高価格帯ではザ・リッツ・カールトンが10年連続首位に――日本ホテル宿泊客満足度調査
2015年11月24日 17時09分更新
J.D.パワー アジア・パシフィックは2015年日本ホテル宿泊客満足度調査の結果を発表した。
調査は日本全国のホテルグループ・チェーン139ブランドを対象に、宿泊者のホテルでの経験やサービスに対する満足度を調べたもの。2015年8月にインターネット調査にて実施され、全国の18歳以上の男女を対象に、直近1年間に宿泊したホテルについて質問している。
満足度の測定にあたっては「予約」「チェックイン/チェックアウト」「客室」「F&B(料飲)」「ホテルサービス」「ホテル施設」「料金」の7つのファクターを設定。各ファクターにおける複数の詳細項目に関する宿泊客の評価をもとに、総合満足度スコアを算出。また1泊あたりの料金に応じて4部門に分け、それぞれで総合満足度ランキングを発表している。
ランキング対象となった9ホテルブランド。その中でザ・リッツ・カールトンが786ポイントで10年連続第1位を獲得した。ザ・リッツ・カールトンは「チェックイン/チェックアウト」「客室」「F&B」「ホテル施設」「ホテルサービス」の5部門においてもトップの評価を得ている。
2位は778ポイントで帝国ホテル。こちらは「料金」「予約」部門にて1位の評価を得た。3位は715ポイントでウェスティン、4位は771ポイントでホテル オークラ、5位は707ポイントでハイアットリージェンシーと続いている。
1泊35,000円以上部門は上位2ブランドが突出しており、部門平均を上回ったのはそのザ・リッツ・カールトンと帝国ホテルのみという結果になっている。
リゾナーレが717ポイントで、対象となった25ブランドの中から総合満足度1位を獲得した。「客室」「F&B」で1位の評価を得ている。2位は709ポイントで富士屋ホテル。「料金」部門で1位となった。
3位は「チェックイン/チェックアウト」「予約」でトップとなり、707ポイントを獲得したホテル日航。4位は705ポイントのラピスタ、5位は701ポイントでロイヤルパークとなっている。
対象となったのは16ブランド。1位となったのは690ポイントでリッチモンドホテルズとなった。「チェックイン/チェックアウト」「客室」「ホテル施設」「F&B」「ホテルサービス」「予約」の6部門で1位の評価を得ている。
2位は673ポイントで三井ガーデンホテル、3位は同率の664ポイントでダイワロイネットホテル、JR九州ホテルと続く。
対象となった15ブランドの中でスーパーホテルが664ポイントで1位を受賞。「チェックイン/チェックアウト」「客室」「料金」の3部門でトップ評価を得た。2位は「朝食」「ホテルサービス」「予約」でトップ評価を得たホテル法華クラブで、641ポイント。3位は638ポイントの同率でコンフォートとヴィアインホテルが並んだ。ヴィアインホテルは「ホテル施設」でトップ評価を得ている。
5位は632ポイントで西鉄イン、6位は624ポイントでホテル ルートインとなっている。
外国人旅行者の増加もあってホテルの稼働率の上昇や宿泊料金の上昇の傾向がみられ、本調査においても1泊1室あたりの宿泊料金は昨年から上昇しているという。ただし宿泊客満足度は昨年から大きな変化はなく、見合うサービスの提供があったとみなしていると分析されている。
また昨年の調査結果と比較してみると、「ホテル到着時にあたたかい出迎えがあった」の割合が業界全体で5ポイント増の63%に向上したほか、更にロビー周りにの宿泊客を迎えるための配慮や工夫がなされているホテルもみられるようなったという。
「ホテル到着時にあたたかい出迎えがあった」と感じる場合の満足度は「なかった」場合よりも約100ポイント高いことを調査から明らかにしており、このようなホテル側の取り組みが宿泊料金上昇の満足度に対するネガティブなインパクトを防ぐことに繋がっているとJ.D.パワーは指摘。ただしこの1年で最も稼働率の上昇が大きかったとされる大阪地区においては、満足度の低下が見られており、ホテル側の対応が十分に追いついていない現状も同時に懸念している。