ファンの満足度向上の成果?―プロ野球パ・リーグ観客動員数新記録

2015年10月14日 08時07分更新



 日本野球機構は、プレーオフを除くプロ野球のシーズン公式戦全日程が終了したことを受けて、今シーズンの観客動員数を発表した。
 
 パ・リーグは、前年を上回る10,72万6,020人の観客動員を記録し、実数発表となった2005年以降最多の観客動員数を記録した。前年比は5.5%となる。昨シーズン(2014年)も、福岡ソフトバンクホークスとオリックス・バファローズによる熾烈な首位争いの影響もあり、1,024万2,478人と観客動員は好調であったが、今シーズンはそれをさらに上回った。
 
 球団別に見ると、千葉ロッテマリーンズが前年比9.5%と、最も割合が伸びている。千葉ロッテマリーンズはシーズン通してみると福岡ソフトバンクホークス、北海道日本ハムファイターズに大きく離されて3位という順位に終わった。だが、終盤に見せた埼玉西武ライオンズとの熾烈なクライマックスシリーズ出場権争いで注目を集めたことや、球場正面のボールパークステージを始めとする球場設備の大幅リニューアルによる観客の満足度向上などが奏功したものと見られる。
 
 前年比7.9%でこれに続くのが、埼玉西武ライオンズ。こちらも同様に終盤のCS争いの効果もあったと思われるが、秋山翔吾外野手、中村剛也内野手など、打撃面でタイトル争いをする活躍を見せた選手を多く擁したことが、観客を惹きつけたと見ていいだろう。

 福岡ソフトバンクホークス、埼玉西武ライオンズ、オリックス・バファローズ、東北楽天ゴールデンイーグルスの4球団は、実数発表開始以降で史上最多の観客動員数であり、パ・リーグ全体としても観客動員数の新記録となっている。

 人気のセ・リーグ、実力のパ・リーグと称されたのも過去の話。観客動員という点でも、パ・リーグはセ・リーグと遜色のない水準となっているのが現状だ。近鉄バファローズの消滅などを経て大規模に球界が再編された2005年以降、東北楽天ゴールデンイーグルスや北海道日本ハムファイターズ、福岡ソフトバンクホークスの地域密着戦略本格化、ダルビッシュ有、田中将大など日本を代表するスーパーエースの創出、セ・リーグに対しての6年連続交流戦勝ち越しなど、球団や選手の地道な努力がファン層の裾野を広げ、満足度・期待度を向上させることで、人気面でも結果が目に見える形として結実しつつある。

 エキサイティングな試合だけでなく、観客動員という側面で見ても、2016年以降もパ・リーグから目が離せない。

 

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