての意識調査」を実施し、その結果を発表した。

 調査は日本、インド、香港の18歳以上の男女を対象に実施され、調査方法はオンライン調査を採用、実施期間は2015年8月1日から31日にかけて、サンプル数は計3,000名となっている。

 それによると、日本における「期待通りの顧客サービスを受けている」と思う消費者は昨年の45%から大きく好転して52%に上昇した。それでもインド、香港と比較すると10%以上低い数値となっている。

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 日本の消費者が顧客サービスにおいて最も重視するのは、顧客の身になってパーソナルな態度で接してくれる「人間的である」で26%。続いて「礼儀正しさ」が25%、「相談相手として頼りになること」が22%となっており、個々のニーズに則した細かい顧客サービスを求める結果となっている。一方「効率を重んじる」がインドでは34%、香港では42%で最多となっており、こうした面からも日本の消費者の特徴がうかがえる。

 次にSNSを通じた顧客サービスについてみてみると、「SNSを通じて顧客サービスの問題について企業から回答を得た、または解決した」と回答した人は日本では67%となり、2012年の56%から大幅に増加した。しかしインドでは91%、香港では86%に上っており、日本と比べるとSNSを使用する頻度が高いことが明らかになっている。

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 顧客サービスにおけるSNSの利用用途をみてみると、「より多くのユーザーと自分のサービス体験について共有するため」が40%で1位に。と回答。次いで「サービスの優れた企業について他のユーザーからお勧めを聞くため」が32%、「会社からより良いサービスを受けたり、より良い体験を得たりするための方法について他のユーザーに質問をするため」が25%で続いている。
 2012年と比較して顕著に伸びたのは「SNSを通じて他のユーザーに顧客サービスに関する質問をするため」で、18%から25%へと伸びている。実際に新たに取引をする企業を決定する際に基準にするものとしては「オンラインやソーシャルメディアのレビュー」を重視すると回答した消費者がで24%となり、こちらは昨年の19%から5%向上している。

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 悪い顧客サービスが原因で企業からサービス・製品の購入をやめたことのある割合をみると、日本は過去最高の40%を記録した。また悪いサービスを我慢できる回数について聞いたところ、インド、香港では約60%が「2~3 回は我慢できる」と回答したことに対して、日本の消費者の約半数となる48%が「直ちに取引先を変更する」と回答しており、一度でも悪いサービスを受けるとサービスの利用を停止する日本の消費者の傾向を明らかにしている。

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 今回の調査結果から判明した日本の消費行動の特性について、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授の野﨑俊一氏は、日本の消費者が「期待通りの顧客サービスを受けたか否か」の評価基準はいわゆる「おもてなし」的な周辺サービスも判断基準に加味されている点や、日本の消費行動の象徴的事例として、不満を持つ顧客はクレームを言うこともなく新しい利用先を求める行動が根強く残っている点などを指摘している。

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